プリ・スエージョン

  

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PRE-SUASION :影響力と説得のための革命的瞬間

PRE-SUASION :影響力と説得のための革命的瞬間

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ロバート・チャルディーニ 誠信書房 2017-12-12

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書籍紹介

著者３３年ぶりの単独書き下ろし。そして今、『影響力の武器』は新たなステージへー。説得をつかさどるものは何か、その答えは前段階にあるー。米国心理学会Ｄｉｖｉｓｉｏｎ８（パーソナリティ・社会心理学会）２０１７年図書賞受賞！！（「BOOK」データベースより）

テスト

第1章 下準備ーはじめに

1. 成績トップの人たちが多く時間を割いていたのは、要請を行う「〇〇」何をして、何を言うかの、入念な作り込みだった。
   < p3 >

2. 非常に優秀な人々でも、目の前の状態に対して自分が「〇〇」的に提供できるものを考えるし、その点を気にかけていた。しかし、そこまで優秀でない人々と比べた場合、提案が持つ合理的な「◇◇」に頼ってその提案を受け入れさせようとすることは、非常に少なかった。彼らがそうした「◇◇」と同等に、あるいはそれ以上に重視していたのは、最初の働きかけを行う際の「△△」だった。
   < p3 >

3. 説得の達人を達人たらしめるのは、「〇〇」、すなわち受け手がメッセージに出会う前から、それを「◇◇」になるようにする行為。したがって、最も首尾よく「△△」を行うには、最も首尾よく「〇〇」を行わなくてはならない。では、どうすればいいか。その答えといくぶん関係しているのは、「最初に「●●」するものが、次に「●●」するものへの相手の受け止め方を変える」という教え。
   < p4 >

4. 彼がこの手を考えついたのはたまたまだったが、大きな「〇〇」を口にし、結果としてその「〇〇」を相手の「◇◇」に送り込むだけで生じる驚くべき効果を経験している人は、ほかにもいる。さらに重要なことがある。「△△」に提案したものが強い力を持つのは、大きな「〇〇」を「△△」に出したときだけには限らない。そればかりか、「〇〇」と無関係なときでも、「△△」に何を提示するかで結果に影響が出る。
   < p5, p6 >

5. ジムは自分が「〇〇」できる人間、つまり親友や身内のような、家に自由に出入りさせてもよい人間だと主張したわけではない。ただ、そういう種類の「◇◇」を置かれる人間「△△」の扱われ方をされるように、状況を整えた。注目すべきは、この手法以外には、ジムの売り込み方と、ジムほど売り上げの伸びない同僚たちの売り込み力との間に、目立った違いが一つもない。違いを生んでいたのは、ひとえに「●●」の力だった。
   < p9, p10 >

6. フレーム、アンカー、プライム、マインドセット、あるいはファースト・インプレッションなど。後ほどそうしたステップを一つひとつ見ていくが、本書ではそれらを一貫して「〇〇」と呼ぶ。二つの働き方で「◇◇」のための扉を開けてくれるからだ。「〇〇」の働きの一つ目は、説得のプロセスを「△△」させること。ただし、説得の道を開くのは、存在する「●●」を排除するという「〇〇」の二つ目の働きだ。この働きにより、説得のプロになりたい人たちのために、「〇〇」は相手の「◆◆」と、しっかりと施錠された「▲▲」を開けるように促す。
   < p10 >

7. 本書と「影響力の武器」の重要な違いとして、本書では説得を行うにあたって、何を言うのが最も効果的かだけでなく、それを「〇〇」言うのが最も効果的かについても、科学的に裏付けられた証拠を示している。その証拠から、影響力の行使に最適な「◇◇」を捕まえる方法が学べる。また、そうした「◇◇」を生み出す、つまり作り出す方法も学べる 。
   < p16 >

8. 下準備としての行動が開く好機の扉は、決して「〇〇」ではない。私が「特権的」という概念を導入したのは、こうした下準備としての行動が相手の心にしばしば生み出す、「◇◇」に限って有効な「△△」気分、というものが存在するため。「特権的」の意味は簡単にいうと、特別に高められた状態。
   < p19, p20 >

9. 一方、「瞬間」という言葉は二つの意味を持つので、もう少し複雑。一つは「〇〇」のある期間という意味で、この場合には、オープナーが「◇◇」をしたすぐ後に来る絶好の機会、すなわち「△△」の力が最大になる期間を指す。もう一つは物理学の分野からくる意味で、類をみない運動を引き起こす独特な「●●」の力を指す。これらの二つの側面の組み合わせには、第３の、すなわち、「◆◆」的な側面に、驚くべき変化をうむ力がある。
   < p20 >

復習リマインダー

　　江本 健吾

注釈：第1章

1. 「〇〇」不足という障害を排除する下準備（プリ・スエージョン）的オープナーは、ジムの手法以外にも存在する。たとえば、最初に聞き手との間に「◇◇」同士の感覚を作り上げておくと、「△△」する側が「●●」ばかりするようなタイプだったとしても「〇〇」が増し、その後の「△△」がうまくいく可能性も増す。
   < p354 >

2. こうした立場に立つのは私だけではない。たとえば、マイケル・J・モーブッシンは、大量の研究を手際良くまとめた堅実な思考戦略に関する著作で、一歩退いた観点から「最良の決定を引き出すのは「〇〇」である」と結論づけている。実際、ある状況において目立つレベルの「〇〇」は、しばしばその状況が持つ最も有益な「◇◇を表す」特徴でもある。
   < p354 >

3. 機が熟す（行動を起こすべき時期になる）という考えはさらに古く、古代ギリシア語の「〇〇」と、時間と状況が巡り合わせよくまとまる「◇◇」を指す「〇〇時間」という概念に表されている。実際、影響力を行使するテクニックの教師として超一流の人物だったアリストテレスは、議論を出す際に正しい「◇◇」を逃さないことの重要性を説いている。
   < p355 >

　　豊川 ひろこ

第2章 特権的瞬間

1. 専門用語で「肯定的検証方略」と言うが、つまりはこう言うこと。ある可能性が正しいかどうかを判断するとき、人はたいてい、「〇〇」ではなく「◇◇」を探す。「△△」ではなく「●●」を探す。何かの「◆◆」に気づくのは、その「▲▲」に気づくよりも簡単。
   < p32 >

2. 人は生まれつき、質問への「〇〇」より「◇◇」を探す、という傾向が備わっている。カナダ人の実験参加者に「社会生活に満足していますか」あるいは「社会生活に不満がありますか」という質問のどちらかを尋ねた研究で、まさにこうした結果が得られた。不満があるかと尋ねられた人たちは、答えを考えるときに不満の種を非常に「△△」しやすくなり、その結果、不満があるかと答える人の数が「●●倍」近くも多くなった。
   < p33 >

3. 呼び止めた相手が調査へ協力してくれた割合は、「〇〇」パーセントにしかならなかった。「あなたは◇◇ですか？」。尋ねられた相手は、ほぼ全員がちょっと考えた後、「ええ」と答えた。その「△△」、つまり、自分は「◇◇」であると実験参加者自らが確認し、研究者に対して認めた後、すかさず研究者たちは調査への協力を依頼した。すると今度は、「●●」パーセントの人から協力を得られた。
   < p36 >

4. ここでは本書の主要テーマの一つである、より一般的な洞察を一つ、引き出しておく。ある状況下で人の「〇〇」を最も左右しやすい要因は、往々にして、その場で最も賢明なヒントを与えるものではなく、「◇◇」を下す場面でその人の「△△」を引いていた（それゆえ「●●」的になっていた）ものなのだ。
   < p36 >

5. 「もし他者の「〇〇」を変えたいのなら、まずはその人物に備わった何らかの「◇◇」を、その「〇〇」に見合うように変えさせなくてはならない。人を説得して、馴染みのなかったもの、例えば新発売のソフトドリンクなどを買わせようとするなら、まずはその品物に対する「△△」や「●●」や「◆◆」を変えるように働きかけ、その製品を買いたいと思わせるべきである。たとえば、あるソフトドリンクへの「△△」を変えさせたいなら、それが今、市場で急速に売り上げを伸ばしている新製品だと伝えてみよう。そのドリンクへの「●●」を変えさせたいなら、好感度の高い有名人とそのドリンクを結びつけるのがよい。そのドリンクとの「◆◆」を変えさせたいのなら、スーパーで無料サンプルを配ろう」これらのやり方がうまくいくことを示す証拠はたくさんあるが、今や明らかになっていることは、これら以外にも「▲▲」のモデルが存在し、そのモデルが従来のやり方とは異なった「××」成功への筋道を提供しているということ。
   < p37 >

6. この従来とは異なる、「〇〇」というアプローチによれば、望む行動をとらせるために、相手の考えや印象や関わり方を変える必要はない。変える必要があるのはただ一つ、「◇◇」の瞬間にその人の心の中で「△△」っているもの。先ほどのソフトドリンクの例でいえば、「△△」たせるべきは、説得相手がこれまでに進んで「●●」ことがある、という事実かもしれない。
   < p37, p38 >

7. 彼らの第二実験では、これを少しだけ変えた下準備的なオープナー（最初に「あなたは「〇〇」のあるタイプですか？」と尋ねる）を用いても、「◇◇」のない商品を試す意欲を湧かせられるとわかった。商品というのは新発売のソフトドリンクで、無料サンプルをもらうには、「△△」を教える必要があった。通常のアプローチでは「△△」を教えたのは33％だけだった。初めに「あなたは〇〇のあるタイプで、●●を試すのが好きですか？」と尋ね、ほとんど全員が「はい」と答えた。そして、その後、75.7パーセントの人が「△△」を教えてくれた。
   < p38 >

8. これらの発見には驚くべき特徴が二つある。第一に、「〇〇」があるかと尋ねられた実験参加者のうち、「◇◇」パーセントが「ある」と答えているところ。「このタイプに当てはまりますか？」という一面的な質問をされた時、質問をされたほうが、ほぼ決まって「△△」と答える。これこそが、「●●」と、それが生み出す「◆◆ものの見方」のパワーだ。「◆◆」は、一次的なものとはいえ、結果を大きく左右する。説得力が増す特権的瞬間の続く間、ものの見方を「◆◆」人は、その見方と合致する「▲▲」に対してとても無防備になるからだ。
   < p38, p39 >

9. ソフトドリンクの実験からわかるもう一つの特筆すべき特徴は、簡単な「〇〇」一つで、大勢の人間に特定の「◇◇」を選ばせることができたという点ではなく、大勢の人間に、潜在的な「△△性」のある「◇◇」を選ばせることができたという点。重要なのは、参加者全員に対して同じ「●●」だったにもかかわらず、第二グループの75.6%の人たちが、最初の「〇〇」によって冒険心があるという自分の一面に「◆◆」づけられた後、「▲▲すべき状況」を「××」して、愚かな「◇◇」に考えなしに飛びついた点。
   < p39, p40 >

復習リマインダー

　　菅野 真希子

第2章 特権的瞬間 - 意識を集中させることの手数料（と禁止事項）

1. ある「〇〇」を導く要因は往々にして、最も賢明なヒントを与えるものではなく、その直前に「◇◇」なのです。何故なのでしょうか。その答えと関係しているのが、「△△」の徹底した性質です。「△△」は、その場で意識の向いている側面を「●●」だけでなく、同時にそれと「◆◆」するような側面をすべて、たとえそれが非常に重要なものであっても、「▲▲」してしまうのです。
   < p40 >

2. 何かに「〇〇」を払うときの代償は、他の何かに対する「〇〇」の喪失だ。というよりも、どうやら人間の意識は一度に「◇◇」しか把握できないらしいので、あるものに「〇〇」を払ったときの代償として、私たちは他のものに対する「〇〇」を、束の間「△△」失ってしまう。
   < p41 >

3. 複数の情報経路を扱う最も良いやり方は、次々に「〇〇」を行う、つまり一つ一つの経路に対する「◇◇」の扉を、順番に開けたり閉めたりすることだ。これは、「△△」をこなすためのスキル、すなわち同じ時間枠の中で複数の活動に焦点を当てるための能力だ。二つ以上の事柄を「●●」に意識できるような気がしている人もいるかもしれないが、それは勘違い。「◇◇」を向ける対象を高速で「〇〇」ているだけなのだ。
   < p41, p42 >

4. 注意を払うことに代償があるのと同じく、注意を切り替えることにも対価がかかる。注意の切り替わるおよそ「〇〇」程度の間、私たちには精神的な「◇◇」が生じる。これは「△△」と呼ばれるもので、この「◇◇」が生じている間、私たちは新しく示された情報を「●●」できない。
   < p42 >

5. このことを知っているので、私はやり取りする相手が何か他のことを同時にしていると、とても腹立たしい気分になる。私の差し出している情報が「〇〇」的に「◇◇」でないと見なされているのを感じるからだ。電話の相手も、他のことをしながら電話をすることで、私の差し出す情報が「〇〇」的に「◇◇」でないと感じる。なぜなら、人は自分が「△△」を向ける（あるいは向けない）対象とは、そのときの自分が何に「●●」を置いているかを示していると、しっかりわかっているため。ここに、この影響力のプロセスの要点がある。つまり、誰かの「◆◆」を何か（考え、人物、品物など）に向けさせるためにできることはすべて、受け手がその何かから感じる「◇◇」性を、以前よりも「▲▲」のだ。
   < p42, p43, p44 >

6. 多くの研究が、ある物体との「〇〇」を縮めると、その物体の「◇◇」が高まるように思えることを示している。ある研究では、スナック菓子の袋に「△△」自分の姿を「●●」するだけで、スナック菓子への好感度が上がり、適正価格だと思う金額が「◆◆」以上、跳ね上がった。
   < p45 >

復習リマインダー

　　肥田 亮平

注釈：第2章

1. さまざまな証拠が、人は「〇〇」よりも「◇◇」に「△△」を向け、「●●」づけを行うという本能的な傾向があることを示している。たとえば、この判断の偏りに対する脆弱性は、チェスの達人たちの綿密に組み立てられた指し手のなかにさえ現れる（そのせいで形成が不利になることもある）
   < p356 >

2. 一方向からの調査質問への回答を「〇〇」するよう勧めるのは、そういった質問がどれほど「◇◇」方向に回答者を誘導できるかを示すデータがあるからである。たとえば、シューマンとプレッサーによる古典的な研究では、アメリカ人の回答者に「もし、この冬、深刻な燃料不足が発生したら、一般家庭の暖房使用を法律で禁止すべきだと考えますか」と質問したところ、38.3パーセントが「規制すべき」と答えた。一方で、質問文に「それとも、そうした法律には「△△」ですか」というバランスを取るためのちょっとした一文を加えたときには、回答者の29.4パーセントしか規制を支持しなかった。
   < p356, p357 >

3. 批判的な人であれば、ボルカンとアンデルセンの実験結果を違うかたちに解釈するかもしれない。おそらく、実験参加者たちがメールアドレスを教えたのは、「〇〇」的に自分の冒険好きな性質を強く「◇◇」したためではなく、研究者と「△△」で「●●」（質問とそれに対する答え）をしていたために、相手と相手の提案への「◆◆」が高まっていたのだ、というような解釈である。これは充分考えられる説明だ。最初にほんの少しでも「▲▲」をしておくと、「××」を聞いてもらいやすくなるという証拠が存在するからだ。だが、ボルカンとアンデルセンが実施した第三の実験は、その解釈では二人が発見した基本的な効果を説明できないことを示している。
   < p357, p358 >

4. この最後の研究では、コミュニケーションの講座を受講する大学生にある「〇〇」を配る。「〇〇」には、メールアドレスを登録すれば、新発売のソフトドリンクが無料でもらえるお得情報を受け取れると書いてある。一部の学生が受け取った「〇〇」には、冒険心に関する質問はいっさい載っていない。メールアドレスを登録した学生は、たったの「◇◇」％にすぎなかった。残りの学生が受け取った「〇〇」には、「あなたは冒険心のあるタイプで、新しいことを試すのが好きですか」という「△△」的な質問が印刷されていた。この広告を受け取った学生の「●●」％が、それに先立つ「◆◆」の「▲▲」の影響なしにメールアドレスを登録したのである。
   < p358 >

5. 投票率に関するある調査で、このような「〇〇」的な「◇◇」の力を最大化する、目立たないコツが見つかっている。「◇◇」は問題として取り上げる「△△」ではなく、「●●」に関するものにするべきなのである。二つの国政選挙の前日に、研究者たちは有権者に電話をかけ、投票に行くかどうかを尋ねた。一方は「◆◆」としての意識に関する「◇◇」（「今度の選挙の「◆◆」であるのは、あなたにとってどれくらい重要ですか」）だった。もう一方は「▲▲」という行為に関する質問（「今度の選挙で「▲▲」するのは、あなたにとってどれくらい重要ですか」）だった。どちらも下準備的オープナーも実際に翌日の投票率を上げていたが、どちらの選挙でもより効果的だったのは、「◆◆」としての好ましいあり方と結びつけた「◇◇」のほうだった。
   < p358 >

6. 諸研究によって明らかになった、ある「〇〇」が「◇◇」を支配してしまうと「△△」の「〇〇」に「●●」にくくなるという一般則は、いろいろな姿で現れる。たとえば、人々に特定の目標を「◇◇」させると、「△△」の目標の存在に気づく見込みが（標準レベル未満にまで）下がる。特定の求職方法（面接を受けるなど）を「◇◇」させると、経歴書の更新や採用してくれそうな会社に電話を入れてみるといった、職を得るためにできる他の方法に「●●」にくくなる。いくつかの単語を覚えさせ、そのうちの一つだけを「◆◆」思い出させていると、同じときに覚えた他の単語を「▲▲」やすくなる。ある単語の特定の意味だけを盛んに「××」と、同じ単語の他の意味を思い出しにくくなる。たとえば、プルーンという単語は果物を指すと言われたとき、その単語が「刈り込む」という意味の動詞にもなることは、なかなか浮かばなくなる。
   < p359 >

7. 一度に「〇〇」できる経験は「◇◇」だけという法則は、視覚と聴覚以外の情報経路にも当てはまる。同時に「△△」のものに「●●」を向けることが難しいという人間の性質によって説明しやすくなるのが、運転中の携帯電話の使用に関するぞっとするようなデータである。この件に関する証拠の概説（携帯電話を使用しながらの運転は、少量の「◆◆」よりも危険性が高いことを示した調査も扱われている）はハイマンらを参照。なお、車の同乗者との会話が同様のリスクを引き起こさない理由は、同乗者が運転者の向き合っている「▲▲」に、発言の「××」や内容を合わせられるからである。
   < p360 >

8. 何かを注視すること、およびその注視先の「〇〇」が注視されるものの「◇◇」を伝えるという考えは、幼児と成人双方における注視の「△△」に関する研究からも裏付けられている。
   < p360 >

9. あるものに対して「〇〇」進んで「◇◇」いくと、それに対する「△△」が高くなるという一般的な証拠は諸研究を参照。人が「●●」していものにも同じ効果があるようだ。ある研究では、参加者にある種の料理（地中海式ダイエット）に関する肯定的、あるいは否定的な意見を書いてもらった後、その紙をポケットもしくは財布にしまわせるか処分させるかをした。書いたものを「◆◆」ことはなかったにもかかわらず、後で尋ねてみると、意見を書いた紙をポケットや財布に入れていた人たちの地中海式ダイエットに対する反応は、紙に書いた「▲▲」から強い「××」を受けていた。
   < p361 >

復習リマインダー

　　豊川 ひろこ

第3章 注意から生まれる重要性が重要

1. 「〇〇」を引くものは、観察者にその「◇◇」を「△△」評価させることができる。たまたまその場で目立っているものに、「△△」な「◇◇」を認めるという人間の基本的傾向は、大勢の研究者が実証している。
   < p47, p48 >

2. 求められていたのは、適切に評価されれば、人々の世界に対する「〇〇」を最も向上させる科学的概念を一つ挙げることだった。カーネマンは、彼が「◇◇」と呼ぶ概念を説明するエッセイをたっぷり500語も書いてきたが、彼の答えはエッセイの題名に手際よくまとめられている。いわく、「人生のどんな要素にも、あなたがそれについて「△△」に感じるほどの「●●」はない」
   < p49 >

3. 〇〇仮説の核心は、「メディアは、受け手に新しいものの見方をもたらすような説得力のある◇◇を出して、直接的な△△を作り出すことはほとんどなく、ある問題や事実を他のものより多く「●●」することによって、間接的に受け手を「◆◆」している場合が多い」というものだ。この大量の「●●」によってある話題にばかり「▲▲」した結果、受け手は何らかの立場を選ぶ際に、その話題を最も「××」すべき大切な事柄だと考えるようになる。
   < p50 >

4. どうして私たちは、その場で「〇〇」を向けている対象を非常に「◇◇」だとみなすのだろうか。理由の一つは、その対象がその場において実際に「◇◇」である場合が多いからだ。しかし、限りある「〇〇」力を特別「◇◇」なものに集中させる、この理にかなったシステムにも不完全なところがある。「△△」な要因によって「●●」意識をそれに向けたというだけで、あるものを「◇◇」と誤解してしまう場合がある。人はたいてい、ある考えや出来事、グループに「〇〇」が向いたからには、対象にそれだけの「◇◇」性があるに違いないと考える。
   < p52 >

5. 人間がどれほど「〇〇」錯覚に影響されやすいかに気づいた後、ようやく私は、ハリウッドの広報担当者がよく言う「◇◇など存在しない」という言葉の意味が、はっきりとわかるようになった。窮地に陥った有名人が最も恐れることは、無視されて「△△」こと、つまりカルチャーシーンから脱落することだと、しばしば言われる。どんな種類のものであれ、「●●」が立てば、その最悪の運命だけは免れる。「◆◆」が集まるからだ。そして、強い「◆◆」には「▲▲」性認知が伴う。とりわけアートの世界では、作品の価格がほぼ「××」だけで決まるので、話題になる機会が増えれば価格も上がる。というわけで、人は社会的地位の高い有名人を見るために、対価を払う。そうした有名人が「▲▲」な存在に思われるからだ。
   < p53 >

6. 説得を行う人（パースエーダー）が巧妙に、申し入れの最も「〇〇」に受け手の「◇◇」を引きつければ、その人は成功を収める下準備をする人（プリ・スエーダー）になる、つまりそのような人は、ただ単純な「◇◇」に基づくやり方（受け手がそれらの特徴をしっかり「△△」よう取り計らうやり方）だけでなく、受け手がその申し入れを「●●」するより前に、それらの特徴に誇張された「◆◆」性が加わるように取り計らうことによっても、効果をあげている。そして、受け手が実際にその特徴をしっかりと「●●」し始めたときには、二重の影響が働く。まず、受け手は目を向けるよう誘導された証拠の「▲▲」性によって、その特徴がとても「××」だと納得し、さらにその特徴を特に「◆◆」だと見なしやすくなる。
   < p55 >

復習リマインダー

　　並木 祐里

第3章 注意から生まれる重要性が重要 - 裏道を使って注意を高める

1. 2002年の発表以来ほとんど見過ごされてきた論文の中で2人は、ウェブサイトの訪問者たちの意識を、どうやって「〇〇」という目的に向けさせたかを説明している。それは、ただ、「◇◇」をウェブサイトのトップページの壁紙にしただけだった。この戦略が使われたサイトの訪問者たちに、ソファーに何を求めるかと尋ねると、「〇〇」への「◇◇」度が有意に高くなった。また、サイト内検索を使って、在庫のソファーの「〇〇」に関する特徴を「△△」割合も高くなった。そして、これが最も注目すべき点だが、どんなソファーを購入したいかという質問にも、より「●●」な（そして、より「◆◆」の高い）ソファー、と答える割合が高くなった。
   < p57 >

2. 訪問者の意識を「〇〇」という目的に向かわせるために、雲ではなく「◇◇」が描かれた壁紙を表示しておいた。この壁紙を見た訪問者たちは「△△」の重要度をより高く評価し、サイト内検索でも主に「△△」に関する情報を調べ、購入したいソファーとしての「●●」を選んだ。驚くべきことに、のちに行われたアンケートでほとんどの人が、壁紙に描かれた雲や「◇◇」から多少とも影響を受けたかという質問に、「◆◆」と答えた。
   < p57, p58 >

3. 実験参加者に、あるオンライン教育関連の記事を読んでもらう間、画面に繰り返し新製品のカメラの「〇〇」を表示し、記事を読み終えた後もう一度同じ「〇〇」を見せて、広告への「◇◇」を尋ねた。すると、彼らの「◇◇」は、繰り返し見せられなかったグループよりもずっと高くなった。印象的なのは、「〇〇」は記事本文の近くにあり、一度につき五秒現れただけだったので、実験参加者たちはそれを見た「△△」がなかったのに、この効果が現れたという点だ。さらに、記事を読んでいるときに広告の「●●」が多かった人ほど、広告への「◇◇」が高くなっていた。
   < p58 >

4. 同じ広告を繰り返し流すと、ほとんどの場合、ある種の「〇〇」が現れることを示す証拠はたくさんある。受け手は同じ広告を何度も見ているうち、その広告に「◇◇」か、あるいはメッセージの弱さを回数でカバーしていると考えて、広告主を「△△」しなくなる。それなのになぜこのバナー広告は、たった五頁のテキストを読む間に二十回も表示されたのに、一向にこの「〇〇」が生じなかったのか。それは実験参加者たちが広告を「●●」していなかったから。つまり、「◆◆」として「▲▲」していなかったので、つまらないとも「△△」できないとも感じなかった。
   < p58, p60 >

5. 「〇〇」と「◇◇」という、すべての広告形式で成功の度合いを測るのに広く使われている指標では、バナー広告の効果が実際よりもかなり低く評価されているかもしれない。この新しい研究では、「△△」に表示されたバナー広告は好意的な評価を受け、よく生じる「●●」に対して抜群の抵抗力を示したが、広告自体は「〇〇」も「◇◇」もされなかった。バナー広告の効果を高めていたのは、この三つ目の結論（直接的な◆◆の欠落）のようなのだ。広告の価値を測る最高の指標として「〇〇」と「◇◇」を何十年と使い続けたなかで、CMのメッセージが「▲▲」されていないことが利点かもしれないと考えた人が、広告業界に一人でもいただろうか。
   < p60 >

6. 子供の通う学校や自宅が、自動車、列車、飛行機からの断続的な「〇〇」にさらされている人は、「〇〇」防止策の導入を求めていくべきだ。雇用主も従業員のために、ひいては最終的な収益のために、同じことをすべき。一方、学校の先生方は、年若い生徒たちの集中を学習と成績に悪影響を与えかねない別の「◇◇」刺激を考慮する必要がある。確かに言えるのは、「◇◇」に存在する情報は「△△」場合もあれば、「●●」場合もあるということ。だから、最適に「◆◆」を行使したいのであれば、「◇◇」に存在する情報の扱いに気をつけなければならない。
   < p61, p62 >

復習リマインダー

　　足達 浩明

第3章 注意から生まれる重要性が重要 - 好意的な評価を引き出す

1. あるアイデアに注意を向かせる手法がうまくいくのは、そのアイデアに「〇〇」があるときだけだ。もし、アイデアを支持する議論や証拠が聞き手には「〇〇」がないと見られたら、そのできの悪いアイデアに注意を向けさせたところで、「◇◇」は少しも増さない。むしろ「△△」になる。実際、人は何かを「●●」すればしただけ、それに対する意見は「◆◆（「▲▲」したもの）」になるとする研究はたくさんある。だから、注意をとらえるという手法は、「◇◇」を高めようとするときの万能薬にはならない。
   < p62 >

2. しっかりとした論拠があるなら、こうした手法が説得のアピールに特別な「〇〇」を与える場が、いくつか存在する。その一つは、強大な「◇◇」が多数存在する分野だ。ただ前提として、カスタマー・レビューで高評価を受けているなど、注目させる商品は「△△」でなくてはならない。ここで大事なのは、評価をする人が注意を向ける対象が、同程度に良い「●●」ではなく、「◆◆」になるようお膳立てをすることだ。この点がクリアできれば、顧客候補がじっくりと「▲▲」を行った時点で、商品の特徴に根拠と重要性が与えられる。
   < p62, p63 >

3. 消費者がある銘柄にだけ「〇〇」すると、その銘柄にかなりの「◇◇」が与えられることは、いくつかのデータで示されている。たとえばあなたにキャノンの品質にだけ「△△」を求め、ニコン、オリンパス、ペンタックス、ミノルタといった他の大手ブランドについては、求めないようにするのだ。おそらくあなたは理由に気づかないまま、キャノンの35mmカメラを「●●」する意欲が強まるでしょうし、他のブランドの「◆◆」を探さず、すぐに「●●」したくなるはず。しかし、もしキャノンのカメラの品質を評価する「▲▲」に、ニコン、オリンパス、ペンタックス、ミノルタなどの製品について考えるよう求められれば、こうしたキャノンの「◇◇」はなくなる。したがって、「〇〇」から利益を得るためには、他のものを「××」させないことが鍵になる。
   < p63, p64 >

4. ある使い勝手の良い戦略が、現在さまざまな団体によって、ますます頻繁に採用されるようになっている。それは、自社の製品やサービス「〇〇」を評価するよう頼むという手法だ。旅行代理店や金融サービス会社、電話サービス会社などから定期的にやってくる「◇◇」といった質問で、現在受けているサービスを評価したりもする。依頼は少しも悪意がなく、「△△」可能なものに見える。そうした依頼の趣旨は、サービスをいっそう向上させるための「●●」だと思われるからだ。しかし、当然この依頼を受ければ、私は相手に、特にそれが「◆◆」のある企業の場合には、密かなボーナスを与えることになる。他の有力な競合他社と「▲▲」することなしに、依頼をしてきた企業の「××」にだけ注目するからだ。
   < p64, p65 >

5. 選別され、案を「〇〇」だけ「◇◇」するというプロセスを経た結果、参加者全員が、四つの選択肢のなかで自分が「◇◇」した案こそ最善の策であり、会社はこれを採用すべきだと進言した。だが、高い地位にある意思決定者であれば、重要な行動指針の決定に際して実行可能な全選択肢の「◇◇」を行うだろうし、有望な選択肢一つを「◇◇」しただけでそれを採用したりはしないはず。そう思うのは、二つの理由から大間違いと言える。
   < p66 >

6. 第一に、成功に至る正当な筋道すべての徹底的な分析には「〇〇」がかかるため、大幅な「◇◇」が出ることを織り込んだうえで有望なルートを一つひとつ特定し、入念に検査し、緻密な計画を立案しなくてはならない。しかし、高い地位を占める意思決定者がかくも高い地位にいられるのは、組織内の「△△」として有名だったからではない。第二に、どんな意思決定者でも、複数の選択肢を忍耐強く「●●」するのは難しく、緊張を強いられる作業だ。結果として生じる（無理もない）傾向は、この骨の折れるプロセスを避ける、もしくは「◆◆」するために、「▲▲」な選択肢を採用するというもの。この傾向には「××」という一風変わった名前がついている。
   < p66 >

7. 行動指針をこのように決めるときでさえ使ってはいけないのが、不正な強みを持つ別の種類の単一評価法、すなわち、「〇〇」だけに注目するという評価法だ。大きなチャンスが見えて「◇◇」状態にあるとき、意思決定者は戦略がうまくいった場合に「△△か」ばかりに目を向け、それが失敗した時に「●●か」にはあまり、というよりもまったく注意を払わないことがわかっている。こうした甚大な損害を与えかねない過剰な「◆◆」と戦うために必要なのは、計画的に時間を取って、自分では考えつかないことの多い二つの問い「▲▲」「××」と、取り組むことだ。
   < p67 >

8. 「〇〇」の場合を考えるという戦略を研究している意思決定科学の研究者たちは、これが簡単に実施でき、しかも「◇◇」判断を正すのに驚くほど効果的であることを明らかにしている。組織がこのような、あるいはそれ以外にも、意思決定の「△△」の排除に努めた場合に得られる利益はたくさん考えられる。一千社以上の企業を対象としたある研究は、企業が判断の「△△」を正す健全なプロセスを採用すると、投資の利益が「●●」パーセント増えると結論づけている。
   < p67 >

9. 本章で取り上げた研究から得られる結論の一つは、「〇〇される問題は、◇◇な問題だと見なされもする」ということだ。同様の研究のなかには、人がある話題に「〇〇」し損なった場合、その話題の「◇◇」度を比較的「△△」見積もることを示すものもある。自分に都合の良い情報に選択的注意を向けさせることの密かな効能は、割り振った任務に有益な方向づけができることだけではない。すでに見たように、「●●」情報を調整したり、選択肢の「◆◆」だけを評価させることが説得にもたらす結果について、こうした手法を仕掛けられた人は「▲▲」していなかった。
   < p72, p73 > 

復習リマインダー

　　沢田 絹子

注釈：第3章

1. その研究では、さまざまなブランドが店の棚にずらりと並ぶなかで、「〇〇」に置かれた商品が他の商品よりたくさん「◇◇」ことが多い理由を調べた。その結果、「〇〇」にある商品は左右に置かれた商品よりも、視覚的な「△△」を集めることがわかった。さらに、この大きな「●●度」、とりわけ選択がなされる「◆◆」の「●●度」こそが、購入の「▲▲」を予測していたのである。
   < p361, p362 >

2. マコームズとショーが有権者たちに、さまざまな政治的問題の「〇〇」性をランクづけさせたところ、その結果がメディアの「◇◇」のランキングとほとんどぴったり一致していることがわかった。学術的な観点から同じように衝撃的だったのは、メディアの「△△」と、話題の「〇〇」性認知との因果関係を示す証拠である。ある研究では参加者を無造作にグループ分けし、ニュース番組を見せた。各グループの見た番組はそれぞれ取り上げる「●●」が異なっていた。そして、番組を視聴した後、参加者たちは自分の見た番組で最も「◆◆」取り上げていた話題の「〇〇」性評価を著しく高めていた。ところで、メディアがにわかに「▲▲」することで「〇〇」性認知が高まるのは、政治的な問題に限らない。おそらくこれは、「××」の人たちが何かを「〇〇」だと考えるなら、実際そうに違いないと信じる傾向が、人間にあるためだろう。
   < p362, p363 >

3. 有名人とは、現代社会の面白い側面である。歴史家のダニエル・J・ブーアスティンはその著書「幻影の時代――マスコミが製造する事実」で、有名人を「〇〇なゆえに人によく知られた」公的人物と説明し、成し遂げた「◇◇」によって知られている「△△」の有名人と区別している。現代の流儀では、ある人物の「●●」とは、主として「〇〇」になることなのだ。
   < p363 >

4. 焦点錯覚の全般的な原理とその帰結（「〇〇」なものは我々の「◇◇」を引き、我々が「◇◇」を向けたものはその「〇〇」性を増す）に関する証拠は簡単に見つかる。態度という領域を例にとれば、私たちの認知は、最も「△△」が「●●」な（つまり簡単に「◆◆」づけられる）態度が、自分にとって最も「〇〇」な態度であるようにできていることが示されている。同様に、どんな態度であっても、「●●」に「△△」可能なものが、より「〇〇」だと見なされるようになる。さらに、ある消費財に「▲▲的」「◇◇」が集中すると、価値判断を担当している脳の部位が影響され、その消費財に与える価値が「××」という証拠もある。
   < p363, p364 >

5. これらの研究から明らかなのは、「〇〇」がどこへ向いているのかを「◇◇」できない場合があるということだ。実際。「〇〇」の「△△」にはさまざまな種類があり、そのなかには「◇◇」されていないものもある。
   < p364 >

6. 「〇〇」の悪い、もしくは「◇◇」アイデアに向ける「△△」が増えても、それに対する評価は「●●」されず、しばしば逆に「◆◆」するという証拠は、文献を参照。
   < p364 >

7. 有力な「〇〇」のいる分野で、あるブランドが自社の優秀な製品「◇◇」を「△△」するよう消費者を誘導した場合、大きな成果を得られるということを裏付けるデータは、各文献を参照。「●●」で「△△」された経営方針にも同様の効果があることを示すデータ、消費者の意思決定はほとんどの場合「◆◆化」が規範になっていること、および、この傾向が時間、興味、活力が不足しているときにはいっそう顕著になることを示す証拠、最後に「▲▲」の場合を考えるという戦略には、「××」を正す力があることを示すデータ、意思決定の「××」を正す手法の投資収益率に及ぼす影響の研究、また、この研究の追跡調査を行い、非常によくある意思決定の「××」とその対処法について説明した有益な論文もある。
   < p364, p365 >

8. メディア分析の結果は、人はある問題や状況に「〇〇」的に「◇◇」するにつれて、「△△」よりも「●●」の問題に「◆◆」するようになることを示す研究によって、裏づけられている。当時、私はイラク侵攻の正当性を大いに疑問視してはいたものの、この戦争を批判することには、ある種の「▲▲」がつきまとっていた。以後に行われた研究のおかげで、その感情の土台を理解しやすくなった。有力メディアの「◆◆」によって、戦争と関係しているのが、主として遠くでそれを指揮する人々の行為ではなく、「××」の行為なのだと思わされていたなら、理屈がどうあれ当時の私にとって戦争に反対することは、間違いなく不当なことだったのである。
   < p365 >

復習リマインダー

　　豊川 ひろこ

第4章 注目した対象が原因となる

1. 当然といえば当然だが、私たちは「〇〇」した要素の「◇◇」性を高く見積もる。また、そうした要素に「△△」を割り当てもする。そのため、どれほど慎重に検討を加えるときであっても、選択的注意は「〇〇」した対象にはじめから一定の「●●」を与えている。そして、その要素に「△△」という地位を与え、次に人間の持つ疑問のなかで最も本質的な問いである「◆◆？」に対し、「▲▲」という地位を与える。
   < p74 >

2. 「〇〇」の金額を増やすと「◇◇」を譲ってもらえる割合が高まる一方で、相手が「〇〇」を受け取る割合は高まらなかった。この発見を解釈するために、オーバーホルツァー・ジーは目立つ経済的要因の検討を離れ、ある隠れた要因に目を向けた。人間誰しも感じる、困っている人は助けてあげるべきだという「△△」だ。数十年にわたるこの研究が示すところでは、一般的に、誰かが援助を必要とする「●●」が大きいほど、私たちの援助提供への「△△」は強まり、提供しないときは「◆◆」が深まり、援助提供の「▲▲」は高まる。「〇〇」の申し出が同意を促したのは、それがその場に存在するニーズの切実さに相手の「××」を向けさせたためだった。
   < p76 >

3. 金銭的要因は「〇〇」の有力な決定因子とまでは言えない、というのは乱暴すぎる。それでも私は、次のように主張したい。金銭的要因は非常に「◇◇」（そのため、非常に「△△」を引く）だけで、実際には「●●」ほど有力な決定因子になっていことがよくある。逆に社会的「◆◆」、個人的「▲▲」、「××」といったさまざまな要因は、簡単に観察できないというだけで、実際には「●●」以上の決定因子になっていることがよくある。
   < p76, p77 >

4. 金銭のように人と人とのやり取りにおいて「〇〇」を引く要素は、より「◇◇」に見えるというだけでなく、より「△△」らしく見えもする。そして、「△△」だと見なされることは、とりわけその認識が「●●」された「〇〇」を通じて得られた場合には、「◆◆」を生み出す上での重要事項、すなわち、当惑するようなものから不安を感じるようなものまで多岐にわたる人間の「▲▲」パターンがすべて説明できてしまうほどの重要事項なのだ。
   < p77 >

5. この事件から、企業の適切な危機管理がどのあるべきかという問題について、今もなおゴールド・スタンダートと考えられている模範的な対応が生まれた。企業に推奨される対応は、たとえ「〇〇」的に収益を大きく「◇◇」になろうと、「△△」に充分な「●●」を行い、「◆◆」の保護に務めることだ。
   < p78 >

6. 研究者たちがどのような実験条件を設定しようと、実験参加者たちは、自分が見ていた会話の「〇〇」を導いたのは、自分から「◇◇」がよく見えたほうの人物だと見なした。研究者たちが驚いたのは、会話の内容が実験参加者本人にとって「△△」なもののときも、研究者に気を逸らされながら観察したときも、長い中断を挟んでから判断を行わせたときも、自分の判断を他の人たちに教えなければならないと先に言っておいたときも、実験参加者たちの反応は「ほとんど●●」かつ「◆◆的な」かたちで現れたことだ。さらに、このパターンは参加者の性別と「▲▲」なだけでなく、会話を直接目にした場合でも、「××」を見た場合でも、変わりなく現れた。
   < p81, p82 >

7. 取り調べの間、容疑者にカメラが向いていると、録画映像を見た人が容疑者のほうにより大きい「〇〇」（そして、より大きな「◇◇」性）を感じることがわかっている。さらに、テイラーたちが試みたときと同じく、ラシターたちも、この結果の頑固なまでの「△△」性を明らかにした。「●●」を抱かせる「◆◆」の効果を変えるものは何もなかった。しかし、「◆◆」自体を変えれば話は別。録画映像が尋問と自白を横から、つまり容疑者と取調官がどちらもしっかりと映るように撮影されていた場合には、この効果は現れなかった。それどころか、取調官の顔の方へ向けたカメラで撮った映像を見せれば、この「●●」をひっくり返すことも可能だった。その場合には、横からアングルで映像を見た人たちの判断と同程度に、取調官による自白の強要が認識された。このことからも、「▲▲」されるものは「××」扱いされることがはっきりわかる。
   < p94 >

8. 「〇〇」は率いているチーム、グループ、組織の成功や失敗に関して、たいてい実際よりもはるかに大きく、「◇◇」として取り上げられる。企業の業績を分析するアナリストたちは、この傾向に「△△」という名前をつけ、企業の収益には他の要因（従業員の質、企業内部の既存システム、市場の動向など）のほうが、CEOの「●●」よりも強い影響を及ぼすことを明らかにしている。それでもまだ、リーダーには会社の業績に対して、並外れて大きな「◆◆」があると考えられている。そのため、労働賃金が相対的に高いアメリカでさえ、ある分析によれば大企業の平均的な社員の給与はCEOの0.5パーセントにしかならない。トップにいる人間は視覚的にも、心理的にも「▲▲」。そのため、一連の出来事の過程のなかで、「〇〇」としての役割を過度に割り振られるというわけだ。
   < p97 >

9. まとめると、目立つものは「〇〇」で、注目されるものは「◇◇」を表していると考えられるため、メッセージを伝えるときに受け手の注意をメッセージの「△△」に向けさせれば、説得を行う上で大きな強みが手に入る。受け手がメッセージを実際に「●●」する前に、「△△」についてだけ「●●」することを受け入れるからだ。そうなれば、方向づけされた注意が受け手に対して「◆◆」として働き、受け手は実際にメッセージを処理する前からそれを受け入れやすくなる。これは説得を行う側にとってある種、夢のような話。というのも、メッセージを送る際の最も難しい課題は、素晴らしい「▲▲」を提供することではなく、受け手を「××」させて、限られた時間とエネルギーをその「▲▲」の素晴らしさの「●●」に充てさせることだからだ。問題の「〇〇」性と「◇◇」性を認識させれば、この上もなく見事にその課題をクリアできる。
   < p97, p98 > 

復習リマインダー

　　中津川 進一

注釈：第4章

1. その後の研究は、「〇〇されるものが「◇◇」だと見なされる」効果を新たな文脈にまで拡張し、観察者が「△△」を引き起こした人物だと見なしやすいのは、会話でより「●●」で話している人や、縞柄のシャツなど「◆◆」を引く服を着て会話をしている人だということを示した。また、スポーツの試合では、「▲▲」色のユニフォームを着ている競技者のほうが、審判から「××」と見られやすいということさえ、わかっている。
   < p366 >

2. 企業組織で「〇〇」の果たす、「◇◇」としての役割への「△△」が生じているのは確実であるものの、これは企業組織以外でも起きる現象である。政府機関でも起こるし、教育機関でも起こる。また、スポーツチームでも起こる。
   < p368 >

3. 米経済政策研究所による2014年の調査では、公開企業のトップ350社の平均的な社員の給与は、CEOの給与の0.33パーセントだった。また、2015年に実施されたある研究では、この差はさらに広がっており、0.25パーセントに近づいていた。これほど大きな給与「〇〇」からは、厄介な社会的影響の出ることが考えられる。1972～2008年のデータを用いたある研究では、国内に収入の不平等が「◇◇」している時期には、低収入のアメリカ人の抱える「△△」が大きくなるという結果が出た。驚くべきことに、この「△△」の原因は、「〇〇」が彼らの収入に及ぼす効果にではなく、その効果のために感じなければならない「●●」と「◆◆」の量にあった。国内の収入「〇〇」が大きいときはいつも、低収入の国民は人の「▲▲」さを「××」と感じるために、ますます辛い気持ちを味わっていた。
   < p369 >

4. 経済的「〇〇」が「◇◇」に与える悪影響は、アカデミックな世界の「△△」行為にも波及する。収入「●●」が多い地域にある学校では、学生が課題や論文と取り組むときに、「△△」な手段を提供するウエブサイトを利用する割合が他の地域と比べて高い。さらに、他の地域よりも「△△」行為を働きやすいという傾向の原因は、その地域の学生達の人に対する「◇◇」度が他の地域よりも低いことや、「◆◆」という、おそらくは「◇◇」度の低さと関連した考えにあるようなのだ。
   < p369 >

第5章 注意を操るものーその１：誘因要素（アトラクター）

1. 「〇〇」的なコンテンツは大きな反響を引き起こす場合もあるが、どんなときでもそうなるわけではない。ある製品を売るために「〇〇」的要素を利用してうまくいくのは、消費者が「〇〇」に関連した目的で製品を「◇◇」に買っているときだけなのだ。また、このことからは、広告という分野よりも広い範囲で当てはまる教訓も引き出せる。どんな状況であれ、人は受け取る「△△」がその場での「●●」と合致していると、それに「◆◆」する見込みだけでなく、そこから「▲▲」を受ける見込みも著しく高まる。
   < p102, p103 >

2. 「〇〇」というものがある。これは、「◇◇」ほどの危険がない何かを、たまたまそれに「△△」したばかりに非常に恐ろしく感じてしまい、その害を避けようとして、かえって「●●」の大きい「◆◆」をとってしまうことを指している。
   < p105 >

3. 「〇〇」をかきたてるメッセージの中でも、ある種のものには、「◇◇」を変えさせる力が特に備わっているようだ。非常に皮肉な話だが、それらのメッセージはそれ自体が作り出した「〇〇」を「△△」させることによって「◇◇」を変えさせる。これは些細な長所ではない。たとえば、肺癌などの不吉な結果に対する「〇〇」が強いと、患者になりそうな人は、その「〇〇」のせいで、そうした結果がわが身に降りかかる可能性を「●●」しなくなるかもしれないからだ。
   < p107, p108 >

4. どんな説得の錬金術を用いれば、受け手に、あおられた「〇〇」を抑えようとして問題から目を逸らしたりせず、自らの悪習から生じる良くない結果について、充分に思い煩わせることができるか。じつは、最初の「◇◇」に、健康を脅かすような習慣を「△△」ために取り組める、合理的で「●●」な「◆◆」についてのはっきりとした情報を追加するだけでよいのだ。こうすれば、有益な行動を阻む「▲▲」的なたわごとではなく、有益な行動を始めるという「××」への真の好機を通じて、「〇〇」に対応できる。
   < p108 >

5. 「〇〇」に溶け込もうとする欲求と「◇◇」とする欲求という、二つの相容れない欲求が完璧に描くのは、長い間愛用されてきた二つの商業アピールだ。一つは「乗り遅れるな」型のもので、大多数の人と「△△」ことをするように促す。もう一つは「少数者の一員たれ」型のもので、大多数と「●●」ことをするよう促す。では、広告業者にお勧めの、見込み客の心に送り出すのにより優れた戦略はどちらか。検討の結果、私たちはこう考えるに至った。大衆性に基づくメッセージが正しい選択となるのは、受け手が「◆◆」を感じるような刺激にさらされている場合、たとえば、暴力的な映画をテレビで見ているときであるはず。身の危険に注意が向いていると、人は「▲▲」と感じるからだ。だが、同じメッセージの入った広告を、恋愛映画をテレビで見ている人に送ってもうまくいかない。色恋の話に注意が向いていると、「××」と感じるからだ。
   < p110 >

6. 説得のメッセージの有効性、それは、受け手がその「〇〇」にどんな「◇◇」に触れていたのかということに強い影響を受ける。「◇◇」によって受け手の警戒心をあおり、「△△」を求める欲求を駆り立てたときには、「●●」を土台にしたアピールの効果は非常に高まり、「◆◆」を土台にしたアピールの効果は低くなる。一方で、「◇◇」を用いて受け手を「▲▲」気分にさせ、その気分から生じる「××」という欲求を駆り立てたときには、その反対の結果が出ることになる。
   < p111 >

7. 説得の成功には「〇〇」が欠かせない。「〇〇」を操ることで、メッセージのなかで最も「◇◇」があると送り手の信じる特徴に（その特徴に合わせた画面の「△△」によって）受け手の「●●」を集めることができるからだ。そうした「〇〇」の結果、受け手の脳内では、売りとなる特徴を体験する「◆◆」から、その特徴に対する「▲▲」が起こる。
   < p117 >

8. 確実に言えるのは、少なくともテレビCMの制作者たちは、この知見の本質を見誤っているらしいということ。いくつものカットを賢明に使って、CMの中の最も「〇〇」な点に「◇◇」させるのではなく、場面転換の「△△」を見境なく飛躍的に増やすという選択をしていることが研究によって確かめられた。予想できることだが、視聴者は結局CMの「●●」がつかめなくなり、あまりにもやみくもに「◆◆」をあちこちに散らされたせいで、腹立たしい気分になる、結果として、カット数の多いテレビCMは、「◇◇」の量が増えても何を訴えているのかはとても「▲▲」に残りにくく、訴える力も非常に弱くなる。視聴者の「◆◆」はCMの最「〇〇」ポイントに固定されず、売り込んでいるものと関係のあるものそして「××」のすべてに分散してしまうのだ。
   < p118 >

9. なぜソファーの種類を増やした結果、ドリームの評価が大幅に良くなったのか。この問題に関する実験を複数回実施した後、研究者たちは理由がわかったという確信を持つに至った。丈夫なクッションを備えた三種類のソファーを「〇〇」したことで、ドリームが「◇◇」ようになったのだ。他の四つの選択肢とはっきり「△△」できる、クッションの柔らかさと座り心地の良さという特徴があったためだ。ここまで見てきたように、「●●」性は受け手の「◆◆」を、その特徴的な要素に向けさせる。そのために、この例ではクッションの座り心地の良さという要素の「▲▲」性が、より強く「××」されたのだ。
   < p120 >

復習リマインダー

　　豊川 ひろこ

注釈：第5章

1. その研究によれば、ほとんどの場合、「〇〇」よりも「◇◇」のほうが強い「△△」を持っている。事実、人間関係、良心、道徳観、性格特性、言葉、出来事、株式市場の動向、消費者としての体験といったものは、たいていの場合、良くない（そして結果的に「●●」を感じさせる）場合のほうが良い場合よりも「◆◆」に残りやすく、「△△」が強く、人を「▲▲」に駆り立てる。そうなる主な理由は、良くないもののほうが私たちの「××」を引いて逸らさないからである。
   < p370 >

2. 「〇〇」に訴えることの「◇◇」性を検証した多くの研究のレビュー論文では、そうしたメッセージが態度、意図、行動に強い影響を及ぼすことが立証させた。その他の論文では、「△△」の利きすぎた情報が「●●」になる例。タバコのパッケージに載っている健康への強い警告に、「◆◆」の効果があることをはっきりと示す証拠、「〇〇」をあおるようなメッセージに、その「▲▲」法の「××」に関する情報が含まれていると「◇◇」性が高まるということを示した、低血糖に関するオランダの研究を参照。
   < p371 >

3. 別の研究では、地球温暖化への考え方という分野で同様の効果が実証されている。気候変動について悲惨で壊滅的な結果を詳細に述べた警告の場合、気候変動への「〇〇」度は実際のところ減少した。しかし、問題への「◇◇」な「△△」がその警告に含まれていた場合には、減少した「〇〇」度が「●●」した。
   < p371 >

4. 出入り口が引き起こす「〇〇」効果を発見したのは、ラドバンスキーらである。また、その後の研究から、ただ出入り口を通り抜ける「◇◇」をするだけでも、「△△」の生じることがわかっている。
   < p372 >

5. 広告制作者が犯してしまう似たタイプの間違いは、訴えに「〇〇」を引くために「◇◇」な「△△」、たとえばとっぴな登場人物、生き生きとしたジャーゴン、笑える筋立て、華やかな見た目を大量投入するときにも見られる。カット割りのときと同じように、こうした手法は世間一般の「〇〇」をより多く集める。だが、多数の「◇◇」な「△△」を広告の「●●」的特徴や主張のために使うのではなく、「◆◆」と用いるだけなら、「▲▲」効果を弱めてしまう可能性がある。
   < p372 >

6. たとえば、千本のCMを対象にしたある研究では、画面後方に「〇〇」を奪うような登場人物をたくさん配置したCMは、「◇◇」されにくく、「△△」に残りにくく、「●●」にも欠けるということがわかっている。一方、メッセージの「◆◆」に「▲▲」関係のある情報だけを「××」CMは、その内容がしっかりしているのであれば非常に「●●」を持つ。
   < p372 >

7. アームストロングは複数の研究を検討し、テレビCMは場面やカメラアングルが何度も変わる場合、全般的な「〇〇」量は増すが、「◇◇」は弱まってしまうということを論証した。逆に、アピールしたい構成要素一つだけを「〇〇」させるために、CMのカットを変更すると、「◇◇」を増す効果がある。より新しい研究では、注目に値する結果が示された。広告を提示する「△△」に、製品やブランドの「●●」マークの出る「◆◆」を変えると、受け手は自動的に「●●」に「〇〇」する度合いが上がり、その結果、選択の機会が与えられたときに、そのブランドの製品を「▲▲」する見込みが高くなる。だが、受け手の側は、「●●」の「◆◆」が変化していたから注意がそちらに向いたことも、その製品への好感度が増したことも、まったく「××」していなかった。
   < p372 >

8. ある製品、サービス、アイデアの「〇〇」を光らせるような特徴は、それによって「◇◇」が集まるので「△△」をさらえる。これを示した研究は、ノースウェスタン大学のもの以外にも存在する。ときとしてこうした「●●」化は大きな商業的成功をもたらすことがある。
   < p373 >

9. 文化的要因も、受け手の「〇〇」を自然と操るものは何かという点に影響することがある。西洋社会で暮らす人の場合、場面の「◇◇」にあるものに「〇〇」がいくが、東洋社会で暮らす人の場合は、「△△」の特徴に「〇〇」を引かれる割合が比較的高くなる。したがって、西洋の受け手を「●●」したいときには、最も強い論拠を発表の「◆◆」に押し出すのがお勧めである。一方で、東洋の受け手に発表を行う場合は、最も強い論拠を、考慮すべき問題を取り巻く、より広い「▲▲」のなかで提示しても支障はなさそうである。
   < p373 >

復習リマインダー

　　豊川 ひろこ

第6章 注意を操るものーその２：磁力要素（マグネタイザー）

1. 特定の刺激に「〇〇」を向けさせることで得られる説得に関する強みとは別に、その「〇〇」をそのまま「◇◇」にすることにも、重要な長所がある。受け手の「〇〇」を議論の「△△」に結びつけておけば、反対の観点からの「●●」を受けずに議論を進められるので、結果として受け手の「◆◆」から「●●」を閉め出しておける見込みが高まるのだ。
   < p121 >

2. じつは、ある種の情報を使えば、最初に「〇〇」を引く力と、引いた「〇〇」を「◇◇」力を結びつけることができる。たとえば、「△△」に関する情報を使うと、力強いワン・ツー・パンチを決めることができる。「●●」自身についての情報が、「〇〇」を引き寄せるきわめて強力な「◆◆」であることに、疑いの余地はない。そうした情報の「▲▲」的な社会的影響力の効果は絶大だ。個人の健康という分野では、受け取ったメッセージがその人向けに作られたことがはっきりしていて、自分と「××」しているものだとわかる場合、受け手はそのメッセージに注意を向け、興味を覚え、真剣に受け取り、記憶にとどめ、将来に見返すために保存するといった見込みがすべて高まり、これらすべてによってメッセージの有効性も結果的に高まる。
   < p122 >

3. 考えられるのは、人々と彼らという客観的な言葉を、受け手を巻き込む代名詞、「〇〇」に変えることだろう。この些細な修正で、製品に対する受け手の考え方がぐっと「◇◇」的になる。もちろん、自分と「△△」しているという合図はメッセージへの「●●」を引くことしかできず、自動的に「◆◆」を勝ち取れるわけではないので、「〇〇」へ切り替えた広告が当初のもの以上の結果を生むためには、広告の後ろの部分に「ピット・ストップ」を支持する強力な「▲▲」を書いておく必要がある。これもオハイオ州立大学の研究結果からわかることだが、もし広告に「ピット・ストップ」の有効性について薄弱な「▲▲」しか載っていなければ、広告冒頭で受け手を巻き込むように変更を加え、注目をひきつけたぶん、製品に対する受け手の印象は変更前よりもかえって「××」なってしまう。
   < p123, p124 >

4. このことから、下準備（プリ・スエージョン）を行う際に利用できる教訓がまた一つ得られる。しっかりした「〇〇」のある主張を行うときに、受け手と「◇◇」があることを示すささやかな合図（たとえば「△△」という言葉）を、「●●」として用いれば、「〇〇」を見せたり聞かせたりする前から、受け手にその有力な「〇〇」のことをしっかりと「◆◆」させられるのだ。
   < p124 >

5. どうすれば会議という大海原を、直感が示した案よりも上手に帆走していけるだろうか。私が提案したいのは、「〇〇効果」と「◇◇効果」の両方を考慮しつつ、航路を決めるというやり方だ。部長とテーブルを挟んで「△△」になる場所に、席をとってください。その位置なら、①彼の意見表面とあなたの意見表明との間に充分な「●●」ができる。さらに、②あなたの姿が「◆◆」ため、あなただからこそ問題解決のための洞察にあふれた素晴らしい提案ができるのだと、部長は考える。もちろん、きちんと筋の通った解決策を思いついていないのなら、彼の「▲▲」の椅子に座るのがお勧め。そうすれば、部長は「××」が作り出す泡の中にいるため、あなたの解決策の出来の悪さに気づきにくくなるはず。
   < p126, p127 >

6. この実験を皮切りにツァイガルニク、レヴィン、そして多くの研究者たちが研究を進めていったのが、後に「〇〇」効果として知られるようになるものだった。この問題に関して行われた六百以上の研究から得られた重要な結論は二つある。第一に、やり遂げようとしている作業に関して、それを「◇◇」機会がなかったときのほうが、その作業に対して「△△」が向きっぱなしになっているので、作業のあらゆる要素について、よりしっかりと「●●」。第二に、そうした作業に従事しているときに「◆◆」が入ったり、引き離されたりすると、不安や不快さを伴うほどに作業に「▲▲」という欲求を感じる。この欲求、すなわち途中で終わった話や、未解決の問題、答えられていない質問、未達成の目標などへ私たちを押し戻そうともするものは、「××」への強い願望を反映している。
   < p129 >

7. ある一連の研究で、実験参加者はソフトドリンク、マウスウォッシュ、鎮痛剤のCMが組み入れられたテレビ番組を見聞きする。その後、CMの内容をどれくらい覚えているかのテストが行われた。 CMの細かい点が最もしっかり記憶に残っていたのは、CMが終わる5秒から6秒前に研究者が「〇〇」を止めていた場合だった。さらに、「◇◇」まで流れなかったCMのほうが細かな点をよく「△△」というのは、テストを視聴直後に実施しても、2日後に実施しても、２週間後に実施しても歴然としており、「●●」の欠落がもたらす「◆◆」をまざまざと見せつけた。
   < p129, p131 >

8. 驚くべきことに、最も好感度が高かったのは、実験参加者への評価が最も高かった男子ではなかった。そうではなく、どんな評価をしたかが実験参加者に「〇〇」男子だった。ひとつ追加情報を聞けば、この不思議な結果が理解できる。実験の間、女子学生の心に浮かび続けていたのは、自分をどう評価したのかが「◇◇」男子学生たちの顔だった。これにより、研究者たちの見解（ある重要な結果を「△△」でいると、「人は「●●」のことをほとんど考えられない」）が裏付けられた。そして、私たちが知っているように、何かにいつも「◆◆」が向いていると、それが注目するだけの「▲▲」を持つものに思えてくるため、どんな評価をしたのか「◇◇」男子に何度も「◆◆」を向けた結果、その男子が最も「××」的に見えるようになった。
   < p131 >

9. 彼女は執筆を切り上げるとき、決して段落の「〇〇」で終わらせないのだ。もっと言えば、考えごとをしているだけのときでさえ、「◇◇」の良いところでは終わらせない。彼女いわく、「〇〇」に書いている段落や、考えごとの「△△」の部分で何を言いたいのかは正確にわかっていて、ただ、その次の機会まで、それを「●●」だけなのだそうだ。なんと素晴らしい！彼女は執筆時間が終わろうとするたびに、「〇〇」の部分を書かないでおくことで、「◆◆」を目指す「▲▲」の力を発動させ、執筆を「××」したくてたまらない気持ちで自分の椅子に素早く戻っていくのだ。
   < p133 >

復習リマインダー

　　四元 泰久

第6章 注意を操るものーその２：磁力要素（マグネタイザー） - ミステリアスなもの

1. 執筆に先立って図書館に行き、学者が一般向けに書いた本を見つけられるだけ手に入れることにした。そうした本をすべて読み、非常にうまくいっている（あるいは失敗している）と感じる部分を特定し、そうした箇所をコピーし、それぞれまとめた。失敗する原因については、いつも出てくる問題が見つかった。「〇〇の欠如」、「◇◇散文」、「△△の使用」などだ。うまくいっている方の束でも、かなり予想どおりのものが見つかった。「●●」している部分とは正反対の特徴、それと「◆◆」的な構造、生き生きとした「▲▲」、「××」だ。
   < p135 >

2. ただ予想外の要素も見つかった。最もうまくいっていると感じられる箇所はどれも、まず初めに「〇〇」が語られていたのだ。著者たちは「◇◇」が通らないように見える状況を描写し、その後に続く題材を、その「△△」の解決手段として読者に示していた。
   < p135 >

3. なぜ私はそれまで、このテクニックが学問の「〇〇化」に果たしている驚くほど効果的な機能に、いや、それどころかこのテクニックが「◇◇」にすら、気づかずにいたのだろう。思うに、その答えは、このテクニックが非常に効果的である理由の一つと関係している。この手法は読者の襟首をがっちり掴み、「△△」のなかに引っ張り込むのだ。適切に提示されたとき、「●●」はとても強く人を引きつけるので、読者は物語の外に立ったまま、その構造と要素を超然と「◆◆」してはいられない。この特殊な文学的装置の強い刺激に晒されると、人は文学的装置のことなど「▲▲」。「●●」に特有の「××」という性質のために、注意が物語にすっかり引きつけられてしまうからだ。
   < p136 >

4. 謎めいた話が、どんな聴衆の「〇〇」も引きつけて離さない素晴らしい「◇◇」装置であるという以外にも、私はそれを用いるべき理由にぶつかった。それまで私が用いていた他のありふれた授業形式よりも、「△△」的効果が高かったのだ。説明が求めるのが関心で、質問が求めるのは答えであるのに対して、謎が求めるものは「●●」だ。私は学生たちを焚きつけて、さまざまな状況を提示し、そうした状況を一つひとつに対して、これ以外には説明がつかないというような「◆◆」を提出する、という作業を行わせたが、このやり方で授業を進めるとテストの平均点が上昇した。
   < p137 >

5. 説得の戦いではたいてい、最初に出た議論よりもそれに対する「〇〇」のほうが力を持つ。この「◇◇」性は、「〇〇」の内容が相手の主張の「△△」や「●●」の部分を示したときにも見られるが、相手が全般的に「◆◆」できない「▲▲」であることを示した場合には、特にはっきりと現れる。
   < p137, p138 >

6. 謎が持つ「〇〇」保持力に合わせて、教えるべきポイントを「◇◇」形式で提示すれば、聴衆の「△△」を深める下準備になるということが、私にはわかっている。もちろん、「●●」の力を「◇◇」仕立てで論じるのには、さまざまなやり方がある。経験上うまくいく論じ方は、次に掲げるような情報をこの順番で提供するものだ。
   < p138 >

7. (1)「謎の〇〇」, (2)「謎を◇◇」, (3)「他のいくつかの△△を検討する（そして、それらに対する●●を挙げる）ことで適切な△△に到達する。」,(4)「適切な△△への「◆◆」を提供する」, (5)「▲▲」, (6)「取り上げた現象から「××」を引き出す。」
   < p138, p139, p140, p141 >

8. タバコ業界の重役たちは、少し違った教訓を学び（そこから利益も得られ）ました。すなわち、あるメッセージを受け入れやすくさせる最も賢明なやり方の一つは、それに対する強烈な「〇〇」に触れる「◇◇」を減らすことである。なぜなら、たいていの場合、最初に出た「△△」よりもそれに対する「〇〇」のほうが力を持つからだ、というものです。
   < p141 >

9. 注目して欲しいのは、以上のような解説が、ただ納得のいく概念的説明を提供するだけではないという点だ。「〇〇」部分が聴衆を情報の「◇◇」に向かわせてくれるのだ。この形式によって手に入るものは、そのときの話題の全体に聴衆の「△△」をつなぎとめてくれるばかりか、話の「●●」に欠かせない一方で、「◆◆」なためにしばしば聞き手の「△△」を逸らさせてしまう題材の「◇◇」に「△△」を払う気にさせてもくれるのだ。話し手の主張が「▲▲」とはしているものの「××」である場合に、これ以上にありがたい武器があるだろうか。
   < p142 >

復習リマインダー

　　豊川 ひろこ

注釈：第6章

1. 「〇〇」からの2，3ヶ月間は、運動などの健康的な行為をしようという気持ちが高まる。だから、今後一年間の健康目標の設定を勧めようとしたい相手に、「◇◇」のメッセージを送るのは、まさに時宜を得た行為であると言えるだろう。ところで、そうした目標を設定させるときには、しっかりとした目標よりも、「△△」目標を定めるよう勧めるべきだ。なぜなら、「△△」目標は、ある意図に則った行動を続けるかどうかを決める際に使われる二つの参照点（一つは「●●」な目標、もう一つは「◆◆」が難しい目標）をうまく取り込むからだ。同研究では、人が新たにスタートを切る準備ができていると感じ、その結果、理想的な行動をとる意欲が特に強まる、はっきりとした時間上の特別な時点が、「〇〇」のほかにいくつもある（「▲▲」、月や週の「××」など）としている。
   < p373, p374 >

2. 受け手と「〇〇」していることを示す「◇◇」を広告コピーに入れる効果の裏づけとなる（強力な）証拠は、有名な実験と、その後に実施された既存広告92本の分析で示されている。人間の「△△」が概して「●●」的であるという考えは、さまざまな研究によって裏付けられている。健康習慣に関連したメッセージを、受け手それぞれに「◆◆」内容にすることの「▲▲」的な効果に関しては、各研究を参照。しかし、「××」化の試みが不出来な場合、たとえば、メッセージのコピーに受け手のファーストネームが入っているだけで、ほかに受け手本人と「〇〇」するような情報が何もない場合などでは、成功は望み薄である。
   < p374 >

3. 「〇〇効果」は、公共の場で発表を行う「◇◇」と「△△」の時間帯に、「●●」の深い谷間が生じていることを明らかにしただけでなく、この深い谷間が生じるのは、人が自分の発表の「◆◆」に提示された情報を適切に「▲▲」していないからだということも裏付けている。
   < p375 >

4. 「〇〇」効果が最初に発表されてからおよそ90年が経っているが、発表直後から現在に至るまでずっと、その基本的な原理を裏付ける研究結果がかなり安定して発表され続けている。その一方で、いくつかの研究では効果が立証できなかった。そうした失敗の大部分は、この現象の根本的な特徴を踏まえると説明がつく。この効果が当てはまるのは主に、個人が完了や達成に「◇◇」していると感じる作業、活動、目標なのだ。たとえば「〇〇」は、実験参加者がある作業に「△△」いればいるほど、効果が強く現れることを示した。また、「●●」作業のほうが「◆◆」に残りやすいという性質は、何に取り組んでいるのかとは関係なく、性格的に「▲▲」が強い人に、特に強く現れることもわかっている。
   < p375 >

5. 親切を受けた人は、その親切をしてくれた人が「〇〇」で、「◇◇」そんなことをしてくれたのかがはっきりしないと、「△△」度がより高くなり、「●●」期間もより長くなる。テレビCMを「◆◆」で「▲▲」したときのほうが、受け手の「××」にしっかりと残るようになることを実証した研究も参照。
   < p376 >

6. 今日ではリモコンを使って簡単にテレビのチャンネルを替えられるので、抜け目のないテレビプロデューサーや脚本家たちは、CMが始まった時点でチャンネルを替えられないようにするため、「〇〇」への欲求が持つ「◇◇」保持力を利用している。彼らはCMの「△△」に刺激的な「●●」を提示し、答えはCM明けまで教えない。「◆◆」を行うことで「▲▲」が深まることを裏づけるデータはたくさん存在する。
   < p377 >

7. 論争相手の「〇〇」の効果を弱めるため、「◇◇」の利用可能性が果たす役割について、実証的研究に基づいた証拠は大量に存在する。この役割が特に鮮明になるのは、「◇◇」が相手の言い分と「△△」から異なるときと、相手の「●●」性を傷つけるときだが、これは「〇〇」のアピールの持つ計略が、ひとたび「◆◆」されたり暴かれたりすると、人はそのアピールや、アピールを行った人間に結びついた影響力に、「▲▲」を示すためである。たとえば、裁判の場面で、「〇〇」を試みている人物には過度に聞き手を「××」とする意図があると指摘すると、その人物の（その指摘がなければ「〇〇」力に富んでいた）メッセージは効果を失う。同様に、販売促進に関しては、もし影響力の主体が汚い策略を用いていると見なされると、「〇〇」の効果が著しく損なわれることを研究者たちは明らかにしている。
   < p377, p378 >

8. 1967年の初登場から、「〇〇」CMはタバコの売り上げを削っていった。こうしたCMが流せるようになった1年目から、それまで25年間上昇し続けていたタバコの個人消費量は急激な「◇◇」を見せ、「〇〇」CMが放送されていた三年間、ずっと「△△」がかからなかった。「◇◇」の主な原因は「〇〇」CMの効果だったので、こうしたCMが流れなくなると、その後しばらくはタバコ消費量の「◇◇」も止まった。
   < p378 >

9. あるアイデアに備わった「〇〇」を引きつけて逸らさない特徴は、受け手本人と関係していることや、未完了であることの他にも存在する。たとえば、それまでずっと報酬と結びついていたという「◇◇」があることだ。非常に有益であるためにベストセラーになったのも当然の名著「アイデアの力」で、チップ･ハースとダン･ハースはさらに多くの要素を詳説している。その要素とは、「△△」さ、「●●」性、「◆◆」性、信頼性、「▲▲」に訴える力、「××」性である。
   < p378, p379 >

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　　豊川 ひろこ

第7章 連想の卓越性ー我つながる、ゆえに我考える

1. 脳の活動が根本的かつ必然的に、未加工の「〇〇」から生じているということ、ちょうどアミノ酸が生命の構成要素と呼べるように、「〇〇」は思考の構成要素と呼べる。
   < p147 >

2. 「メッセージを受け入れさせる気にさせるには、受け手の「〇〇」、「◇◇」、「△△的反応」を操る言葉を使うことが必要です」。私の考えでは、これは部分的にしか正しくない。相手を納得させるためには、そのメッセージに対して生じる「●●」を操る言葉を使わなくてはならない。「〇〇」も、「◇◇」も、「△△的反応」も、そうした「●●」から派生したものにすぎない。
   < p147 >

3. メッセージを効果的に伝えるうえで、最も明確な結論を示しているのは、「言語の主な存在意義は何か」という疑問に答えを出すべく、比較的最近実施された研究プログラムだ。発話の主な目的は、発話者が切り取った「〇〇」の一部分に、聞き手の「◇◇」を向けさせることだ。それが達成されれば、あとはそのとき「△△」した部分に対して聞き手が元々持っている「●●」が動き出し、「◆◆」を決定する。
   < p147, p148 >

4. 説得という問題にとって、この主張は画期的だと思う。もはや言語は「〇〇」を主とする装置、つまり、発信者の「◇◇」を供給する手段と考えられるべきはない。むしろ、「△△」を主とする装置、つまり受け手を「●●」してその「◇◇」を共有させたり、あるいは少なくとも、それを踏まえて「◆◆」させるための手段と考えられるべきなのだ。
   < p148 >

5. たとえば、ある映画に対する感想を述べるとき、その目的は自分の見解を相手に「〇〇」することよりも、その見解を相手に「◇◇」させることのほうにある。その目的を達成するために使われるのが、諸領域のうち、こちらの見解に好都合な「△△」を蓄えている領域へと、聞き手を誘導する「●●」なのだ。
   < p148 >

6. とりわけ興味深いのは、研究者たちが特定した、現実の任意の側面に「〇〇」を向けさせるための、さまざまな言語的装置だ。そのなかには、ある状況の具体的な特徴に「〇〇」を引くような「◇◇」、人の注目を他者の（行為よりも）「△△」へと引きつけるような「●●」、既存の「◆◆」を目立たせるような人称代名詞、ある状況がただ一つのやり方で解釈されるように枠をはめるような「▲▲」、あるいは求める「××」とだけ結びつくような特定の言葉の選択などがある。まずはこうした装置のうち、最後に紹介した最も単純なものを検討する。
   < p148 >

7. 先に「〇〇」と結びつく言葉に触れていたグループのほうが、選ぶ電気ショックの強さが「◇◇」パーセントも大きくなったのだ。こうした発見を通して見ると、SSMに非「〇〇」的な言葉を選ぶ決まりがあるのは、完全に筋が通っている。SSMは高いレベルの事績を有する医療機関なので、目標達成に関連する言葉の使用を「△△」ではない。「●●」するかわりに、そうした言葉のうち「◆◆」的な「▲▲」を起こすもの（ターゲット、やっつける）を、そうした連想を起こさない「××」（ゴール、引き離す）に言い換えさせたのだ。
   < p152 >

8. 「〇〇」的イメージを伝える言葉は、「◇◇」な行動の可能性を高める場合があるので排除すべきだというのとまったく同じように、「△△」のイメージを伝える言葉は、「●●」を向上させる場合があるので保持しておくべきだと、彼らは考えているのでしょう。複数の研究が示すところによると、「◆◆」を達成する暗示する単語（勝利、成就、成功、習得）にほんの少し触れるだけで、割り当てられた作業の「▲▲」が良くなり、その作業を「××」する意欲も2倍以上になる。
   < p152, p153 >

9. オペレーターは皆、始業時に、勧誘を行っている組織（ある地元大学）に寄付する意義を伝える助けとなる情報を受け取った。一部のオペレーターにはその情報を白い紙に印刷してわたし、他のオペレーターには同じ情報を、「〇〇」した瞬間の「◇◇」の写真を載せた紙に印刷して渡した。その写真を前もって示しておくことで、「△△」と結びつく考えを引き起こそうとしたのだ。驚くべきことに、写真を示されたオペレーターが三時間の勤務時間中に集めた寄付金は、それ以外の条件がまったく同じだった同僚たちより、「●●」パーセントも多くなった。
   < p153, p154, p155 >

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　　豊川 ひろこ

第7章 連想の卓越性 - メタファーは(変化への)メタ・ドアー

1. アリストテレスの「詩学」以来、言いたいことを伝えるには「〇〇」を使えと言われてきた。いくぶん「◇◇」概念を聴衆に伝える効果的な方法は、その概念を聴衆が簡単に「△△」できる別の概念で表現することだとも言われてきた。たとえば、長距離ランナーはレースを続けられなかったことを、「壁にぶつかった」と説明する。もちろん、現実に壁が存在していたわけではない。しかし、それ以上進むことを「●●」、簡単に片付けられない、その存在を「◆◆」できないといった、物理的な障壁に備わったいくつかの特徴は、ランナーの「▲▲」と充分合致しているので、この言い回しを使えば、言いたいことが「××」やすくなる。
   < p155 >

2. メタファーは「〇〇」を生みやすいと言って、使用に反対する人もいる。そういう人々が指摘するのは、ある概念（たとえばレースでこれ以上、一歩も進めなくなること）が、別の概念を表す言葉（たとえば「壁」）で理解される場合、その二つの間にある何らかの本質的な「◇◇」の存在が明らかになる一方で、そうした一致はたいていの場合、「△△」とはほど遠いということだ。たとえば、現実の壁を作るのは普通、それにぶつかる人とは別の人の行為であるのに対して、ランナーの壁を作るのは、たいてい「●●」の行為だ。壁のメタファーを用いるランナーは、「◆◆」という感覚が伝わる枠組みの選択以上のことをしているのかもしれない。戦略的目的のために、その「▲▲」を自分の「××」にあるものとして描く枠組みを、選択しているということもありえる。そうすれば、その「▲▲」の原因は自分の行為ではなくなり、それゆえに、それは自分の「▲▲」ではないということになるからだ。
   < p155, p156 >

3. 最新の心理言語学的分析は、言語の主な機能が表現でも描写でもなく、「〇〇」を与えることにあると示唆している。これは事前にいくつかの「◇◇」を用い、情報の送り手に好都合な現実の「△△」へ受け手を誘導することによってなされる。もしそれが本当なら、ある物事を、「●●」された別の物事への「◇◇」から考えさせる「◆◆」というものが、言語装置として非常に有望な理由もわかる。しかし、最近になって、「◇◇」によって伝達を行うという「◆◆」独特の機能に注目が集まり、その結果、驚くべき「▲▲」効果が数多く発見されている。
   < p156 >

4. 記事を読ませた後、全員に好ましいと思う解決策を尋ねた。その結果を非常に緻密な分析にかけたところ、犯罪を「〇〇」として表現した記事を読んでいた人たちは、「◇◇」な状況を取り除くという解決策よりも、犯罪者を捕まえて「△△」に放り込むという解決策を推奨していた。しかし、犯罪を「●●」と表現していた記事を読んでいた人たちでは、逆の結果になった。注目すべきは、単語を一つ変えたことで生じた支持率の差が、参加者の「◆◆」や「▲▲」の違いから生じる解決策への支持率の差の大きさの、「××」以上になったという点だ。
   < p158 >

5. フェルドマン氏はメタファーの達人だった。たとえば、彼が描いてみせる人生の終わりは、人は死ぬのではなく人生から「〇〇」する。これは自分が将来、家族に対して果たすべき「◇◇」を果たせなくなるという「△△」を有利に働かせる特徴づけだ。そして、その後すぐに生命保険を解決策として表現する。「あなたは〇〇するとき」とフェルドマンはいう。「あなたの生命保険のお金が「△△」します」。生命保険を契約することの「●●」的「◇◇」を、メタファーによって語るこの教えに触れると、顧客たちの多くが背筋を伸ばして「◆◆」を歩んだのだ。
   < p159, p160 >

6. メタファーを機能させるためには、二つの事物の間に「〇〇」で「◇◇」をつける必要があるが、いったんその「◇◇」がついて仕舞えば、メタファーの説得力は「〇〇」なしでも働くようになる。たとえば、英語を含む多くの言語で「△△」の概念は 深刻さ、重要性、努力などの概念と隠喩的に結びついている。そのため、①面接官が応募者の書類を読むときに、その書類は「●●」クリップボードに挟まれていると、その応募者を有力な採用候補とみなしやすくなる。②報告書が「●●」クリップボードに挟まれていると、読んだ人がその内容をより重要だと考えるようになる。③地元の土地開発計画を検討させるときに、評価者に「●●」物体（持つのに「◆◆」が必要な物体）を持たせると、計画の長所と短所の検討に、より多くの労力を費やすようになる。
   < p160 >

7. ごく短い時間でも「〇〇」物体、たとえばホットコーヒーのカップを手にしていた人は、周囲にいる人たちに対してすぐに「◇◇」を抱き、「△△」を覚え、その人たちへの「●●」が強まる。そのため、そのため、その直後に続く社会的な交流でも、より「◆◆」で「▲▲」的になる。これは明らかに、言葉を使わなくても、強力なメタファーの「××」を下準備（プリ・スエージョン）として活用できることを示している。
   < p161 >

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　　豊川 ひろこ

第7章 連想の卓越性 - より有効なもの

1. 情報技術を提供する会社では、製品の「〇〇」や「◇◇」という単語を顧客相手に使わないよう忠告される。そうした単語は、資源の損失を「△△」させるからだ。その代わりに、「●●」や「◆◆」に関わる金額という言葉を使うように言われる。こうした言葉であれば、利益の概念と結びつくからだ。言うまでもなく、優秀なマーケティング担当者たちは、製品やサービスが否定的な「△△」を起こさせる要素と結びつくのを避けたいと考えるだけでなく、守りと攻めの両方を同時に行うため、最も好ましくなさそうな要因との「▲▲」を排除するとともに、最も好ましい要因との「▲▲」を最大化したいとも思っている。
   < p161, p162 >

2. 人間が評価を下す際に非常に「〇〇」的な効果を及ぼすのは、すでに出てきた要素、すなわち「◇◇」だ。これが力を持つ理由は二つある。「◇◇」は、電磁石のような力で私たちの「△△」を引きつけて離さないので、結果として「●●」の認識を強める。「◇◇」はまた、ほとんどの人が「◆◆」的な「▲▲」を惜しみなく注ぐ存在に、「△△」を向けさせる。したがって、人の目は、「◇◇」と結びついているもの（あるいは「◇◇」と結びついるように見せかけられるもの）に、すぐ向かうわけだ。そうした結びつきはごく些細な場合もあるが、それでも「××」を成功させる跳躍台として働く。
   < p163 >

3. 誰かの「〇〇」、「◇◇」、あるいは「△△」が同じだとわかると、その相手への「●●」が増し、互いに協力したり助け合ったりする気持ちが高まる。男性がフェイスブックで若い女性に「友達」申請をする場合、「〇〇」が同じであることをアピールすると、承認する確率が「◆◆」になる。小規模金融業者のウェブサイトを仲立ちにして行われる、発展途上国の小規模ビジネスへの融資では、融資する側の「▲▲」が受ける側のものと同じだと、融資を受けられる見込みが大きく高まる。
   < p163 >

4. 「〇〇」と結びついた存在に「◇◇」を置くという、この全般的傾向（潜在的〇〇中心性）を研究する研究者たちによれば、人は自分の「△△」と同じ「△△」の人物に対してだけでなく、そうした「●●」（クラッカー、チョコレート、お茶など）にも強い「◆◆」を持つ。
   < p163 >

5. 説得に関して、潜在的「〇〇」中心性が関係すると思われる結論を検討するときには、考慮すべき重要なことが一つある。過大評価される「〇〇」とは、必ずしも個人的「〇〇」というわけではない。「◇◇」的「〇〇」、つまり個人の特性ではなく、個人が所属する「△△」の特性によって構成される「〇〇」である場合もある。個人の「●●」、かつ自分が所属する社会集団の「◆◆」に「〇〇」が存在するというとらえ方は、「▲▲」社会のいくつかではとりわけ強く、そうした社会の人々は「△△」的に構築された「〇〇」と「××」があるように見えるものに、特に強い好感を抱く。
   < p164, p165 >

6. アメリカと韓国の雑誌に掲載された２年分の広告を分析した研究では次のようなことが明らかになった。①広告が商品やサービスと結びつけようとすることが一番多いのは、韓国では読者の「〇〇」や「◇◇」だったのに対し、アメリカでは「△△」の読者だった。そして、②効果が大きかったのは、韓国では「●●」と結びつけた広告の方だったが、アメリカでは「◆◆」と結びつけたほうだった。
   < p165 >

7. 人質の早期解放を実現したキムによれば、「交渉の鍵は〇〇」だった。けれども、交渉が成功したのは、口頭でのやり取りの正確さや明快さが向上したためではなかった。もっと根源的で「◇◇」的な理由があった。「交渉の相手方は、こちらの担当者が彼らの「〇〇」、バシュトー語を話しているのを見て、我々に対してある種の強い「△△」を覚えました。そのおかげで話し合いがスムーズに進んだのです」。
   < p166 >

8. 自己の他に、非常に好ましい結びつきを伴う概念がもう一つある。その概念とは「〇〇」だ。何かをすらすらと「◇◇」できるとき、つまり、それを素早く、苦もなく思い描いたり処理したりできると、それに対する「△△」が増すだけでなく、そこに備わった「●●」性や「◆◆」をより大きく考えるようにもなる。こうした理由のために、「▲▲」を踏んでいたり、決まった「▲▲」律があったりする詩歌は、より大きな好意以上のものを読者に感じさせる。読み手にすっと「◇◇」させるという「▲▲」の性質には、「××」力を高める効果さえある。ここで「××」を成功させるための教訓を一つ。「うまくやりたきゃ、▲▲をイン」。
   < p166, p167 >

9. 魅力全般についての話をすると、「〇〇」を持たれやすい人は、顔が「◇◇」やすかったり、名前が「△△」しやすかったりする人だ。じつは、何かを認知的な負担なしで処理できるとき、「●●」を生むニューロンの活動が顔の筋肉で増す。反対に、何かを処理するのが難しいときは、その体験に「◆◆」を覚え、ひいてはその対象に対しても「◆◆」を覚える。弁護士の名前が「△△」しにくければしにくいほど、事務所内での序列が低くなること明らかになった。同様の効果は、薬や栄養補助食品にも生じる。研究で明らかになっていることだが、「▲▲」しにくい説明書きのついている食べ物は魅力に乏しいと見られるし、一般的に、読みにくい主張は「××」されにくい。時間が経つにつれて効果は薄まるものの、株式公開後、名前が「△△」しやすい企業はそうでない企業よりも株価が高いという結果が出た。
   < p167, p168 >

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　　豊川 ひろこ

注釈：第7章

1. 「〇〇」を刺激して「◇◇」を引き起こすことができるのは、「△△」の構成要素だけではない。使う「△△」の「●●」も、やはり「〇〇」を刺激して「◇◇」を引き起こすことができる。バイリンガルのアラブ系イスラエル人に、アラブ人とユダヤ人への評価を、アラビア語かヘブライ語のどちらかを使って示させたところ、それぞれの「△△」に特有の「〇〇」が違っているために、アラビア語を使った人は親アラブ的になり、ヘブライ語を使った人は親ユダヤ的になった。
   < p379, p380 >

2. 暴力的な「〇〇」に触れたために、他者に耐える電気ショックの強さが増したことを示す研究については、カーバーらを参照。これと同様の関係を示した研究はほかにもあり、その一つでは、暴力的な「〇〇」がサブリミナル的に、つまりそれに触れたと「◇◇」できないようなやり方で示されたが、それでも実験参加者の「△△」性は著しく高まるという結果になった。本文で紹介した研究では、「●●」達成と関連した「〇〇」が「◆◆」に及ぼす影響や、写真のイメージが「◆◆」に及ぼす影響が示されたが、それ以外にも構成の似たいくつかの実験で、さまざまな「▲▲」を起こす刺激に触れた参加者が同様の「××」を見せることが実証されている。
   < p380 >

3. ある「〇〇」をオープナーとして使用し、それに関連する「◇◇」を促すというやり方が最もうまくいくのは、その「〇〇」が目標達成などの高い「△△」のある「●●」を活性化するときのようだ。そうした刺激は（ポスターに組み込まれている場合など）「◆◆」的な影響力を持っているのだろうか、それとも受け手がそれを見ることに慣れ、もはやしっかりと「見ている」とは言えなくなった段階で、効果は消えてしまうのだろうか。コールセンターの研究の追試では、効果が「▲▲」という証拠が発見された。その研究では、目標達成と関連する写真を四日続けて見たオペレーターたちは、その四日とも、写真を見なかったオペレーターたちよりも成績が良かった。また、問題解決手段をじっくり検討して評価するという課題を与えた場合、ロダンの「考える人」の写真を見せると、正しい判断の割合が47パーセント増えたことが、追加論文によって示されている。
   < p380, p381 >

4. 「〇〇」だけでも影響力の大きい「◇◇」が充分に生じることのさらなる証拠は、ある国際的な研究チームの発見から得られる。彼らは、お金が肯定的あるいは否定的な「◇◇」的意味を持つ場合があると考えた。お金は汚れている（不誠実な方法で得られたために、不正行為や詐欺行為への「△△」が働く）ばあいもあれば、綺麗な（誠実な方法に得られたので、公正さや良識への「△△」が働く）場合もある。別々に行われた七つの研究では、初めに汚れた紙幣を扱った人は、続いて行った「●●」的もしくは「◆◆」的なやり取りで、「▲▲」を犯しやすくなった。たとえば、中国南部にある野菜市場の商人たちは、取り引きの最初に、ちょっと泥汚れのついた紙幣に触れた場合、買い手に渡す野菜の目方をごまかす「▲▲」を行う頻度が高くなった。このような「▲▲」行為は、取り引きの最初に触れた紙幣が綺麗だったときには起きなかった。
   < p381, p382 >

5. 物理的な重さを体験することで「〇〇」の重み、「◇◇」の「△△」性、認知的「●●」を傾けてもよいと考える度合いに影響が出るという証拠、物理的な温かさが「◆◆」的な温かさへ「▲▲」を変化させることについての証拠は、それぞれの文献を参照。
   < p382 >

6. 「〇〇」を用いた「◇◇」全般に関する最近の研究をまとめると、二つの結論が得られる。一つは、「△△」の手法として「〇〇」をうまく使えば、強い「◇◇」力が生まれるということ。そしてもう一つは、この効果が生まれる原因は驚くほど「●●」的で、非常に「◆◆」的なプロセスにあり、そのプロセスでは、ある概念を表す「▲▲」が別の概念に「××」ということだ。
   < p382 >

7. 本書で紹介した、「〇〇」日、「◇◇」地、ファーストネーム、あるいはイニシャルが同じだと「△△」度が上がり、「●●」性が増し、「◆◆」や、「▲▲」、「××」供与などを行いやすくなり、それはインターネット上で知り合った場合も、それ以外の場合も変わらないという結果は、異論なく認められている。
   < p382 >

8. 「〇〇」の転移という観点から予想されるように、潜在的「◇◇」の効果は、自己評価が低く、自分に対して大きな価値を認めない人の場合だとそれほど目立たない。自己との重要な「△△」を感じさせるのは、親族関係、教育レベル、価値観などが共有されているという「●●」だが、驚くばかりの影響を人の行動にもたらす。親族関係を示す「●●」の例を挙げれば、依頼した大学生と同じ「◆◆」だったときには、その承諾率が96パーセントという驚くべき高さになった。教育レベルでは、面接調査を依頼する人と頼まれる人の教育レベルが同程度の場合、承諾率が倍増した。価値観の例としては、顧客に「▲▲」の好みが一緒だと伝えた場合、売り上げが三倍になったという記録がある。人は「▲▲」の趣味が同じなら、価値観も近いと考えるものなのだ。
   < p382, p383 >

9. わかりにくさが及ぼす効果は常に悪いものとは限らない。そのメッセージについてしっかり「〇〇」る「◇◇」を取る気が受け手にあるのなら、「△△」しにくい書体や形式でメッセージを伝えることは、受け手がしっかり「〇〇」てくれる見込みを高めるので、結果として難しい題材をしっかりと「△△」し、「●●」してもらえる場合がある。
   < p384 >

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　　豊川 ひろこ

第8章 説得の地理学ーすべての正しい場所、すべての正しい痕跡

1. 目指す読者層の性質や好みについて、私が（頭のどこかで）知っていることなど役に立たなかった。研究室の「〇〇」には、執筆中にそうした人々のことを「◇◇」的かつ「△△」的に考えさせてくれる「●●」が、ほとんどなかったからだ。一方、アパートのデスクから見える眺めは、執筆作業によく合っていた、そこにいるといつも、読者対象に「◆◆」が向かうので、彼ら向けに書くということが、より上手にできた。この経験から引き出せるいくつかの教訓は、一般向けの学術書の執筆以外にも応用可能だ。身の周りの物理的「〇〇」にどんな「▲▲」をしておけば、望ましい目標への「◆◆」の経路に「××」を乗せることができるかという適用範囲の広い疑問に、この教訓を当てはめることができるからだ。
   < p172, p173 >

2. 今では彼女のチームは顧客先で作業の打ち合わせをするときには必ず、事前に顧客のウェブサイトや社内広報から、プログラムの「〇〇」となる「◇◇」の写真をダウンロードしている。そしてその写真を拡大し、何枚もの大きなパネルに貼り付け、どんな部屋で作業を行うときもそこの壁にパネルを「△△」。注目してほしいのは、このプロジェクト・マネージャーと彼女のチームは、作業環境に入って仕事を始める「●●」に「◆◆」を構築しているので、やっていることは本書で扱ってきた数々の下準備（プリ・スエージョン）とほとんど同じだ。唯一違うのは、彼らのターゲットが他の人ではなく、「▲▲」だという点。そして、顔写真を使うよりも「××」を使うほうが、作成するプログラムの出来が良くなるという理解にまで至ったそう。
   < p175, p176 >

3. 「〇〇」に存在する特徴は、簡単に私たちの「◇◇」を私たちの「△△」的な特徴、つまり特定の態度、信念、性格特性、記憶、感覚に「●●」。すでに述べたとおり、「◇◇」の向く先が変わるときには、ある重要な効果が生じる。そうした瞬間には、普段よりも「◇◇」を向けた対象を「◆◆」だと考えたり、「▲▲」と見なしたり、それと「××」行動をとったりする見込みが高まるのだ。
   < p177 >

4. 舞台俳優、歌手、ミュージシャン、ダンサーといったあらゆる種類のパフォーマーが一様に、咳一つであっても余計な音が出ることを非常に嫌うのには、それが集中の邪魔になる雑音だということに加えて、もう一つ別の理由もある。そうした音は、客の間で「〇〇」していく場合があるのだ。
   < p177 >

5. 「〇〇」症候群にかかった場合、そのときたまたま学んでいる病気の「◇◇」が現れ、自分はその病気なのだと「△△」してしまう。そういうことが起こるものと覚悟しておくように、という教授たちからの忠告も効果はないようだ。医療専門職たちに昔から知られているある説明が、その理由を教えてくれる。「彼らはたとえば、肺炎によって身体のある部位に痛みが生じるという知識のせいで、その部位に対して「●●」が集中し、その結果、そこに何らかの感覚が生じると、すべて「◆◆」を告げているように考えてしまうのである。」
   < p179, p180 >

6. 彼らは残された年月に、感情的に満ち足りた時間を求めるようになり、それを得るための入念な手順を踏む。その獲得に必要なのは、自己への影響力に関する「〇〇」だ。彼らは若い頃よりも頻繁かつ熱心に、気分を「◇◇」させてくれる心の内外の「△△」に向かう。高齢者は若い人たちよりも「●●」的な記憶を思い出し、「◆◆」考えを受け入れ、自分に「▲▲」の良い情報を探して心にとどめ、幸福な顔を探したり、じっと見つめたりする。見落とさないで欲しいのは、彼らがそうした明るい境地へ向かう旅路を設定するのに、私たちがすでに知っている非常に効果的な知的戦略を用いている点だ。つまり、そうした場所に自らの「××」を集中させているのだ。
   < p182, p183 >

7. 彼は試験開始前の数分間を、私がいつもやっていたようには使わなかった。つまり、何冊ものノートを手に、うろ覚えになっているあらゆる情報を自分の脳味噌に詰め込もうとはしなかった。その段階になって、まだ手こずっている部分に意識を集中させても、「〇〇」が増すだけだとわかっていたからだ。そのかわりに、彼はそのきわめて重要な時間を意識的に使い、それまでのテストでの「◇◇」を思い返し、自分が確かに持っている「△△」を数え上げることで、「〇〇」を鎮めると同時に「●●」を育てた。「おびえていたら、ちゃんと考えられっこない」と彼は私に指摘した。「それに、自分の能力に「●●」があるときのほうが、ずっと「◆◆」なれる」。私は感心した。彼は注意をどこへ向けるべきかを正確に理解していただけでなく、「▲▲」づくりにも長けていて、テスト直前の「××」としてそれを行うやり方も理解していたために、理想的な心の状態を独力で生み出すことができた。
   < p189, p190 >

8. （１）どちらの教室に受験生を振り分けるかは、関連のある要素（性別）を基準とし、無関係な要素（名前の頭文字）を使うのはやめよう。なぜか。女子生徒が男子生徒と同じ教室で数学のテストを受けると、数学と性別の結びついた「〇〇」を思い出しやすくなるからだ。（２）女子生徒の監督は、「◇◇」科目を教えている「△△」教員にすべきだ。なぜか。他の「△△」によって「〇〇」が否定されているという証拠が、その「〇〇」の影響を軽減するからだ。（３）テスト開始前の10分間で、受験生たちに、手こずりそうな問題への対応方について考えをまとめさせるのはやめよう。テストの「●●」に注目すると結果が悪くなる。そのかわりに、自分にとって「◆◆」だと思うことを選んで、なぜ「◆◆」だと思うか紙に書くよう、女子生徒たちに言いましょう。なぜか。この種の「▲▲」手続きは、最初の注意を「××」に関する長所に向けるとともに、脅迫的な「〇〇」の効果を減じる。
   < p192, p193 >

9. （４）数学のテストの最初に、性別を記入するよう指示してはいけない。そんなことをすれば、数学と性別の結びついた「〇〇」を女子受験生が思い出しやすくなってしまう。その記入欄には、学年を書かせるようにする。そして、記入例は常に「◇◇予定の四年生」として置く、なぜか。この変更は、注意の向く先を少し変えることによって生じる力に合わせて、下準備的な「△△」の向く先を、学術的な欠点とされているものから、学術的な「●●」と見なされているものに切り替える。こうした手続きが試された事例では、数学の成績に男女差は見られなかった。女性は数学が苦手だという思い込みのほかに、アジア人は数学が得意だという思い込みがある。そこで研究者はたちは、数学の試験の前に、アジア系の女子生徒何人かには自分の性別を、別の何人かには自分の「◆◆」を記入するよう指示した。比較したところ、性別を記入した生徒たちは最も点数が悪く、「◆◆」を記入した生徒たちは最も点数が良かったことが分かった。
   < p194 >

復習リマインダー

　　豊川 ひろこ

注釈：第8章

1. 仕事に「〇〇」のある人の「◇◇」が背景にあると、「△△」的な方法でその人の役に立とうとしている人々の「●●」を変えられる。たとえば、放射線科の医師に患者の「◆◆」をX線写真と一緒に見せると、作成する報告書が長くなり、入念に調べる範囲が広がって、X線写真に写った臨床的に重要な特徴のすべてを「▲▲」するようになった。
   < p385 >

2. 咳が「〇〇」することに関する科学的証拠については、非常に優れた研究がある。その研究では、目の前で行われているプレゼンテーションに「◇◇」している場合、「△△」がすべてプレゼンテーションに向いているため、他人の咳に「●●」して咳をすることが著しく減る、ということも示されている。この発見を知れば、パフォーマーたちはますます観客の間で広がる咳のことが嫌いになるだろう。咳の「〇〇」は、自分たちの仕事の出来が「◆◆」を示しているからである。咳の伝染によって、客の「◇◇」が自分たちに向いていないことがわかってしまうのだ。
   < p385 >

3. 幸福な高齢者が、不愉快な出来事の存在をやみくもに「〇〇」しているわけではないということは知っておくべきだろう。彼らは悪いことの存在を「◇◇」。それについて「△△」、良いことに「●●」を向けるという選択をしているのだ。たとえば、結婚生活で不和が生じたときの対処法を、若い夫婦と比較して目立って違っていたのは、高齢者の夫婦の場合、夫婦喧嘩から他のもっと楽しいことに「◆◆」を向ける傾向があることだった。悪いことの存在は認めるけれども良いことを「▲▲」する姿勢は、どの年代の人にとっても、「××」的出来事を経験した後で心の健康を取り戻すのに役立つ。
   < p386 >

4. 創造的な芸術家、つまり「〇〇」の「◇◇」から利益を得ると考えられている集団でさえ、そうした考えが当てはまるのは、作業やプロジェクトに「△△」段階だけのようだ。作業にしっかりと「●●」した「〇〇」を注ぎ続ける芸術家たちのほうが、実生活でより大きな芸術的達成を得られている。そうした発見を踏まえると驚くことではないが、短期・長期両方の「◆◆」を最もうまく上昇させる介入方法は、戦略的に実施される「▲▲」である。
   < p387 >

5. 肯定性の逆説は通常、人生の最後の局面にまでは及ばない。なぜなら、その段階に達した高齢者が「〇〇」、あるいは「◇◇」もしくはその両方の「△△学」を管理できなくっているためのようだ。「〇〇」の管理ができなくなる理由の一つには、「●●」の自己制御が複雑な知的機能であるため、急速な認知的衰えや投薬治療による意識の混濁といった、人生の最終段階の特徴によって著しく損なわれてしまうことが挙げられる。「◇◇」の「△△」にどんな障害が出るかに関しては、初老の高齢者が元気なときによくやっていることを考えてみよう。彼らは生活環境のあらゆるところに、幸福感を感じさせてくれる「◆◆」、たとえば家族の写真、良い思い出になった旅行のお土産、心地良い曲に特化したラジオ局の音楽を「▲▲」する。こうした諸々の「◆◆」と、もはや「▲▲」の力を支配できなくなり、薄暗く厳めしい自宅のベットや、病院の活力のない白い壁に閉じ込められた高齢者に利用可能な「◆◆」と比べてほしい。繰り返すが、高齢者だけがそうした「◆◆」を重んじているわけではない。「××」を通じて「〇〇」の「△△」を整えるのがうまい大学生も、ある程度同じことをしている。彼らはそうできるように「◇◇」の「△△」を調整している。つまり、良い「××」を促してくれそうな人たちや社会的状況のなかに身を置く時間を、戦略的に増やしているのだ。
   < p387, p388 >

6. 高齢者以外でも、「〇〇」をシフトさせることによって、「長く続く冬に一息入れる」ことができるという実験的証拠としては、悲しみに沈んでいる子どもたちに、その悲しみとは「◇◇」のないテーマで絵を描く課題を与えと、かなり「△△」になるという研究がある。子どもの「●●」する先を変えるというこの手法は、簡単に行えるだけでなく、研究に参加したすべての年齢集団（6～12歳）の子どもたちに有効であることがわかっている。
   < p388 >

7. 「〇〇」もって自分の「◇◇」とこれまでの「△△」に「●●」を集中するという、適性テストで高得点を取るために彼が私にしてくれた助言の、科学的な妥当性が確認された。とりわけ、普段そうしたテストの成績が良くない人たち（たとえば、低収入の人たち）に、先に誇らしさを感じたり成功できたときの「◆◆」を語らせておくと、知能テストの成績が大きく向上することが、ある一連の研究から明らかになったのだ。
   < p388, p389 >

8. 数学と性別が結びついた「〇〇」関連の研究では、ほかにも注目に値する発見が二つある。一つ目は、それと関係した基本的な心理プロセスが活性化するのは、この特定の「〇〇」だけではないということだ。たとえば、運動選手はそれほど高い知的能力を持っているわけではない、という広く信じられている「◇◇」がある。そのため、たとえば一流大学であるプリンストン大学の運動部に所属する学生は、自分が運動選手であると「△△」させられたときには、数学のテストの点数が大きく下がった。これと関連した、より社会的重要性のある例では、テストの「●●」にアフリカ系アメリカ人の学生に自分の人種について「△△」させると、結果が悪くなるというものがある。幸い、「◆◆化」や「▲▲モデル」に触れるといった、女子学生への有害効果を和らげる手続きは、アフリカ系アメリカ人学生の場合にも効果を発揮する。
   < p389 >

9. 発見の二つ目は、平均的に女性は男性よりも数学関連の作業が不得意だという思い込みには、「〇〇」的根拠がほとんどというより、まったく「◇◇」ということだ。性別に「△△」が向いているときを除けば、通常、数学への適性評価の点数に「●●」は生じない。ではなぜ、科学、テクノロジー、工学、そして数学の分野に進む女性がこれほど少ないのか。原因の大部分は、「◆◆」の問題のようだ。女性がより興味を持っているのは、さまざまな「▲▲」的システムの働き方である。それらと関係するのは女性が強く持っている「共同的」目標であり、これに含まれているのは、物ではなく人との「××」なのだ。実際、こうした注意レベルの高まりは、幼い女の子にさえ見られる。人間の顔を見たとき（他の幼児の顔のときも）、女の子は男の子よりずっと長くその顔を見続ける。
   < p389, p390 >

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　　豊川 ひろこ

第9章 下準備の仕組みー原因、制限、修正手段

1. 私たちが特定の概念に関心を「〇〇」だけで、その概念と綿密に結びついた別の諸概念も、私たちの心の中で「◇◇」を享受し、それ以外の概念ではまったく太刀打ちできないほどの「△△」を獲得する。そうなるのには二つの理由がある。一つは、ある「●●」概念（ドイツの音楽や、バインダーの重さ）に注意が向くと、それと密接に結びついた別の概念（ドイツワイン、履歴書の内容）が「◆◆」にのぼりやすくなり、その結果、その別の概念に注目したり反応したりする見込みがぐっと高まる。「◆◆」内の序列がにわかに高まったことで、そうした諸概念は認識、思考、意欲に対する「△△」を強め、その結果、関連した行動を「▲▲」させる。二つ目は、逆に「●●」と関連のない概念は「◆◆」のなかで「××」され、注目されたり「△△」を持ったりする見込みが、それまでよりも少なくなる。そうした概念は活動状態にはなく、一時的に消えてしまっている。
   < p197 >

2. オープナーと結びついた「〇〇」の概念はより「◇◇」されやすくなる、というメカニズムによって説明できると思われているのが、さまざまな議論を呼んでいる比較的最近の現象、すなわちビデオゲームをプレイすることの帰結だ。暴力的なビデオゲームをプレイすることが直接的に「△△」行為を助長することは、多くの研究からわかっている。理由は、ゲームが攻撃性と「●●」した考えを「◆◆」ため、攻撃的な考えと簡単に「▲▲」できてしまい、攻撃性が誘発されるのだ。
   < p197, p198 >

3. 「〇〇」的なビデオゲーム、つまり、ゲーム内のキャラクターたちを保護したり、救出したり、支援したりすることが求められるゲームで遊んだ後には、同様の印象的な、ただし正反対の効果が生じる。そうしたゲームをした後では、清掃作業の手伝いやボランティア活動への参加意欲が高まった。こうした援助傾向が生まれた直接的な原因は、ゲームが実験参加者の「◇◇」に「〇〇」的思考を植えつけた結果、彼らがそうした考えと簡単に「△△」できるようになったことにあった。最近になって行われた研究では、暴力的なビデオゲームをプレイすることで、その後の攻撃的なふるまいが減る場合もあることがわかった。そうなる条件は、敵を倒すためにプレイヤー同士が「●●」しなくてはいけない、という設定があること。この新しい研究が加えた知見は、「△△」可能性に基づく説明と合致している。ゲームを「●●」的にプレイすることは、たとえそのゲームが暴力的な内容であっても、攻撃的な考えを「◆◆」するのだ。
   < p198 >

4. 検討した行動（援助）は異なるものの、この「〇〇」の実証結果は、顧客の最初の注意をふわふわした雲の表現に向けさせると、座り心地の良い家具を好むようにできることや、レースで優勝した瞬間のランナーの写真を見せると、職場の業績が良くなるといったデータと合致している。ただ、この一体感の効果を調べた実験には目新しい有益な点が二つあった。一つ目は、この研究の参加者（援助傾向が３倍になった人たち）は、「◇◇」の子供どもたちだったのだ。それでも、ここで取り上げているメカニズムは非常に「△△」的だったために、この年代の幼児であっても、それによって大きく動かされた。二つ目は、それが幼児たちに及ぼした効果の現れ方が、「●●」的なものだったことだ。手伝うよう「◆◆」したり「▲▲」する必要はなかった。
   < p199 p200 >

5. 「〇〇」の効果には重要な制限がある。ポイ捨てを禁ずる社会規範に注意を「◇◇」向けさせるメッセージが、ポイ捨てを行う傾向を最も押しとどめた。一方、注意を向ける「△△」が、ポイ捨てを禁ずる社会規範から「●●」につれて、ポイ捨ての衝動を抑えるのは難しくなっていった。この結果がわかりやすかったのと同じように、最適な「〇〇」のための結論もわかりやすいものだ。「△△」の概念とそれに関連した概念の「◆◆」の強さ次第で、その「△△」の「〇〇」効果の強さが決まる。だから、ある行動（たとえば支援）をもっと促したいのであれば、その行動とすでに強く「▲▲」的に「××」概念（一体感は良い選択肢だ）を見つけ、行動を求める直前に、支援してくれるかもしれない人の心にその概念を届けておくべき。
   < p201, p202, p203 >

6. 二つの概念を効果的に結びつけるときに、必ずしも「〇〇」認められている事実を必要としない。そうした結びつきは「◇◇」することができる。二つの概念が何らかの意味で、「△△」的に結びついたものとして感じられさえすれば、その後は、一つ目の概念を提示すると、関連した「●●」へ向かわせる二つ目の概念が準備されるようになる。たとえば、セーリング、ウォータースキー、抱擁などの心地良い活動をしている画像にベルギービールのブランド名を挿入し、5回見せただけで、それを見た人の商品に対する「◆◆」が上昇した。また、美しい自然の風景の画像にマウスウォッシュのブランド名を挿入し、6回見せた結果、すぐにその商品に対する「◆◆」が上がり、「▲▲」経ってもその「◆◆」はまだ上がったままだった。
   < p204 >

7. 喉の渇いている人たちに、「〇〇」（比較対象は怒っている顔）の画像を「◇◇」的に八回提示したすぐ後で、新製品のソフトドリンクを試飲してもらったところ、ソフトドリンクの「△△」が増加し、店で見かけたときにいくらだったら買うかという質問の答えも、「●●」高くなった。そして、これらの研究の参加者は、そうした組み合わせの力から影響を受けていることに、「◆◆」。
   < p204, p206 >

8. 健康という分野を例にとると、私たちが素晴らしい決意を何らかの能動的なステップに具体化させるのは、せいぜい「〇〇」に一回程度だ。幸い、ある種の戦略的な自己陳述を用いれば、こうした問題を「◇◇」によって克服できる。この陳述を学術論文が扱うときには様々な名前がつくが、私は「△△」プランと呼ぶことにする。これは①目標を推し進めることができる「●●」に何らかの「◆◆」を登録し、②その「◆◆」が促す、目標と一致した適切な「▲▲」をとる準備をすることで、目標を「××」しやすくする手法だ。このプランを使えば、他の目標であっても効率的に「××」できる。
   < p206, p207 >

9. 「〇〇」プランが優れているのには、もっともな理由がいくつかある。まず、計画の諸要素を「◇◇」的な手順として並べていることが、目標達成につきものの邪魔者を打ち負かしやすくしている。「〇〇」という言い方を用いるのは、生産的な行動を実行に移せる特定の「△△」と状況を、強く「●●」させるためだ。こうすることで、最初に都合の良い「△△」や環境に「◆◆」、次に、そうした条件から自動的かつ直接的に望ましい行動を「▲▲」する、という心の準備ができる。特筆すべきは、この下準備（プリ・スエージョン）プロセスが、自分で「××」作成できるという性質だ。この手法では、自分が前もって対象としていた特定の合図への「◆◆」やすさを、自らに植え付けることにより、そうした合図と目標達成の助けとなる手順の間に、あらかじめ構築しておいた強い「▲▲」を利用するのだ。
   < p208 >

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　　豊川 ひろこ

第9章 下準備の仕組み - 修正ーギャップに気をつける

1. ここまで、たくさんのデータを取り上げてきた。それらは、①「〇〇」のなかでより「◇◇」しやすいものが行動に移されやすくなること、②この「◇◇」のしやすさは、私たちの周囲で情報を発している「△△」と、それに対して私たちが持つ無加工の「●●」から影響されることを示している。「◆◆」プランを取り上げた前節、および影響力の「▲▲」を取り上げた第8章では、こうした基本プロセスから、より高次の利益が引き出せるという、歓迎すべき証拠を提出した。そうした利益を引き出すためには、日々の「××」に、より重要な目標と強く結びついた行動への「△△」を用意すればよいのだ。
   < p210 >

2. もし、私たちの好みや選択が、ある企業のスローガンが「〇〇」を踏んでいるか、自分の名前と「◇◇」か、広告に「△△」風景を使っているか、株式銘柄の略号が「●●」しやすいか、といった取るに足りない「◆◆」の有無によって過剰に揺さぶられるのであれば、取り引き相手とのやり取りで生じるそういった「▲▲」を、是正できるようになるのが望ましいと思うだろう。この点に関してはいくつか心強い情報がある。このような望ましくない影響力を「××」するだけで、その効果を十分に遮断することも多いのだ。そして、そうした「××」を得る手法は複数存在する。
   < p211 >

3. ご存知のように、上機嫌のときは、なぜか周囲の人や物に対する「〇〇」的な感情が強まる。無料配布していた高級な便箋を受け取って上機嫌になっていた通行人は、自分の車やテレビを「◇◇」と評価した。また、「△△」が良いと気分も良くなり、やはりこの種の無根拠な判断を下す場合がある。男性に、若い女性をまず褒めてから、デートの申し込みをするための連絡先を尋ねさせた場合、「●●」の朝と「◆◆」の朝で、その結果が大きく変わった。
   < p211, p212 >

4. よく晴れた日には、持っている物や顔を合わせた人に対して「〇〇」的になるだけではない。自分の「◇◇」をどう考えるかということにも、同様の影響が出る。電話調査で、全体的に見て自分という存在に満足していると答えた人の割合は、実施日が晴れた日だと、雨の日よりも「△△」パーセント高くなった。幸い、この発見には楽観的な側面がある。質問に入る前に「●●」のことを回答者に思い出させると、このイメージの当てはまり具合が劇的に変わるのだ。最初に「ところで、そちらの「●●」はどうですか」と尋ねた場合には、晴れの日か雨の日かで生じる差は、「◆◆」。少しの間、ちょっと「▲▲」を「●●」に向けたことで、回答者は「●●」の影響で見方が偏っている可能性に気づき、考えをしかるべく「××」することができた。
   < p212 >

5. この研究結果には、私たちが根源的なプロセスに奴隷のように従っているわけではない、というホッとするような証拠以外に、もう一つ、検討に値する別の結論がある。短い、単純な「〇〇」だけで、「◇◇」が除去できたということ。「〇〇」をすることは、計り知れないほど貴重な情報を相手に与える場合がある。そうすることによって相手を促し、その人がすでに持っていて、そのときは「△△」の表面に浮かんでいなくても、ひとたび「●●」を向ければ、すべてを変えるような「◆◆」を、思い出させることができるのだ。「●●」の「▲▲」程度のちょっとした行為が、往々にして迅速で大規模な「××」を始動させる。
   < p212, p213 >

6. この研究者たちは、それまでの研究者がやらかったことを行った。「〇〇」と「◇◇」の評価だけでなく、製品配置の成功度合いを測る第３の尺度を新たに使ったのだ。ブランドの一覧表から、買い物で選びそうなものを実験参加者に選択してもらうというものだった。さて、その結果は？なんと、選ばれる見込みが最も低かったのは、最も「△△」扱いを受けていた製品だったのだ。どうやら視聴者は、製品を「●●」とする扱い方がきっかけとなって、その製品を気に入るように仕向けようとする広告業者の姑息な企みに「◆◆」、その結果、潜在的な判断の歪みを「▲▲」するようだ。
   < p215 >

7. 始まった当初こそ、そうした番組が夜の非常に遅い時間から始まる主な理由は放映料の安さだったが、今ではもっと重要な理由がある。深夜に流すと「〇〇」の効果が高くなるのだ。長い一日の終わりには、視聴者に「〇〇」の示す「◇◇」的要因（感じの良い司会者、熱狂的なスタジオ観覧者たち、どんどん減っていく商品の在庫数など）に「△△」するだけの、「●●」的エネルギーが残っていないのだ。「●●」疲労が、よく考えた分析とそれに付随した「△△」への潜在力を蝕んでしまう場面は、インフォーマルの視聴だけではない。睡眠の研究者たちが砲兵部隊を対象に行った実地試験では、しっかりと休息を取っているチームは、病院その他の非軍事施設を標的とした砲撃指令に、しばしば「◆◆」を唱えた。しかし、24~36時間も「▲▲」に過ごした後では、たいていの場合、上官の指示に何の「××」を抱かずに従い、標的が何であれ、砲撃するようになりがちだった。同様に、犯罪の取り調べの場面では、罪を犯していない容疑者であっても、「●●」的に消耗する尋問を何時間も受けた後だと、取り調べを行う側からかけられる圧力に「△△」できなくなり、犯してもいない犯行を自白してしまうことがしばしばある。
   < p218 >

8. 疲労だけでなくほかにもさまざまな条件が、愚かな傾向に気づき、「〇〇」を行うことを邪魔する。実際、「◇◇」いたり、やることが多すぎたり、何かに気を取られていたり、「△△」だったり、大きな「●●」を抱えていたり、気が散っていたり、それに、どうやら「◆◆」を信じていたりするときも、そうした愚かしい傾向が優勢になりがちなようだ。「◇◇」いるときには、ある決定に関わるすべての要素を考慮する「▲▲」がとれない。そのため、手っ取り早い基準一つだけに頼ってしまいがちだ。その基準とは、いくつかの選択肢から一つを選んで購入するときには、優れた特徴の「××」が一番多いものを買うべきであるといった思い込みかもしれない。
   < p218, p219 >

9. 実験参加者のあるグループは、それら十二の項目の特徴情報に触れる際、特徴一つにつき二秒しか与えられなかった。その結果、大多数は「〇〇」でない多くの項目で勝っていたほうのブランドを選んだ。ようやく結果がひっくり返ったのは、検討時間を「◇◇」に与えられた最後のグループで、このときは過半数が、数は少なくてもより「〇〇」な項目で勝っていたカメラを選んだ。これこそ放送メディアの手法、つまり簡単には「◇◇」させたり、反転させたりできない情報の急流を放送し、それをしっかり処理する「△△」を与えないというやり方そのものではないだろうか。ラジオやテレビで流れるCMを見たり聴いたりするとき、そのCMの主張の「●●」に「◆◆」することはできない。政治家の演説のニュース映像に、注意深く反応することもできない。そのかわりに、私たちはそれらのあまり「〇〇」ではない特徴に「◆◆」させられている。たとえば、CMキャラクターになっている人物の「▲▲」だとか、政治家の「××」性だとかに。
   < p219, p220 >

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　　豊川 ひろこ

注釈：第9章

1. オープナーが影響力のための「〇〇」概念を「◇◇」にする一方で、「〇〇」していない概念を「△△」にするという考え全般を裏付ける研究も数多くある。ある概念への「●●」可能性（「◆◆」的な「●●」が簡単にできること）が、その後の「▲▲」、および関連する「××」に中心的な役割を果たすという証拠は、かなり昔から説得力のあるものが提出されている。
   < p390, p391 >

2. 私のポイ捨てに関する調査は、レイモンド・レノ、カール・カルグレンとの共同研究として実施したが、同時に行った研究で、人間の「〇〇」に対して正確にねらいを定めて示される「◇◇」的「△△」の有効性も、明らかになっている。駐車場で実際にビラをポイ捨てをした人の割合は33％だった。だが、最初にポイ捨てされたごみを非難めいた動きで拾っている人の姿を見た場合には、ごみを拾っていた人が駐車場からいなくなった後でも、駐車場でビラをポイ捨てする人はいなかった。そういうわけで、ポイ捨て行為をやめさせるためには、ポイ捨てへの「◇◇」的「△△」と密接に結びついた概念を「●●」的に特定して「◆◆」するという方法が、非常に有効だった。
   < p391, p392 >

3. 「もしそうしたら、そのときは」プランが一般的な「〇〇」に勝る効果を発揮することを実証したのが、学生に論理的推論の難問に粘り強く挑み続けるよう働きかけることを意図した研究である。その研究では、学生の一部に対しては、問題を解く意欲を示すために、次のような「〇〇」を行わせた。「私はできるだけ多くの問題を正しく解きます！それができると自分に言い聞かせます」。別の学生たちにも同じように「〇〇」を行わせたが、それを「もしそうしたら、そのときは」の形式で行わせた。つまり、「私はできるだけ多くの問題を正しく解きます！そして、「◇◇」問題が解けて新しい問題に進んだの「△△」、「●●」、その問題も解けると自分に言い聞かせます」。二つの「〇〇」の内容は同じもののように見えるが、正答率は「もしそうしたら、そのときは」形式で宣伝を行った学生たちのほうが、およそ「◆◆」％多くなった。
   < p392, p393 >

4. もちろん、巧みに尋ねられた「〇〇」が強い「◇◇」を持つという考えに、目新しさはほとんどない。ソクラテスは「〇〇の名人」と呼ばれたが、これは「△△」の変容をもたらす彼一流のやり方が認められたからである。だが、大昔からある考えだというだけで、それを今日の選択に応用するのを思いとどまるべきではない。たとえば、気分の効果について言えば、空腹のときには絶対に食料品の買い出しに行ってはいけないと言われるのと同じように、幸福を感じているときには絶対に大きな買い物はしないと決意すべきなのだろうか。研究の結果が示しているのはそういうことではない。なぜ気分が「●●」しているのか、「◆◆」してみるべきなのだ。その理由が買い物で得られる利点とは「▲▲」で、天気がすごく良いとか、販売員が面白い冗談を言ったり褒めてくれたりしたためなのであれば、それに気づいただけでもほぼ充分に、考えの偏りが「××」されるだろう。
   < p394 >

5. 私たちが自分の判断を、いつ、どのように「〇〇」するのかについて、最も総合的にしっかり裏づけの取れたかたちで概念化しているのは、明らかに、オハイオ州立大学の心理学者ドゥエイン・ウェゲナーとリチャード・ペティの「◇◇モデル」である。二人はこのモデルを用いて、「〇〇」が生じやすいのは、望ましくない「△△」に染まっていることを「●●」し、かつ、それを打ち破る手立てを取る「◆◆」と「▲▲」が存在しているときであると論じている。総論的に言えば、原初的な連合プロセスは、前もって私たちにある「××」をとる気にさせている。一方で、そのプロセスに気づき、それを「〇〇」したいと望み、かつそうする「▲▲」がある場合は、そのようなプロセスが前もって私たちの「××」を決定することはない。
   < p394 >

6. 映画やテレビの映像で、目立つように配置されたブランドに対する視聴者の「〇〇」が著しく低下するのは、目立たせ方に第二の形式が付け加えられたとき、つまり、そのあからさまな配置が、映像のなかで（◇◇以上）「△△」されたときである。ただし、「●●」に配置されたブランドでは、こうした低下現象は発生しない。「△△」し提示された場合でも、潜在的な偏りの「◆◆」だと気づかれずに済むからである。それどころか、あまり目立たせることなく提示した場合の受け手の「〇〇」は、提示回数が多かったブランドより、いくらか高くなった。この発見で思い出すのは、（第三章で紹介した）読んでいる電子コンテンツの端の束の間しか表示されないため、受け手のレーダーをかいくぐることができた、オンラインバナー広告の有効性に関する研究結果である。あの場合には、たとえ受け手が広告を見たことを「▲▲」、広告の「××」が多いほど、その後の「〇〇」は上がった。
   < p395 >

7. 本節で紹介したもののほかにも、誤った考えに導く要素から影響を受けやすいことを私たちに「〇〇」、その結果、そうした影響力を「◇◇」する試みへと向かわせてくれる「△△」が二つある。一つ目は、入ってくるデータの純然たる「●●」さである。二つ目は、影響要素が向かわせようとする方向に「◆◆」する強い「▲▲」からの「△△」である。ある研究では、白人の実験参加者たちが、黒人のステレオタイプに基づく反応を助長するような、黒人被写体が写った写真を見せられた。このとき、人種に対する自分の偏見を抑えるという強い「▲▲」を持つ人は、自分の態度にしかるべき「××」を行うことで、このようなステレオタイプに抗う反応を見せた。
   < p396 >

8. 人間の情報処理システムに「〇〇」メカニズムが存在するという議論は、脳撮像の研究によって裏づけられている。そうした研究では、間違った方向に導く情報への「◇◇」と、それに対する「〇〇」に関与する脳の部位が特定されているようである。多くの学者の結論によれば、これらの「〇〇」メカニズムの一つは、より原始的なシステムから働きを分化させた、「△△」的思考システムである。分化した要素の組み合わせは、たとえば、「●●」性と感情、「◆◆」と経験、「▲▲」的なものと自然発生的なもの、「××」と衝動、制御されたものと自動的なもの、などである。
   < p396 >

9. インフォマーシャルの制作者たちが目的を遂行するにあたっての、「〇〇」の疲労が果たす役割については、レミー･スターンの魅力的な本に掲載されており、業界の先駆者の一人、アル・アイコフの次の言葉を引用して説明としている。「その時間になると、人の「◇◇力」が下がる。もし疲れていれば、「△△」の「◇◇」なく、「無△△」が受け入れてくれる」。文書形式になっているものと比べてテレビなどで放送されたものの場合、視聴者は「●●」自体よりも、それを伝える「◆◆」の性質（「▲▲」の良さや「××」的魅力など）に多くの注意を払うということは、ずいぶん前からわかっている。
   < p397 >

復習リマインダー

　　豊川 ひろこ

第10章　変化に至る六本の主要道路――賢い近道という広々とした大通り

1. 箱入りの高級チョコレートを買わせたければ、最初に「〇〇」を書くよう、お膳立てしましょう。フランス産のワインを選ばせたかったら、相手が決定を下す前に、「◇◇」をBGMで流しておきましょう。新製品を試すことへの同意を取りたければ、最初に、「△△」かどうかと尋ねてみましょう。非常に人気のある商品を選ぶよう説得したければ、最初に「●●」を見せましょう。
   < p224, p225 >

2. 私たちに対する温かい気持ちを相手に抱かせたかったら、「〇〇」を手渡しましょう。もっと援助をしてもらいたければ、「◇◇」の写真を見せましょう。もっと目標達成への意欲を持たせたければ、「△△」の画像を渡しましょう。慎重な判断をさせたければ、「●●」の写真を見せましょう。
   < p225 >

3. 注目してほしいのは、ある状況でほんの少し言ったりやったりすべき正しいことの内容が、そのとき「〇〇」次第で変わることだ。この個別性は、メッセージの送り手にとって「◇◇」的な「△△」の働き方と、一致している。つまり、そうした「△△」は、下準備（プリ・スエージョン）的に受け手の「●●」を、メッセージの送り手が目指す特定の「◆◆」と好ましい「▲▲」で結びつく概念だけに向けさせる。一方で、説得しようとする際に、万人共通の包括的「◆◆」というものもあるのではないだろうか。つまり、「××」を得るという「◆◆」だ。
   < p225, p226 >

4. 「〇〇」を得るという一般的な目標と、特別足並みをそろえてくれる概念とはあるのだろうか。私はあると信じている。拙著「影響力の武器」では、人間の社会的影響力の主要原則に力を与えている概念が六つあると論じた。「◇◇」「△△」「●●」「◆◆」「▲▲」「××」だ。これらの原理は、「〇〇」一般を引き出すうえで非常に効果を発揮するが、それはたいていの場合、影響力を行使しようという試みにたいして人がいつイエスと言うべきかを、これらの原理がただしく教えてくれるからだ。もし、「◇◇」「△△」「●●」「◆◆」「▲▲」「××」という概念に注意を向けさせることで、受け手に「〇〇」させやすくできるのが本当だとすれば、それぞれの概念がどう働くのかを再検討し、最新のものにバージョンアップするのは理にかなっている。
   < p226 >

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　　豊川 ひろこ

第10章　変化に至る六本の主要道路―― 返報性

1. 人は、「〇〇」のある相手には、イエスと言う。もちろん、常にそうなるわけではないが、かなりの頻度でそうなるため、行動科学者たちはこの傾向を「◇◇」と呼んでいる。その内容は、私たちに「△△」を与えてくれた人々は、私たちからの「●●」の「△△」を受け取る資格があるというものだ。これは「◆◆」が健全に機能するうえで非常に価値のあるルールなので、あらゆる文化で子どもの頃から教え込まれているし、受け取るだけで「●●」をしない人には、たかり屋、悪用者、くすね屋、寄生者といったレッテルが貼られる。その結果、子どもは二歳にもならないうちからこのルールに反応するようになり、大人になるまでには、購買パターンを含む生活のあらゆる面で、このルールの「××」的な力から影響を受けるようになる。
   < p227, p228 >

2. ある研究では、お菓子屋さんの買い物客の入店時に、「〇〇」の小さなチョコレートを渡すと、何かを買っていく割合が42パーセント上昇した。大手小売店「コストコ」の売上データによれば、ビール、チーズ、冷凍ピザ、口紅などの他の商品も、「◇◇」のおかげで大きく売り上げを伸ばしている。売り上げのほとんどが「◇◇」品を受け取った買い物客によるものだったのだ。アメリカでは、税制の決定に関わる委員を務める政治家に対して、かなりの高額な「△△」を行う企業が、大幅な税制の「●●」を受けている。
   < p228 >

3. 頼みごとをするときに返報性のルールが持つ下準備（プリ・スエージョン）の力を発動させたいなら、一見大胆な行為をする必要がある。いちかばちか、「〇〇」です。やり取りを始めるときには、贈り物、親切、便宜、あるいは譲歩を、「◇◇」に、それも「△△」が受けられるという正式な保障なしで、差し出さなくてはならない。しかし、「△△」をしようとする傾向はほとんどの人に大変深く根付いているので、この戦略が商取引への伝統的アプローチ、つまり、契約書のサイン、品物の購入、作業の遂行といった行為がなされた「●●」でしか、利益を提供しないというやり方よりも、うまくいくことは「◆◆」にある。
   < p228, p229 >

4. ある実験では、オランダの住民が長期にわたる調査への参加を手紙で依頼されたが、参加を決める前に「〇〇」が届いた場合には、調査に参加すると「〇〇」が出ると言われた場合よりも、「◇◇」に同意する人がずっと多くなった。アメリカのあるホテルの宿泊客を対象にした同様の実験では、部屋にタオルの再利用を求めるカードが置かれた。カードは二種類あり、一つには、ホテルがある環境保護団体への「△△」を宿泊客の「●●」ですでに行ったと書かれてあり、もう一つには、宿泊客がタオルの再利用をしてくれた場合に、宿泊客の「●●」で「△△」を行うと書かれていた。結果を比べてみると、すでに「●●」したと書いてあるカードのほうが、これから「●●」すると書いてあるカードより、47パーセントも高い効果を上げていた。
   < p229 >

5. とはいえ、合意に基づいた「〇〇」という伝統的な保障なしで先に援助を差し出すことは、ときに「〇〇」を伴う。「◇◇」が釣り合いのとれたものになるとは限らないし、何も戻ってこないかもしれない。人によっては、頼んでもいないものをもらって「△△」に感じたり、もらったものを「●●」と思わなかったりすることもあるからだ。また、相手は返報性のルールに強制力を感じない人（いわゆる「たかり屋」）かもしれない。となると、当然最初の贈り物や親切に備わっていれば高いレベルの「◇◇」が戻ってくる見込みが大きく高まる、具体的な特徴というものは何かないのか尋ねたくなる。そうした効果を持つ主な特徴は三つある。別の言い方をすれば、「◇◇」を最適化するには、最初に与えるものが受け手に、「◆◆」で「▲▲」性があり、「××」だと感じられなくてはならないのだ。
   < p229, p230 >

6. 最適化を促す三つの特徴のうち二つは、レストランのチップの額に影響することがわかっている。ウェイトレスがカゴに入ったチョコレートをテーブルまで運び、一人に一つずつ配った。この場合、ウェイトレスへのチップは、チョコレートを配らなかった場合より3.3パーセント増加した。しかし、渡すチョコレートを「〇〇」にした場合、チップの額は14.1パーセントも上昇した。どうすればこの劇的な差を説明できるだろうか。一つには、「〇〇」目のチョコレートが表していたのは、贈り物の規模が「◇◇」に増加した（「△△」になった）ということだった。明らかにここでいう「◇◇」は、「●●」と同じ意味ではない。「〇〇」目のチョコレートにかかった費用はほんの数セントだ。値の張る贈り物がしばしば「◇◇」になるものとなるにせよ、値段の高さは「◆◆」ではない。
   < p230 >

7. もちろん、チョコレートを二つ受け取ることは、数が「〇〇」になっただけでなく、一つもらったときよりも「◇◇」がある。ウェイトレスがさらに第三の方法を試したときに、贈り物の「◇◇」が持つ明確な影響が明らかになった。今度はチョコレートを一つずつカゴから客に渡し、いったんテーブルを離れた後、「△△」にそのテーブルに戻ってきて、客に二つ目のチョコレートを渡したみた。その結果、チップの平均額が21.3パーセントも上昇したのだ。これらの発見には、レストランの従業員たちがチップを増やす以上の教訓がある。いろいろな場面で「●●」をする際には、相手から見て「◆◆」で「◇◇」があるような恩恵を最初に提供しておくと、その相手から高いレベルの「▲▲」を得られる見込みが高まるのだ。
   < p230, p231 >

8. 最初の親切が、受け手の「〇〇」性や「◇◇」、「△△」に合わせて作られたものである場合、その効果には梃子の力が加わる。客は店に入ったときに挨拶を受け、二種類のプレゼント（値段はまったく同じ）のどちらかを渡された。プレゼントが食べ物と「●●」のないもの（キーチェーン）だった場合、客が店で使った金額は、挨拶をされただけでプレゼントをもらわなかった客より12パーセント高くなった。だが、プレゼントが食べ物と「●●」のあるもの（カップに入ったヨーグルト）立った場合、使った金額は24パーセントも上昇した。客が店に来たのは「◆◆」だったからだ。最初にプレゼントされた食べ物は、ただ返報性のルールを発動させただけでなく、そのさらに「▲▲」バージョン（切実な「〇〇」を満たす贈り物を受け取ったときには。とくに強く「××」への義務を感じるべきである）をも、発動させていたのだ。
   < p232 >

9. もし贈り物やサービスに、「〇〇」性、「◇◇」性、「△△」性という三つの特徴すべてが組み込まれていれば、恐るべき力を発揮して変更を促すだろう。彼が糖尿病を患っていることを知ったとき、取調官たちはアル＝バフリのために「〇〇」で「◇◇」性のある、「△△」なことを行った。次の取り調べの際、お茶請けとして「●●」を用意したのだ。取調官の一人によれば、それが重要な転機になった。中央情報局（CIA）の工作員は、ある部族長が部族をまとめる義務と、年下の四人の妻を含む自分の家族に対する務めとで、疲れ果てていることに気づいた。そこで、次の訪問のときには、完璧に最適な贈り物を用意して出かけていった。妻一人につき一錠 ずつ、しめて四錠の「◆◆」だ。この「〇〇」で「◇◇」性のある、「△△」に用意された親切の「効能」は、その次の訪問のときにはっきり現れた。
   < p232, p234 >

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　　豊川 ひろこ

第10章　変化に至る六本の主要道路―― 好意

1. 「販売員の鉄則その１は、顧客から好かれるようになることだ。」これが大事なのは、人は好きな相手には「〇〇」と言うからだと私たち受講者たちは教わったが、それは至極当然のことだったので、私は一度も興味を持って聞くことができなかった。逆に興味を持ったのは、顧客から好かれるための「◇◇」で行うよう教えられた内容だった。よく言われたのは、「△△」良くすること、「●●」的に見せること、「◆◆」が取れるようになることだった。ですが、その中で私がもっとも注目したのは、好意的な感情を生む二つの具体的な手法だった。それは、「▲▲」と「××」だ。
   < p235 >

2. 人は自分と「〇〇」人を好む。これは、人間としての経験のほぼ最初から組み込まれている傾向だ。たとえば幼児は、自分と同じような表情をする人に対して、他の大人よりも多く微笑む。この「◇◇」感は、たいしたことではないような「△△」からもたらされることもあるが、それでも大きな効果を生み出す。「●●」（会話で使われる「◆◆」や「▲▲」の種類）の「△△」は、恋愛に関する魅力、関係の安定性、そして、いささか驚くことに、敵対的な交渉が平和裏にまとまる見込みを上昇させる。さらに重要なのは、たいていの場合、会話の当事者たちがこうした「●●」の重なりに「××」にもかかわらず、その影響が生じるということだ。
   < p235 >

3. この基本的な傾向の結果は、援助の意志決定を行う際にはっきりと現れる。突発的な災難に見舞われた人が自分と同じ「〇〇」だったり、同じ「◇◇」を応援しているだけでも、その人に助けの手を差し伸べる気持ちが著しく強まる。この傾向は教育の場面にも顔を出す。青少年育成プログラムの成功に最も大きな役割を果たす要因は、プログラム開始時に生徒と指導者が持っている「△△」の「●●」だ。
   < p237 >

4. 「〇〇」が最も直接的な効果を「◇◇」に及ぼすように思われるのは、ビジネスの場面だ。客の「△△」を真似するよう指導されたウェイトレスは、チップの金額が二倍になった。相手と「●●」をするよう指導された交渉は、結果が目に見えて良くなった。顧客の「●●」と非「●●」（「◆◆や▲▲」）を真似した販売員は、勧めたオーディオ製品を買ってもらえる確率が高まった。
   < p237 >

5. 「素敵な「〇〇」だけで二ヶ月は生きられる」とマーク･トウェインは言った。これは適切なたとえで、「〇〇」は私たちの感情面を養い、「◇◇」づける。また「〇〇」を言われると、それを言ってくれた相手を「△△」になり、「●●」を図ろうという気になる。そしてこれは、「〇〇」の内容が「◆◆」に関することであれ、趣味、性格、仕事の習慣、知性に関することであれ、当てはまる。「◆◆」の例として、ヘアサロンで美容師が客に、「▲▲」と「〇〇」を言ったときに何が起きたか見てみましょう。美容師へのチップは、37パーセントも増加した。
   < p237 >

6. 実際、私たちは「〇〇」にひどく弱いので、「◇◇」な「△△」がありそうに思われるときでさえ影響される。中国の大学生を対象にした研究では、ある洋品店から「ご連絡を差し上げたのは、あなたがファッショナブルでスタイリッシュだからです」という文面が「●●」チラシを受け取った場合、その店に対する肯定的な考えが生まれ、その結果、そこで買い物をしたいと考える人が増えた。別の研究では、コンピューターでの作業後、コンピューターから作業に対する「〇〇」たっぷりのフィードバックを受け取った人は、そのコンピューターに対する好感度が高まった。じつは彼らには、そのフィードバックがコンピューターに「◆◆」で、実際の作業の「▲▲」とは何の関係もないと告げていた。にもかかわらず、このむなしい褒め言葉を受け取った後は、作業の「▲▲」に対する満足度がより大きくなった。
   < p237, p238 >

7. 「〇〇」と「◇◇」によって、人々はあなたを好きになる。そして、いったんあなたに「△△」を持っていることに気づけば、あなたと取引したくなる。この手の「●●」プロセスがある程度働いているのは間違いないにせよ、それとは別にもっと影響力のある「●●」のメカニズムが作用していると、私は確信している。「〇〇」と「◇◇」によって、人々はあなたが「▲▲」に「△△」を持っていると感じるようになる。そして、いったんそれに「▲▲」が気づくようになれば、「▲▲」はあなたと取引をしたくなるのだ。というのは、「××」のことを好きな相手なら、「××」を正しく進ませようとしてくれるはずだと、人は信じているからだ。
   < p238, p239 >

8. というわけで、私の考える販売員の鉄則は、顧客に「〇〇」が「◇◇」を本当に「△△」であることを「●●」べし、となる。この論理にぴったり合致する格言がある。「あなたがどのくらい物知りなのかを人々が「◆◆」は、あなたが彼らをどれくらい「▲▲」かがわかってからである。」
   < p239 >

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　　豊川 ひろこ

第10章　変化に至る六本の主要道路―― 社会的証明

1. この一人だけの議論に見られるレノンの信頼は、社会的証明の原理に突出した力があることの証左だ。その原理は、「人は他人、とりわけ自分と「〇〇」人々が「◇◇」「△△」「●●」することを、同じ程度、「◇◇」「△△」「●●」するのは「◆◆」だと考える」と主張する。そして、その「◆◆」さの判断を構成する二つの要素、すなわち「▲▲」と「××」を使えば、変化を後押しすることができる。
   < p239 >

2. 「〇〇」たちが大勢、あることに対して特定のやり方で反応しているという情報を知ると、その反応はより「◇◇」なもの、つまり「△△」的にも「●●」的にも、自分に「◆◆」に思えてくる。「△△」的な面に関して言えば、ある行為が頻繁に行われるようになっていきているという証拠を目にすると、その証拠によって、その行為の「△△」的正しさに対する評価が高まる。
   < p240 >

3. ある研究では、情報を得るために軍が行う拷問を、仲間の「〇〇」が支持していると知った後では、集団の80パーセントが、それまでよりも拷問を受け入れられるものと考えるようになり、公の場で拷問に対するより強い支持を表明し、そして「◇◇」的な場ではさらに露骨な支持を表明するようになった。幸い、他の人々の「△△」は、望ましくなさそうなことを受け入れやすくするだけでなく、「●●」行動に対しても、同じ効果をもたらすことができる。専門職の人たちは、「〇〇」の人々が内なる「◆◆」を乗り越えようと努力していると聞かされると、自分の仕事に関連した行動における女性への「◆◆」に、より強い「▲▲」を示すようになった。
   < p240 >

4. 道徳的正しさを明確にするのに加えて、社会的証明は「〇〇」的な正しさに関する「◇◇」性も減らす。いつもではないが、人々は概ね、さまざまな行為に対して正しい見識を持っているので、ある活動の盛り上がりはその活動の「△△」さを表している。その結果、私たちはたいてい、周囲にいる「●●」の導きに従っている。レストランの支配人であれば、費用をかけて食材を高級なものにしたり、調理場に新しい料理人を雇い入れたり、華麗な文字の説明の入った厳選メニューを作ったりしなくても、特定の料理への「◆◆」を高めることができる。ただその料理に「▲▲」とラベルをつけるだけで良いのだ。このまったく誠実でありながらめったに使われない戦略が、北京の何軒かのレストランで試されたとき、料理の売り上げは13パーセントから20パーセント増加した。
   < p240, p241 >

5. 果物を食べる健康上のメリットについて、大量の栄養学的情報をまとめ、それを生徒に伝えるためのコストをかけるよりも、生徒たちの考えとは違って、「〇〇」の「◇◇」が健康のために果物を「△△」に食べているとはっきり伝えれば、生徒たちの果物摂取量を増やすことができる。このような情報により、オランダの高校では果物の消費量が35パーセント上昇した。
   < p241 >

6. 多くの政府がかなりの資力を費やして、空気や水を汚染させている企業への規制、監視、制裁を行っている。こうした支出はしばしば、違反者の一部に対しては無駄遣いになっているようだ。しかし一部の国では、社会的証明というエンジンを点火することによって働く、費用対効果の高いプログラムが開発されている。そのプログラムでは、最初に、ある業界で汚染物質を出している企業各社の環境パフォーマンスを「〇〇」し、その結果を公表する。これによって業界の全企業が、業界内の自社の「◇◇」的な「△△」を理解できるようになる。業界全体で見た改善具合は劇的だった。30パーセント上昇したのだ。そのほとんどが、比較的「●●」度の高い企業の変化によるものだった。そうした企業は、「◆◆」と比べて自分たちがどれほどひどいかを自覚したのだ。
   < p241, p243 >

7. 四種類のメッセージのうち三種類には、省エネに取り組む理由としてよく挙げられる理由が書かれていた、残る一種類のカードは「〇〇」を盛り込んだ内容で、「◇◇」で暮らしている他の人たちの「△△」が家庭での省エネに取り組んでいると、述べてあった。調査期間の最後にエネルギー消費量の記録を取ると、「〇〇」を使ったメッセージがそれ以外のメッセージと比べて、3.5倍もの省エネを生み出したことがわかった。これほど大きな差が生まれるとは、私も、同僚の研究者たちも、実験に協力してくれた人たちも、誰も予想していなかった。それどころか、実験に参加した住民たちは、「〇〇」を使ったメッセージが最も「●●」と予想していた。
   < p243, p244 >

8. 「ちょっと待ってください。近所の人たちが省エネに取り組んでいると伝えるほうが、電気代を大幅に節約できると言うより三倍も効果的だなんて話を信じろとおっしゃるんですか」。この当然の疑問に対する返答はいろいろ考えられるが、これを使えばほぼうまく説明できるというものが一つある。それは、「〇〇」と同様に社会的証明の情報を非常によく機能させる第二の理由、すなわち「◇◇」性だ。省エネをすれば多くのお金を節約することも「△△」と伝えた場合、その言葉は、間違いなくそれが「◇◇」であるという意味にはなっていない。たとえば、家の電気を一ヶ月間すべて切ったままにして真っ暗な床の上に丸まっていれば,翌月の電気代をゼロに「△△」わけだが、合理的に考えてそんなことをしようとは思わない。
   < p244 >

9. 社会的証明の情報が持つ大きな強みは、「〇〇」可能性の「◇◇」という問題を打ち破れることだ。自分と「△△」他の「●●」が省エネに取り組んでいると知れば、その「◆◆」可能性に対する「▲▲」はほとんどなくなる。絵空事ではないように見えてくるので、その結果、「◆◆」できるように思われてくるのだ。
   < p244 >

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　　豊川 ひろこ

第10章　変化に至る六本の主要道路―― 権威

1. ほとんどの人にとって、メッセージに説得力を持たせるやり方は、その「〇〇」を良くすること、つまり、しっかりとした「◇◇」、理にかなった「△△」、適切な「●●」、明確な「◆◆」性が備わっていることだ。この考え（「▲▲がメッセージである」）は確かにある程度まで正しいのだが、「〇〇」以外の要素も場合によっては同様に「××」だと、一部の研究者は主張している。
   < p244, p245 >

2. これらの主張で最も有名なものが、コミュニケーション理論の大家であるマーシャル・マクルーハンの言葉、「〇〇はメッセージである」（情報発信の「◇◇」はそれ自体が「△△」なメッセージを形成し、受け手がメッセージの内容をどう「●●」するかに影響を与えるという考え方）だ。それに加えて、「◆◆」の科学の研究者たちが「◆◆」力のある裏付けを提示してきた、第三の主張もある。それは、「「▲▲」はメッセージである」というものだ。
   < p245 >

3. メッセージの「〇〇」のタイプは、前向き、真面目、ユーモラス、親身、穏やか、辛辣など、さまざまですが、受け手に深く広範な影響を与えられるために、特に注意を向ける価値のあるタイプが一つある。それは、「◇◇」を持っている「〇〇」だ。あるテーマについて正真正銘の「△△」が話すと、人々はほとんどいつも「●●」する。実際、情報源がその道の「◇◇」だというだけで、情報に「◆◆」が備わることもしばしばだ、これがとりわけ顕著になるのは、何をすべきかの「▲▲」がメッセージの受け手にないときだ。
   < p245 >

4. 実験参加者が自分で選択を行ったとき、選択肢を「〇〇」することと関連した脳の部位の関連活動が急増した。だが、決断を下す際に（有名大学の経済学者から）専門的なアドバイスを受けたときにはいつも、参加者はそのアドバイスに「◇◇」だけでなく、その選択肢に備わるメリットについて「△△」さえしなかった。「〇〇」を行う脳の部位の関連活動は、「●●」になっていたのだ。注目すべきは。脳の全領域がこのように影響されたわけではないという点だ。他者の「◆◆」を理解することと関連した部位は、専門家のアドバイスによって活性化した。つまり、メッセージの「▲▲」が、注目を受けるメッセージになっていたのだ。
   < p245, p246 >

5. この例から明らかなように、私たちがここで関心を向けている「〇〇」というのは、必ずしも「◇◇」を持っている人物というわけではなく、「△△」の「〇〇」であるために、その認められている「●●」にものを言わせて、「◆◆」を引き出せる人物だ。さらに、後者に属する人々のなかには、信用できる「〇〇」という、とりわけ生産性の高いタイプの人たちがいる。信用できる「〇〇」には、非常に「▲▲」力のある性質が二つ備わっている。「●●」と「××」だ。最初の性質が持つ効果はすでに検討した。ここからは二つ目の性質に注目していく。
   < p246 >

6. ある提案やアイデアの非常に都合の良い特徴をすべて最初のうちに紹介し、短所は残らずプレゼンテーションの最後になるまで（あるいは最後になっても）触れずに済ませたいと思うのが人情だろうが、そうした傾向に屈するのではなく、むしろメッセージを伝える際の「〇〇」段階で「◇◇」に言及すれば、「△△」だと見られる度合いが「●●」に高くなる。この順序で話す利点は、すでに「◆◆」できると見られているため、主な長所について話を進めたときに、受け手が「▲▲」やすくなることだ。そうなるのは、その長所が「◆◆」できる情報源、つまり肯定的側面だけでなく「××」的側面に触れるのも厭わないことで、（下準備的に）「△△」だという評価を獲得した人物によって語られているからだ。
   < p247 >

7. この手法の有効性は、次のような場面で確認されている。①法的場面（弁護士が自分に「〇〇」な点を、訴訟の相手側弁護士から「◇◇」に認めると、「△△」できると見なされやすくなり、勝訴率が増す）。②政治的なキャンペーン（最初に対立候補について何か「●●」的な発言をした候補者は、有権者からの「◆◆」度が高まり、投票を考えてもらえる見込みが増す）。③広告のメッセージ（製品やサービスの「▲▲」を打ち明けてから「××」を強調すると、しばしば売り上げが大きく伸びる）。
   < p247, p248 >

8. この戦略が特に功を奏するのは、受け手がすでにその「〇〇」に「◇◇」場合だ。そうした場合に、メッセージの送り手がその「〇〇」に言及しても、追加されるダメージはほとんどない。新しい情報は、メッセージの送り手が「△△」な人間であるという大切な新情報を除けば、何もないからだ。さらに語り手の「●●」性が高まるのは、「〇〇」を認めた後で、けれども、だが、しかしなど、話の「◆◆」を変える言葉を使って、受け手の「▲▲」を「〇〇」からそれを相殺する「××」へと向け直した場合だ。採用面接の場面でお勧めなのは、「私にこの分野の経験はありません。でも、教わったことの覚えは早いほうです」と言うことだ。情報システムの販売員なら、「弊社の導入コストは業界最安値ではありません。けれども、効率性に秀でたシステムなので、そのぶんの出費はすぐ帳消しにできます」と言うことが考えられる。
   < p248 >

9. 「私の女の身体はか弱く貧弱である。「〇〇」、私は王にふさわしい心持っている、イングランドの王にふさわしい心を！」「そして、私より賢明な君主がこの椅子に座ることは、これまでたくさんあったでしょうし、これからもたくさんあるでしょう。「◇◇」、私よりもあなたがたのことを深く愛する王は、これまでもいませんでしたし、今後も決して現れません」。見落とさないでほしいのは、女王が使ったつなぎの言葉、「〇〇」と「◇◇」が、「△△」されていた短所からその「△△」を「●●」ような長所へと、聴衆の「◆◆」を向け直したことだ。この手法が最も効果的なのは、長所と短所の一覧に、その長所が肯定的な要素をただ付け加えるのではなく、短所との「▲▲」性に意義を唱えているときだ。最初に短所に触れるという手法から最大限の効果を引き出すためには、ただ、その後の主張の信頼性を前もって構築することだけなく、後の主張によってそれを「××」も考えて、取り上げる短所を選ぶべきであると女王は理解していた。
   < p248, p249, p250 >

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　　豊川 ひろこ

第10章　変化に至る六本の主要道路―― 希少性

1. 「〇〇」にくいものは、それだけ「◇◇」。たとえば、欲しい品物への「△△」が何らかの方法で「●●」されているとき、人はそのせいでいささか正気を失ってということがわかっている。洋菓子チェーンの「クラムス」が2014年に全店閉鎖の告知を出した後、ネット上では名物のカップケーキ（一個4ドル前後）に、最高で一個250ドルの値がついた。
   < p250 >

2. 希少性が「〇〇」を駆り立てる理由はいくつかあるが、価値のある何かを「◇◇」ことへの強い「△△」は、主な要因な一つだ。結局のところ、「●●」とは希少性の究極のかたちであり、価値のある「◆◆」や「▲▲」が利用できなくなってしまうことだからだ。私が参加した金融業界のある集まりでは、大手証券会社のCEOが、かつての師匠の教えを説明することで、「●●」の持つ動機づけの力について次のように言っていた。「億万長者を午前5時に叩き起こして、『今動けば二万ドル儲かります』などと言ったら、どやしつかれて電話を叩き切られるのがオチでしょう。しかし、『今動かないと二万ドル「××」』と言えば、感謝されるはずです」。
   < p251 >

3. 一方で、ある品の希少性が引き上げるのは、「〇〇」の可能性ばかりではない。その品の「◇◇」的な「△△」も引き上げるのだ。自動車メーカーが新型モデルの「●●」を制限すれば、潜在顧客の間で、その車の「△△」が高まる。
   < p251, p252 >

4. ある大手食料雑貨チェーンで、ある商品に「〇〇」を設ける販促をかけたところ、「〇〇」を設けなかった同じ商品の販促方法と比較して、七品目で売り上げが「◇◇」以上になった。追跡研究の結果、その理由が判明した。利用する「△△」に何か制限がかかっていたときには、提供されるものの「●●」が顧客のなかで高まっていたのだ。
   < p252 >

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　　豊川 ひろこ

第10章　変化に至る六本の主要道路―― 一貫性

1. 通常、私たちはこれまでの「〇〇」、すなわち「◇◇」の発言、態度表明、行った行為、と「△△」していたい（あるいは「△△」しているように見られたい）と考えるものだ。だから、メッセージを伝える側が、特定の考えや団体を「●●」するような「◆◆」的ステップを私たちに踏ませることができれば、たとえそれが小さなものであっても、その後、最初のものと「▲▲」するもっと大きなステップを踏むよう求めたとき、私たちがそれに「××」見込みは高まることになる。「△△」性への欲求がそれを促すからだ。言動の「△△」性を保ちたいという強い欲求が、影響力を行使する道具として利用される状況はたくさんある。
   < p252 >

2. 心理学者は、恋愛関係における「〇〇」は大喧嘩のもとであり、しばしば、怒り、苦痛、そして関係の終焉を引き起こすと警告している。幸いなことに、研究者たちはこうした致命的展開の発生を防ぎやすくする「◇◇」的行為も特定している。それは、「△△」だ。といっても、「△△」一般のことではなく、特定の「△△」方が必要だ。もし恋愛関係にある人が、「●●」を毎日一定の時間祈ることに同意すれば、その人はその習慣を続けている間、「◆◆」をしにくくなる。「◆◆」などの行為は、「●●」に対して毎日能動的に行っているコミットメントと「▲▲」するからだ。
   < p252, p253 >

3. それまでの（〇〇的な）言動との間に「◇◇」を保とうとする、万人共通の傾向の利用価値を、影響力の使い手たちは頻繁に発見している。自動車保険会社は末尾ではなく「△△」で、走行距離を「●●」に申告する「◆◆」を保険加入者に行わせれば、走行距離のごまかし件数を減らすことができる。政党が今回の選挙で支持者の投票率を上げたければ、「▲▲」の選挙で「××」ようにお膳立てするのが良いだろう。
   < p253 >

4. 各ブランドは、顧客がそのブランドを友人に「〇〇」ようにもっていければ、その顧客の「◇◇」を高めることができる。会議やイベントに出席する可能性を高めたければ、主催団体は出席確認の最後に言う言葉を、「お名前を出席者名簿に載せておきます。どうもありがとうございました」から、「お名前を出席者名簿に「△△」、「●●」、ありがとうございました」に変えるとよいだろう。ある血液事業団体で、このささやかな「◆◆」が生じるように言い方を変えたところ、献血運動のドナー候補たちが会場にやって来る割合が、70パーセントから82.4パーセントに上昇した。
   < p253 >

5. ときには、相手に新しい「〇〇」を何一つさせることなく、一貫性の原理の力を活用できる場合もある。また、相手が以前行った、こちらの目標と「◇◇」する「〇〇」を「△△」だけでよい場合もある。キャンペーンのメディア展開では、徹底してそうしたアプローチが取られ、ケネディがこれまで判決理由に「●●」一連の概念、さらには「◆◆」が利用されてきた。その狙いは、二つの訴訟でのそれまでの彼の「▲▲」が、結婚の平等を「××」する立場と結びついていると、ケネディに認識させることにあった。裁判が始めると、このねらいはますますはっきりと打ち出された。弁護団の面々は法廷での論争を、やはりケネディに紐付けされた言葉とテーマから繰り返し展開させていったのだ。ケネディの書いた意見のなかで、彼が大いに依拠していたのは尊厳、自由、権利という概念だった。それらはすべて、弁護団が裁判の始まる前そして裁判の最中に、結婚の平等に関するケネディの思考のなかで優先的な地位を与えようと苦心していた概念だ。
   < p253, p254, p255 >

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第10章　変化に至る六本の主要道路―― 普遍的な影響力の原理について他に言えることは？

1. 社会的影響力の六つの原理を、ビジネス系の聴衆に紹介した後で、よく出る質問が二つある。一つ目は「〇〇」なタイミングという問題と関連しており、「六つの原理は、取引関係の「◇◇」ごとに、より効果を発揮するものが変わるのか」というものだ。もちろん、影響力を行使したいと思う人なら誰でも、相手に変化をもたらしたいものだが、社会的影響力の主要動機モデルによれば、相手との「△△」の「◇◇」次第で、用いるのに「〇〇」な影響力の原理が変化する。
   < p256 >

2. 最初の段階での目標は、「〇〇」を育むことだ。なぜなら人は、メッセージの「◇◇」を好ましく思うと、メッセージ「△△」をより好ましく思うようになるからだ。
   < p256 >

3. この課題に対しては、二つの影響力の原理、「〇〇」と「◇◇」がとりわけふさわしいと考えられる。最初に（「△△」で「●●」性のある、「◆◆」に用意されたものを）与え、嘘偽りのない「▲▲」を強調し、心からの「××」を贈ることで、お互いの感情的な親密さが打ち立てられ、その後のすべての取り引きがやりやすくなる。
   < p256 >

4. 第二段階では、「〇〇」性の「◇◇」が優先課題になる。相手と良い関係にあれば、それだけで「△△」がうまくいくというわけではない。変化に前向きになる前に、人はどんな決定を下すにせよ、それが「●●」な「◆◆」だと確認したいものだ。
   < p256 >

5. このような状況に最も適切なのは、「〇〇」の原理と「◇◇」の原理だ。ある選択肢が「△△」や「●●」から好評であるという証拠を提示すれば、それが「◆◆」な選択であるという「▲▲」が大きく高まる。だが、良い関係が育まれ、「××」性が軽減された後にも、やるべきことはまだ残っている。
   < p256 >

6. 第三の段階では、「〇〇」への「◇◇」が主な目標だ。たとえば、非常に好感の持てる友人から、毎日身体を動かすのは健康にも良いと専門家が勧めている（そして、知り合いのほとんど誰もが、それを信じている）、という証拠をたっぷりと示されたとしても、それだけでは毎日身体を動かす気にはなれない人がいるとする。そんな場合、話のなかに「△△」の原理と「●●」の原理を盛り込んで、その人が以前、自分の健康の重要性と、もしそれを「◆◆」としたら味わえなくなるかけがえのない喜びについて、「▲▲」で行った発言を「××」が良いだろう。そういうメッセージが作れれば、その人が朝起きてすぐジムに出かける見込みが最も高くなるはずだ。
   < p256, p257 >

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注釈：第10章

1. もちろん、メッセージを発する前に下準備的オープナーを用いて相手の「〇〇」を権威の概念に向けさせるときには、そのメッセージの中で提示すべき強固な証拠がなくてはならない。多くの研究が示しているように、専門知識を含むどんな形式の証拠であれ、そこに特別な「〇〇」を引くことが賢いやり方であるのは、その証拠に強い「◇◇」力があるときだけである。「◇◇」力が不充分な証拠に「△△」させる作戦はうまくいかないし、逆効果になりかねない。このパターンは、影響力の主要原理六つのうち、権威ではなく、一貫性の原理に反応する傾向を評価した研究でも見られた。この研究で明らかになったことの一つ目は、当然と言えば当然の話だが、一貫性が自分にとって「△△」な傾向であるというしっかりとした「●●」的証拠があると感じている人には、概して、そうした証拠があまりないと感じている人よりも、実際に強い一貫性を示すということだった。だが明らかになったことの二つ目は、より興味深いものだった。下準備的（プリ・スエージョン）的オープナーを用いて一貫性の概念を「◆◆」と、一貫性を強く好む人はさらに反応に一貫性が出るのに対し、一貫性を好まない人は、ますます一貫性が「▲▲」のである。
   < p397, p398 >

2. 無料サンプルが大きな効果を持つ理由の一つが、客に機会を与えて、「〇〇」を試させていることにあるのは間違いない。一方、ある研究が指摘しているのは、「◇◇」的な要素が果たす重要な役割である。その研究では、サンプルになった商品を購入する見込みが最も高いのは、その状況の情報的側面や喜びの側面ではなく、「△△」的側面を強く意識した人たちだったことが明らかになっている。また、店に来た客に、ある商品を試す機会を与えるだけではなく、その商品の「●●」を「◆◆」なく渡しただけのときでさえ、客が店で使う「▲▲」が大きく跳ね上がる。
   < p398 >

3. さらに注目すべきこととして、返報性と関係する諸要素が作るファミリーのなかには、「〇〇」感と同じように活発で、しかももっとかわいらしい妹がいる。それは、「◇◇」である。「◇◇」もお返しをしたい気持ちを刺激するが、その理由は行為の受け手が送り手に対して「△△」を感じるためというよりも、送り手の行為を非常に「●●」思うためである。どちらの感情も確実に肯定的なお返しを促すが、「◇◇」は「◆◆」の開始や維持だけでなく、その「▲▲」とも関係しているようである。
   < p399 >

4. 褒めてくれる相手は自分のことが好きである、と考える理由を理解するのは難しくない。少しわかりにくいのは、自分との「〇〇」を示してきた相手は、自分のことを好きなのだろうと考える理由である。だが、証拠がはっきり示しているように、それこそが実際に起きていることである。自分と「◇◇」他人は自分のことが好きなはずだという「△△」こそ、私たちが彼らに対して非常に強い「●●」を持つ理由を説明するものなのだ。たとえば友人など、自分を「◆◆」思ってくれる相手なら「▲▲」助言をくれるはずだという期待を裏づける証拠も参照。
   < p401, p402 >

5. 余談だが、「〇〇」性の認識に社会的証明が与える影響は、インターネット・オークションの出品者が抱える「◇◇は高く設定すべきか、低く設定すべきか」という疑問に、はっきりとした答えを出している。分析の示すところによると、「◇◇」を低めに設定したほうが落札価格は高くなる。理由の一つは、「◇◇」を低く設定すると、値ごろ感のあるものすべてに気を配っている入札者たちを多く呼び込み、「△△」的な「◇◇」のためではなく、品物が元々もっている「●●」のため入札数が多いのだ、という「◆◆」が生まれることである。基本的に、入札者たちは社会的証明の論理を適用し、こう考えるのだ。「おっ、こんなに入札数が多いなら、「▲▲」に違いないぞ」。
   < p402 >

6. この研究では、環境に関する行動という分野で社会的証明がどう働くかを調べたが、同様のプロセスは他の分野でも見られ、そのときも「〇〇」性が一つの要因になっている。たとえば、健康的な活動に取り組むかどうかに関する最も大きな決定要因の一つは、それが「◇◇」に見える度合いである。また、「△△」を用いると、ある個人にとって、その活動がどれくらい「●●」に感じられるかを求めやすくなる。
   < p402 >

7. 裁判の場面において、「〇〇」を先に明かすという戦術が有効であることは、繰り返し実証されている。同様の戦術は、企業が自社に関する「◇◇」情報を開示するときにも有効であることが立証されている。まず「〇〇」を認め、その後それを打ち消す「△△」を示すという広告で初めて大きな成功を収めたのは、広告会社のドイル･ディーン･バーンバックだった。同社制作の広告には、フォルクワーゲン・ビートルの広告「カッコ悪いのは見た目だけ」「カッコ悪いです。でも、あなたをあそこに運びます」、そして広告の常識を変えたエイビス・レンタカーの「私たちはナンバー・ツーです。でも奮闘努力しています」キャンペーンなどがある。ドミノ・ピザは2009年に「残酷なまでに正直になる」キャンペーンで、昔はまずかったと認めた後、「●●」がうなぎのぼりになり、「◆◆」も急上昇した。「△△」を「〇〇」の後で伝えるときには、それが「▲▲」的に「〇〇」を「××」にしていると効果が最大になる、ということの説得的な裏づけは、各文献を参照。
   < p403, p404 >

8. 何かを「〇〇」ことへの強い「◇◇」以外にも、希少性の高い物を手に入れたくなる理由がある。たとえば、「△△」品物にはより高い「●●」的価値があると「◆◆」的に考える。さらに、ある品物を「▲▲」する「××」が、その品の希少性によって制限されるのを嫌うので、「▲▲」の「××」を回復するためにその品を選ぶのだ。
   < p404 >

9. 幸いにも、科学的な研究によって、以前行った「〇〇」を「◇◇」させるだけで、それと一貫した将来の行動を充分に「△△」という、より大きな論点が実証されている。たとえば、オンライン調査の参加者に、これまでに行った援助体験を「◇◇」すよう求めると、地震被災者のための新たな基金へ寄付をする見込みが3.5倍上昇した。注目すべきことに、人はときとして援助のような「●●」的行動について考えを巡らせたり、そうした行動を実際にした後、それによって次の機会に「◆◆」的になる権利を手に入れたように感じることがある。「●●的お目こぼし」と呼ばれるこの現象は、通常の「〇〇」/一貫性効果に反している。現在までのところ非常に優れた証拠が示しているのは、「▲▲」的な「●●」性を生み出すのは、「●●」的行動の実行が本人の持つ「●●」的な人物という「××」を後押ししている場合、つまり、その人の「●●」的な行動の履歴を示すか、「●●」的「××」にとって重要な活動を伴うか、実行するのにかなりの負担を必要とする場合である。反対に、「●●」的お目こぼしが発生しやすくなるのは、たまたま行った「良い」行動が、「●●」性への「▲▲」的「〇〇」と関係しなかったり、「●●」的自己同一性の中核をなさなかったり、取りかかるのにそれほど犠牲を払わずに済んでしまった場合である。
   < p405, p406 >

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第11章 まとまりーその１：一緒に存在すること

1. クリスマスカードは等しく交換されていた。だから、「〇〇」ということに関して両家は貸し借りなしの状態だった。よくよく考えた結果、カードのやり取りを始めさせたのは「◇◇」のルールだったかもしれないにせよ、ハリントン家が、会ったことのない十八歳の少年を泊めてあげる気になったのは、その後十年にわたって両家が育んできた「△△」のためだったと気づいた。これによって私は、社会的「●●」に備わった、影響力の六つの原理とは別に存在する、「◆◆」を生み出すための力を認識した。「△△」は「▲▲」への「××」を強めるだけでなく、「××」自体を生み出しもするのだ。
   < p261 >

2. 存在する、あるいは認識されている「〇〇」のうち、仲間への「◇◇」的な扱いを最も引き出すのは、どんな種類のものなのだろうか。答えを出すのに必要となるのは、小さいながらも決定的な区別だ。他人を好ましく思うのに最も効果的な「〇〇」は、「おっ、あの人は自分たちと「△△」ぞ」といったものではない。「おっ、あの人は自分たちの「●●」だ」という関係だ。たとえば、私と「◆◆」した趣味嗜好は、兄弟姉妹よりも職場の同僚たちのほうがずっと多く持っているかもしれない。それでも、私がどちらを「●●」と見なし、どちらを自分と「△△」だけと見なすか、その結果、「▲▲」に手を差し伸べる見込みがより高いのはどちらかは、考えるまでもない。
   < p262 >

3. 一つの「〇〇」という体験は、単なる類似性に関するものではない。関係しているのは、共有された「◇◇」だ。それは、自分や自分の所属する集団を定義する際に使う分類上のカテゴリー、つまり人種、民族、国籍、家族、または政治的・宗教的所属といったものと関わっている。こうしたカテゴリーの重要な特徴は、構成員たちが、他の構成員たちと一体となって「△△」していると感じがちなことだ。このカテゴリーでは、所属する一成員の「●●」が、他の成員たちの「◆◆」に影響を及ぼす。ひとことで言えば、「▲▲」は共有された「××」なのだ。
   < p262 >

4. 多くの印象的な証拠が示しているのは、「〇〇」を土台とした集団では、自分と他者の「◇◇」が重なり合っているということだ。人はしばしば、自分と内集団の成員たちをきちんと「△△」できない。自分自身の「●●」を他の成員に対して過度に「◆◆」、以前、ある「●●」を自分と他の成員のどちらに特有のものと見なしたかを「▲▲」だったり、内集団の成員と自分とを分ける「●●」を挙げるのに、他のものよりもずっと「××」がかかったりする。
   < p263 >

5. こうしたことはすべて、自他の「〇〇」を表している。この「〇〇」については、神経科学が説明してくれる。「◇◇」という概念と「△△」という概念の心的表象は、どちらも脳内の同じ電気回路から生まれる。そのため、どちらかの概念が「●●」すると、同時に片方の概念も「●●」する場合があり、その結果、「◆◆」の「〇〇」が生じる。
   < p263 >

6. まだ神経科学的証拠が利用できなかったずっと前から、社会科学者たちは、自他の感覚の重なり具合の測定と、それを引き起こす原因の特定に取り組んでいた。その過程で、「〇〇」という感覚を生じさせる要因が二つ明らかになった。ある特定の仕方で「◇◇」に「△△」することと、ある特定の仕方で「◇◇」に「●●」することだ。どちらも検討に値するが、本章では最初のものを取り上げる。
   < p263, p264 >

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第11章 まとまりーその１：一緒に存在すること - 血縁関係

1. 遺伝子学的観点から言えば、同じ「〇〇」であることは、自他の「◇◇」の究極のかたちだ。実際、進化生物学の世界で広く受け入れられている「△△」という概念は、ある人物とその人物に関係した人たちとの区別をすっぱりと無効化し、各個人は自己の「●●」以上に、自分の「◆◆」のコピーを「●●」させようとすると主張している。
   < p264 >

2. ここから導かれるきわめて重要な結論は、自己の利益という場合の「〇〇」が、本人の肉体のほかに、共通する「◇◇」を大量に持つ誰かの皮膚の内側に存在している場合があるということだ。そのため、人々が特に「△△」する気になる相手は遺伝的に近い血縁であり、この傾向は「●●」に関わる決定をするときに、とりわけ顕著だ。脳撮像の研究から、直接的な要因が一つ特定されている。人は家族を「△△」した後、「◆◆」に関係する脳の部位に非常に強い「▲▲」が生じる。その強さときたら、家族を「△△」することで、自分を「△△」しているかのようだと言っても過言ではなく、しかもこの「▲▲」は、なんと「××」の脳でも生じるのだ！
   < p264, p265 >

3. ところで、特別な遺伝的つながりのまったくない人が、血縁関係の力を利用して「〇〇」を得られるようなやり方は、何かあるのだろうか。一つの可能性は、言葉を「◇◇」として使い、血縁の概念を私たちの「△△」に吹き込むことだ。たとえば、成員たちの間に「●●」という「△△」を生み出す共同体には、「◆◆」的な「◇◇」と名称、すなわち兄弟、姉妹愛、先祖、母国、遺産を用いるという特徴がある。こうすることで、「▲▲」のために自己の利益を「××」しようという気持ちを強めているのだ。
   < p266 >

4. 人間は「〇〇」を用いる生き物なので、こうした想像上の「◇◇」から、普通は強い相互関係のある血縁集団としか結びつかないレベルの「△△」が生まれるということを、ある国際的な研究チームが発見した。これは二つセットの研究で、スペイン人に同国人というつながりの持つ「●●」的な性質を思い出させたところ、「◆◆」感覚が生まれ、祖国スペインのために戦い、スペインのために死ぬという意欲が「▲▲」に、そして「××」的に高まったのだ。
   < p266 >

5. 説得力のある「〇〇」があることと、説得力のある「◇◇」を行うことは同じではない。この後者を、バフェットは毎年の業務報告書で必ず行っているのだ。たとえば、自分への「△△」を早い段階（たいていは報告書の１頁目か２頁目）で樹立するために、彼は前年に犯した「●●」や会社が直面した「◆◆」を説明し、それらが今後の業績にどう影響するかを検討する。「◆◆」を隠したり、矮小化したり、取り繕ったりするのではなく（これらは他社の年次報告書では、あまりに頻繁に行われているように思われる）、バフェットは、社内の諸「◆◆」を充分に「▲▲」していること、それを「××」する意思が充分にあることをはっきり示す。この手法には、その後バフェットがバークシャーハサウェイの並外れた強みを説明する際に、先に行った下準備（プリ・スエージョン）の効果で、その内容に対する「△△」がより深まるという利点がある。その情報を伝えているのが、「△△」できると認識された情報源だからだ。
   < p268 >

6. 「この警告とともに、私があなたにお伝えするのは、もし今日、家族からバークシャーの将来について尋ねられたら、私が彼らに答えるであろう内容です」。一つひとつの利点に関する議論の内容に「〇〇」があったのはもちろんだが、さらにバフェット氏は同じくらい「〇〇」に富む行為を「◇◇」として行っていたため、それを読んだ私が感じる「〇〇」はいっそう強まった。これから行う助言は「△△」に与えるものと同じであると、彼は主張した。それ以後私はただ一度も、バークシャーハサウェイの株を手放そうと真剣に考えたことはない。バフェットが「◇◇」の価値を認識している証かもしれないのが、報告書の本文1頁目の冒頭で、他の部分より先に、その話の「●●」を設定する特別書簡を読むよう、株主に勧めている点だ。
   < p270 >

7. もちろん（その議論の）「〇〇」がメッセージになる場合があるのも確かだ。だが同時に、効果的なコミュニケーションには、メッセージの根幹となりうる他の特徴も存在する。私たちはマーシャル・マクルーハンを通じて、「◇◇」がメッセージになることを学んだ。社会的証明の原理を通じて、「△△」がメッセージになることも学んだ。権威の原理を通じて、「●●」がメッセージになることも学んだ。そして今、「◆◆」という概念から、（自他の）「▲▲」がメッセージになることを学んだ。次に検討すべきは、ある状況に存在するとアイデンティティの「▲▲」が認識されやすくなる付加的な特徴は、直接的な「××」関係以外にどんなものがあるかという問題だ。
   < p272 >

8. 注目してほしいのは、こうした特徴を多くたどっていくと、それでもなお「〇〇」的感覚を強める「◇◇」に行き着くという点だ。当然ながら、他人の内側を覗いて、自分とその人がどれくらい「△△」を共有しているかを判断できる人はいない。そのため、進化論的に見て分別のある行動をとるには、他人に備わった特徴から見てとれる、「△△」的重なりを「●●」させる要素に頼るしかない。そうしたものなかで最もはっきりしているのは、身体的・性格的な特徴の「◆◆」だ。家族のなかでも、人がより援助の手を差し伸べるのは、自分と「▲▲」相手だ。
   < p272 >

9. 家族以外では、顔の「〇〇」が、他人との「◇◇」的つながりの度合いを（かなり正確に）判断するために使われる。しかし、この点については、騙されて見当違いのえこひいきをしてしまう場合もある。写真に写っている人物にデジタル加工を施して写真を見る人との「〇〇」を高めると、見る人がその人物に寄せる「△△」も著しく高まる。その「〇〇」を高めた写真に写っているのが選挙の候補者であれば、それを見た人は候補者に投票しよういう気持ちが強くなる。
   < p272 >

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第11章 まとまりーその１：一緒に存在すること - 場所

1. たいていの場合、信頼できる「〇〇」的「◇◇」を強調する「△△」はほかにもあり、それは身体的「●●」よりも物理的「◆◆」と関係している。その「△△」とは、相手が自分と同じ場所の「▲▲」であるという認識で、その認識が人間の「××」に及ぼす効果は非常に大きくなる場合がある。
   < p273 >

2. 人間も動物と同様に、成長段階を過ごす「〇〇」にいる相手に対しては、その相手が「◇◇」であるかのような反応をする。同系性へのこの合図は、ときに間違っていることもあるが、普通は正確に事実を反映している。たいていの場合、同じ「〇〇」に住んでいる人は「△△」だからだ。さらに言えば、同じ「〇〇」で一緒に暮らす「●●」が長くなればなるほど、それぞれの「△△」イメージに及ぼす影響も大きくなり、それに応じてお互いのために「◆◆」を払おうという気持ちも強まる。
   < p273 >

3. 一方で、ある関連要因があると、長い「〇〇」を一緒に過ごさなくても同じ結果が生まれる。自宅で、困っている「◇◇」の世話をする「△△」の姿を見た人は、「△△」が世話をしている人に対しても「●●」的な感情を感じるため、その人を「◆◆」しようという気持ちが強まる。このプロセスからは興味深い結論が得られる。さまざまに異なった人々を自宅に受け入れている「△△」の姿を見ている子どもは、大人になったとき、見知らぬ人を助ける見込みが他の人々よりも高くなるはずだ。その人にとって「▲▲」という意識は、自分の直接的、間接的な「●●」という範囲を超え、「××」という「●●」にも当てはまっているからだ。
   < p274, p275 >

4. これから親になる人が子どもの「〇〇」の気持ちを伸ばしたいと思っているのなら、杉原の経験から引き出せるアドバイスがある。お子さんには「◇◇」で、それぞれに「△△」の異なる「●●」な人と触れあわせましょう。そしてそのとき、そうした人たちを「◆◆」のように扱いましょう。
   < p279 >

5. 種としての人間は、「〇〇」的に関係のある個人が形成する、小さいながらも安定した「◇◇」から進化した。そのため、私たちは自分の家の「△△」にいる人々を好む傾向も、進化させてきた。この傾向を表す「主義」、すなわち「●●」さえある。「△△」から「◆◆」に至るさまざまなレベルで、この傾向がもたらす甚大な影響がしばしば見られる。コーエンの説明によれば、あるベテランの守衛がこの担当になって、いつもどおりに任務を遂行していたとき、どういうわけか普段と違うことをした。不運な十人目と思われた囚人の前まで来たときに、彼は眉を上げ、十一人目を射殺したのだ。彼はこう言ったのだ。「おれと同じ町に住んでたやつだって気がついたのさ」。大量殺人の実行中の冷酷な殺人者に、（特定の人物に対してだけ）「慈悲深く同情的」な行為を行わせるほど強力な要因を特定しておくのは重要なことだ。それは「▲▲」という「××」だった。
   < p280 >

6. ほとんどの場合において、ナチスの迫害の標的とされた人々に住む場所や食事を与えたり、かくまったりすることを選らんだ人たちは、「〇〇」からその人々を探し出して、彼らが必要とする支援を与えたわけではなかった。また、さらに注目すべきことに、たいていの場合、「◇◇」から直接そうした助けを求められたわけでもなかった。そうではなく、直接的に支援を頼んでくる相手として最も多かったのは、支援を行った人の「△△」や「●●」の人だった。となると、事実上、支援を行った人たちがイエスと言った相手は、困り果てている「◆◆」よりもむしろ、自分の「△△」や「●●」の人だったということになる。
   < p281 >

7. トロクメの並外れた物語にある教訓的な特徴は、最初の避難者の世話をどう手配したかではなく、その後に続いた多数の避難者たちの世話をどう手配したかという点にある。牧師が最初に支援を頼んだ相手は、その頼みを「〇〇」と後々困ったことになりそうな人たち、つまり「◇◇」や「△△」の人たちであり、その後、牧師はそうした人たちに、彼らの「◇◇」や「△△」の人に同じ働きかけをするよう強く求めたのだ。牧師が単なる同情心篤い英雄以上の存在になったのは、こうした既存の「●●」に、戦略的な梃子をかけたからだった。
   < p281 >

8. 大まかな「〇〇」が同じだというだけでも、「◇◇」意識が生じる場合がある。たとえば、世界中どこでも、スポーツチームが優勝すると、そのチームの「△△」住民たちの「●●」が、まるで優勝したのは住民たちであるかのように、くすぐられる。「△△」の州立大学が調査への参加依頼を行った場合は、市民の承諾率が高まった。また、アフガニスタンにおける戦死者に関するニュース記事を読んだときに、亡くなった兵士が自分の州の出身者だとわかると、記事を読んだ人のアフガン戦争に「◆◆」する気持ちが強まった。そして、時代を二世紀さかのぼった南北戦争当時、歩兵同士が同じ地域出身だった場合、「▲▲」する見込みが減り、「より「××」の強い」部隊の同僚たちに対する誠意を持ち続けた。
   < p282 >

9. 「なぜなら」と、ラビ・カリシュは落ち着いた声で言った。「私たちがアジアの人間だからです。〇〇と同じく」。その一言が、日本側の支配的な「◇◇」の土台を、当座の軍事同盟から、「△△」と「●●」に根ざした「◆◆」にすげ替えたのだ。そうした変化を引き起こせたのは、それが「優秀な」アーリア系支配者民族はアジアの民族と根本的に「▲▲」、というナチス自身の主張を「××」させたためだった。二つをまとめてしっかり検討すれば、日本人と近いのはユダヤ人であり、そうでない（と自ら宣伝している）のはナチスだった。年長のラビの返答には、日本人の委員たちに対する力強い効果があった。
   < p284 >

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注釈：第11章

1. どうやら内集団ひいきは、人間の「〇〇」に影響を与える度合いが大きいだけでなく、「◇◇」的なものでもあるようだ。他の「△△」にも見られる性質であり、まだ幼い「●●」にも自然と現れるものだからである。
   < p406, p407 >

2. 内集団の成員間で生じるアイデンティティーの認知的混同は、①自分固有の性質を他の集団成員に「〇〇」すること、②ある特徴について、以前に自分と他の内集団成員のどちらに特有のものと見なしたかを、あまり「◇◇」こと、③内集団成員と自分とを分ける特徴を挙げるのに、他の場合よりも「△△」がかかることに現れている。自己イメージと近しい他者のイメージとが「●●」になるという神経科学的な証拠は、両者が脳の「◆◆」の同じ領域の活性化を伴うことによって示されている。
   < p407 >

3. 他の認知的混同は、脳がまったく違った作業を行うのに、同じ「〇〇」と「◇◇」を利用しているために生じるようである。たとえば、何かしているところを繰り返し「△△」させると、本当にそれをやった気になる人たちの傾向は、ある行為をすることと,そうしていることを「△△」することに関与する脳の領域が、一部「●●」ことを示す研究によっていくらか説明できる。また、社会的「◆◆」を受けたときの痛みに、「▲▲」的な痛みを感じるときと同じ脳の領域が反応しており、どちらの場合も「××」によって苦痛が和らぐことも明らかにされている。
   < p407 >

4. 「〇〇」という概念はW・D・ハミルトンが1964年に提唱し、以来、進化論の考え方の屋台骨の一つとなっている。生死が関係してくるような状況で、「◇◇」という関係性が持つ特に強い影響に関する証拠については、それぞれの文献を参照。その研究によれば、アラブ人とイスラエル人の互いに対する敵意と辛辣さは、両者の間にどれほど「△△」が存在しているかを教えることで、軽減できる。以下の追加研究では、こうした集団促成効果への説明が提出されている。意識の中で集団のアイデンティティーを「●●」ことによって、個々人が熱心にそのアイデンティティーと合致する情報に「◆◆」をむけるようになり、それによって今度は、その情報をより「▲▲」かつ「××」的だと見なすようになる（本書の第3章および第4章参照）。
   < p407, p408 >

5. エリオットとスラッシュの研究によれば、ほとんどすべての親が「〇〇」のために行動した私の講義での事例は、決して珍しいものではない。ある心理学の講座でこの二人の研究者は、親が47項目のアンケートに答えてくれた生徒に、「◇◇」を一つおまけするという提案を行った。回答の回収率はじつに「△△」パーセントにもなった。
   < p408 >

6. 家族内および家族外の両方の領域で、人は「〇〇」を使って遺伝的な「◇◇」を判断し、「△△」をえこひいきしている。身体的特徴や性格的特徴の「〇〇」のほかに、「●●」の「〇〇」も遺伝的関連性を判定する土台にもなっている。そのため、これは内集団の形成や、誰を助けるべきかの判断の土台にもなっている。だが、この場合、すべての「●●」が同等の力を持つわけではない。内集団のアイデンティティを決定するのに最も強く働いているのは、性行動や進歩/保守イデオロギーなどの事柄に関する、基本的な「◆◆」および「▲▲」的な「●●」のようである。こうした種類の「●●」は世代から世代へ最も受け継がれやすく、したがって、遺伝子的「我々」を最もはんえいしやすい。世代を超えて受け継がれていきやすい「●●」は、非常に変化しにくいものでもあるが、その理由はおそらく、自分自身を規定していると感じる見解を、人はなかなか「××」だからだろう。
   < p409 >

7. トロクメの親戚と近所の人たちでは、どちらがより「〇〇」を聞き入れやすかったのかという疑問に関して、他の情報源からの証拠は前者、つまり「◇◇」関係が確かな人たちのほうが「〇〇」を受け入れやすかっただろうということを示している。たとえば、1990年代半ばにルワンダで起きた大虐殺の間、フツ族によるツチ族に対する攻撃が隣人すらも標的としたとき、攻撃を煽る人々は部族の「◇◇」を土台にして扇動を行った。「フツ族の力」は虐殺のスローガンであり、また虐殺の言い訳にも使われたのだ。
   < p411 >

8. 人が「〇〇」の人の意見から非常に影響を受けやすいという発見には、「◇◇効果」という名前がついている。この効果が選挙の政治学に翻訳されると、有権者は「〇〇」の人から選挙に行ってくれと言われたときのほうが従う見込みが高いということになる。特に「〇〇」の選挙事務所のボランティアが「△△」で投票を呼びかけた場合には投票率に大きな違いが生まれ、その効果は「●●」を使った活動よりもずっと大きくなる。この考え方に則って大成功を収めた大統領選のキャンペーンで、オバマの選挙運動スタッフは、「〇〇」の人であるというボランティアの立場を前面に打ち出した「◆◆」のシナリオを作成した。
   < p411 >

復習リマインダー

　　豊川 ひろこ

第12章 まとまりーその２：一緒に活動すること

1. あらゆる人間社会は歌、行進、儀式、詠唱、祈祷、舞踊のなかで、全員一致して、つまり「〇〇」して反応するやり方を開発している。さらに、こうしたことは有史以前の時代にまでさかのぼれる。たとえば「◇◇」は、並外れた頻度で新石器時代と金石併用時代の素描、岩絵、洞窟壁画のテーマとなっている。
   < p288 >

2. 行動科学は同じくらいはっきりとその理由を突き止めている。人々がそろって同じ「〇〇」をとるとき、彼らは「◇◇」化しているのだ。その結果として得られる「◇◇」としての「△△」は、社会に益するところが多く、本来ならずっと小さな家族集団内でしか見られないようなレベルの「●●」と「◆◆」の精神を生み出す。それゆえ人間社会では、原始的な社会でさえも、必ず協調的な応答などの「◇◇」を結束させる「テクノロジー」が発見されているようだ。その効果は血縁関係の効果と同じく、「▲▲」という意識、「××」の感覚、そして自他の混同をもたらす。
   < p288 >

3. 他者との「〇〇」を感じるのは稀な体験かと思われるだろうが、じつはそうでもない。ある一連の研究で、参加者たちはあるゲームを行った。ルールは二種類用意され、片方はパートナーと同じ選択をするとお金がもらえるようになっており、もう片方はパートナーと違う選択をするとお金がもらえるようになっていた。ゲームの後で両方のグループを比較してみたところ、パートナーを自分と「◇◇」と見なすようになっていたのは、「△△」選択をするとお金がもらえたグループのほうだった。他人と「△△」ように行動することには、「●●」をより強く感じるようになる何かがあったのだ。
   < p288, p290 >

4. また、こうした認識を生じさせる二人の「〇〇」的反応というのは、必ずしも「◇◇」が必要というわけではなく、場合によっては「△△」的反応からも同様の認識が生まれることが、別の研究からわかっている。自分と画面に映っている人物の見た目と性格がどれくらい「●●」かを評価させたところ、「よく●●」と答えた割合が高かったのは、方向と回数が映像と「◆◆」ように撫でられた人たちのほうだった。さらに驚くべき事に、「◆◆」撫で方をされた人たちには、「▲▲」の区別が「××」になる感覚さえ生じていた。彼らのほうが「自分の頭が映像の中の顔になったような気がした」「ときどき、自分が目を動かしたら映像の人物も目を動かすだろうという気がした」「自分が感じている絵筆の当たる感覚の原因が、映像の中で顔に触れている絵筆にあるかのようだった」と、より強く感じていたのだ。
   < p290 >

5. もし、一緒に「〇〇」すること（身体を「◇◇」、「△△」を出したり、何かを「●●」すること）が、同じ血縁集団のなかに一緒に「◆◆」することのかわりとして利用できるなら、当然、これら二つの「一緒」のかたちからは似た結果を引き出せるはずだ。影響力を強めたいと考えている人にとって、特に重要な結果が二つある。他者からの「▲▲」が上がることと、より大きな「××」が受けられるようになることだ。そして、その二つとも、下準備（プリスエージョン）によって達成できる。
   < p291 >

復習リマインダー

　　豊川 ひろこ

第12章 まとまりーその２：一緒に活動すること - 好意＆支援

1. 人々が「〇〇」した動きをするときには。お互いを「◇◇」と見なす度合いが高まるだけでなく、その後、より「△△」的にお互いを評価するようにもなる。「●●」の高まりが、「△△」の高まりに転ずるのだ。この行動には、研究室の机をトントンと指で叩く、会話中に微笑む、教師と学生のやり取りの最中に姿勢を変える、なども含まれる。そして、こうした動きはどれも、「◆◆」して行われれば互いに対する「▲▲」を高める。
   < p291 >

2. 彼らが注目したのは、普段は自分の内集団成員とは「〇〇」しようとする一方で、外集団成員にはたいていの場合、そうしようとは「◇◇」という点だった。そして、その結果生じる「△△」感覚の差が、内集団を「●●」しようとする人間の自動的な傾向の、少なくとも一因なのではないかという仮説を立てた。もしこの仮説が当たっているなら、外集団成員の「◆◆」と自分達の「◆◆」を「〇〇」させるようにお膳立てをすることで、外集団成員に対する偏った考えを「▲▲」できるかもしれない。各参加者の潜在的態度を調べてみたところ、黒人の動きを見ていただけの人たちは黒人よりも白人を好む、典型的な白人の反応を示した。一方、黒人の動きに自分の動きを「××」人たちには、そうした偏りがまったく出なかった。
   < p291, p292 >

3. 動きを合わせた反応から生じる「〇〇」や「◇◇」は、社会的影響力が持つ価値を測る最重要基準（その後の「△△」）を大きく変えられるほど強力なのだろうか。この疑問に答える助けとなる研究が二つある。一つはそれ以前に「●●」を感じた相手への「◆◆」について、もう一つは、それ以前に同じチームで「●●」を感じた仲間からなる集団との「▲▲」について調べた研究だ。どちらの研究でも、「××」を伴う行為が求められた。
   < p293 >

4. 最初の研究では、実験参加者たちは録音されたさまざまな音をヘッドフォンで聴きながら、聞こえてくる音のリズムに合わせてテーブルをトントンと叩いた。実験の結果は、下準備（プリ・スエージョン）となる「〇〇」行為に備わった、「◇◇」的な「△△」行為への意欲を増大させる力を、疑いの余地なく証明した。パートナーと違うリズムを刻んでいた参加者のうち、残ってパートナーを手伝ったのはたった18パーセントだったのに対し、「●●」リズムを刻んでいた人では、49パーセントが自分の自由時間を削って、パートナーを助けることにしたのだ。
   < p293, p294 >

5. 二つ目の興味深い研究では、「〇〇」の結束を植え付けるために、昔から軍隊で用いられている戦略が使われた。結果は、歩調を「◇◇」行進するという下準備（プリ・スエージョン）を行ったチームにいた人たちは、そうしなかったチームよりも、仲間のために「△△」を回す割合が50パーセントも高くなった。ある追跡研究のおかげで、このような結果になった理由を説明しやすくなった。事前に行った「●●」的行為から「◆◆」の感覚が生まれたことにより、「〇〇」のより大きな「△△」のために、自分の「△△」を「▲▲」にする気持ちが増していたのだ。
   < p293, p294 >

6. こうした結果を踏まえると、最初に「〇〇」的な反応をさせる準備をしておくことで、集団の「◇◇」、仲間への「△△」、それらの結果から生じるさまざまな状況での「●●」行動を促進できそうだ。そうした「〇〇」性を成員に引き起こし、影響を与えて、集団の「●●」に向かわせるために、社会的集団が使える「◆◆」応用可能なメカニズムはないものだろうか。じつはある。「▲▲」だ。そして、メッセージの伝え手にとって幸いなことに、「▲▲」を利用すれば、影響力を行使している単一の主体（つまりメッセージの送り手）が目指す「●●」へ、他の人たちを向かわせることもできるのだ。
   < p294, p295 >

7. なぜ音楽は、記録に残された歴史の初めから、あらゆる人間社会で確認できるのかには、しっかりとした説明がある。気づきやすい「〇〇」性（リズム、拍子、音の強さ、ビート、テンポ）が他に類を見ないほどたくさんそろっているため、音楽には「◇◇」を促す類いまれな力が備わっているのだ。音楽を聴くとき、人々は動き、知覚、声、感情といった次元で、簡単に「△△」できる。そして、こうした状態から、自他の「●●」、社会的「◆◆」、「▲▲」行為といった、お馴染みの「××」の目印が生じる。
   < p295 >

復習リマインダー

　　豊川 ひろこ

第12章 まとまりーその２：一緒に活動すること - システムを設計する

1. 行動科学者は、「〇〇」と「◇◇」の仕方には二種類あると、長い間主張してきた。システム１は、素早く、「△△」的かつ「●●」的で、しばしば感情的だ。一方、システム２は、それよりゆっくりで、「◆◆」され、「▲▲」的かつ「××」的だ。
   < p297 >

2. この二つのアプローチの区分を裏付けるのは、どちらが「〇〇」化したときに、もう片方が「◇◇」されていることを示す証拠だ。ある出来事を「△△」的に「●●」しているときに、それをしっかり「◆◆」のが難しいのと同じく、「▲▲」的にある出来事を説明しているときに、それをしっかりと「●●」するのも難しいものだ。このことから引き出せる、影響力と関連した結論がある。どんなアピールをするときであっても、受け手の「××」に合わせてシステム１とシステム２を使い分けるのが、説得する側の賢いやり方だということだ。
   < p297 >

3. 客が主として「〇〇」に訴える特徴（見た目の格好良さ、うきうきする加速感）に引かれて車の購入を検討しているときには、ディーラーは「〇〇」に訴える論法で「◇◇」にかかったほうが有利になる。研究の示唆しているところでは、「私の「△△」ですと、この車はお客さまにぴったりです」と言うだけでも、購入の見込みが高まる。一方、もし購入の検討が主として「●●」的根拠（燃費、下取り価格）に基づいているなら、「私の「◆◆」ですと、この車はお客さまにぴったりです」と言ったほうが、話がまとまりやすくなる。
   < p297 >

4. 「〇〇」の影響力はシステム１に関係している。「◇◇」的で理屈抜きの反応として、人々は「〇〇」に合わせて、もし誰かと一緒ならお互いの声や動きにも合わせて、歌い、リズムを取り、身体をくねらせたり揺らしたりする。「△△」のなかで「〇〇」が目立っているときに、「●●」的な思考をすることはほとんどない。「〇〇」の影響下にあるとき、認識に至る慎重で「◆◆」的なルートは通りにくくなっているため、大部分が通行止めになる。以下の二つのコメントが、嘆かわしい結論を述べている。最初のものはヴォルテールの引用で、軽蔑が滲んでいる。「馬鹿馬鹿しすぎて論じられないものは、なんでも「▲▲」になる」。二つ目は広告業界の格言で、戦略的なものだ。いわく、「もし、「××」を用いて聴衆に訴えることができないなら、「▲▲」にして訴えるべし」。
   < p298 >

5. 「〇〇」性の力をほとんど持たないアイデアを訴えるときでも、諦める必要はない。側面からうまく攻めるやり方がある。「◇◇」と「△△」で武装し、「〇〇」性がほとんど力を持たない場所に戦いの場を移すのだ。そこでなら、「●●」と協調、そして「◆◆」の感覚が勝利を収める。このことに気づいたおかげで、私は長年の謎を解くことができた。どうして若い女性はあんなにも「△△」をやっている連中に引かれるのだろうか。私には論理的に説明がまったくつかなかった。「△△」はそうした「▲▲」主義とは無関係だ。関係があるのは「●●」、すなわち、感情の「●●」と関係の「●●」を導く美しいハーモニーなのだ。そのうえ、感情と「●●」という共通の基盤があるために、「△△」と「××」は生活のなかでお互いに強く結びついている。現代の「◇◇」で「××」をテーマにしたものが全体に占める割合はどれくらいか？最近行われた統計では、80パーセントだそうだ。
   < p298, p299 >

6. 説得を最大限成功させたいなら、はるかに大事なのは、ねらった受け手の考え方が「〇〇」的なのか「◇◇」的なのかを見極め、それに合わせて説得の「△△」に盛り込む特徴を変えることだ。「●●」的で「◆◆」主義的な受け手には音楽の伴奏をつけるなどの「●●」的要素を含む「△△」を、「▲▲」的で「××」的な受け手には事実などの「▲▲」的要素を含む「△△」を使うべきなのだ。
   < p301 >

7. 2008年に実施したテレビの30秒コマーシャルの分析では、87パーセントが「〇〇」を使用していた。ただ、メッセージに「〇〇」を重ねるという、よくあるやり方には欠点もあるようだ。というのも、関連研究を幅広く検討したアームストロングは、受け手が慣れ親しんでいる感覚に訴える製品（スナック菓子、香水など）を、「◇◇」的な、つまり「△△」の働きにくい文脈で提示するときのみ、「〇〇」を使用すべきだと結論づけているからだ。受け手本人に「●●」な結果を及ぼし、しかも購入を強く「◆◆」する理由のある製品（安全装置やソフトウェアパッケージ）、つまり、「▲▲」と考える可能性が高く、また、そうすることが有益な製品の場合、「××」は広告の効果を台無しにしてしまう。
   < p301 >

8. その後、パートナーに対して援助する機会を設けたところ、「〇〇」に合わせてパートナーと「◇◇」に歌い、「△△」を動かした子どもたちは、「〇〇」を通じた下準備的共通体験のなかった子たちの「●●」以上も援助を行った。実験を行った研究者たちは観察した支援行為について有益な指摘を二つしている。一つは、それが「◆◆」的なものであり、援助側の子どもはパートナーを助けるために、自分の遊ぶ時間をいくらか諦める必要があった。「◇◇」に体験した「〇〇」と「▲▲」が、後の「◆◆」の気持ちをこれほどはっきりと増加させたことに、さぞ驚いているに違いないのは、四歳児が遊んでいるときにつきものの、自己中心的な選択を改めさせようと苦労している親御さんたちだろう。
   < p296 >

9. 注目に値する指摘の二つ目は、少なくとも一つ目と同じくらい私には重要に思える。子どもたちは「〇〇」をするにあたって、「◇◇」をする、あるいはしない理由に、何ら「△△」的な検討を加えたわけではなかった。その支援はまったく「△△」性に根ざしてはいなかった。それは「●●」的かつ「◆◆」的な判断であり、土台にあったのは、共に行った音楽的作業から自然と生じた、「▲▲」的な「××」の感覚だったのだ。この指摘から導かれる結論は、社会的影響力の運用という点から見て、非常に意義深いものだ。
   < p296 >

復習リマインダー

　　豊川 ひろこ

第12章 まとまりーその２：一緒に活動すること - お返しのやり取りを続ける&共同製作

1. 記事のタイトル、「こうすればあなたも恋に落ちる」からもわかるように、著者のマンディ・レン・カトレンは、愛のもたらす強烈な感情的「〇〇」と社会的「◇◇」を、たったの45分で作り出す、驚くほど効果的なやり方を見つけたと主張した。実行に必要なのは、ある具体的な形式をもつ「△△」的な行為（パートナー同士が交互に「●●」的な「◆◆」を行う）だ。これまで心理学者たちは、お互いに「▲▲」の「◆◆」を繰り返すことによって、その相手への「▲▲」が増すことを実証している（最後に親切を行ったのがどちらかであったかは影響しない）。「●●」の「◆◆」のプロセスは、果たしていない義務によってではなく、ある「××」を生み出したことによって、ハリントン家の同意を促したのだった。
   < p302, p303 >

2. アーロン夫妻たちは、「〇〇」の交換が、それを行う人々をどれほど広い範囲で結びつけるのか明らかにすることで、この種の積極的同意を説明しやすくした。彼らが用いたのは、あまりにも人々を「◇◇化」させるため、お互いに恋をさせてしまうほど強力に「△△」させるタイプの「〇〇」のやり取り、つまり「●●」的な質問に対する自己「◆◆」だ。実験参加者たちは二人一組になって、交互に相手への質問を読む。質問されたほうはそれに答えた後、同じ質問に対する相手の答えを聞く。参加者たちは36ある質問を進めていくうちに、だんだんと自分の「●●」的な情報を「◆◆」するようになり、また、相手の「●●」的な情報を次第に知るようにもなる。「▲▲」性はあらゆる予想を超えて深まった。この手続きは45分足らずで、二人の間に感情的「××」と「△△」を生み出した。エレーヌ・アーロンへのインタビューによれば、この研究以降、同じ手法を用いた何百という研究がこの効果を実証しており、なかにはそのまま結婚にまで至った人たちもいるそうだ。
   < p303, p304 >

3. さらにアーロン博士は、この効果の鍵だと感じている、手続きに備わった二つの側面について説明した。一つ目は、質問の項目が、自己的な自己開示の色合いを「〇〇」的に深めていくことだ。そのため、参加者たちは質問に答えながら、しっかりと結びついたペアに独特の、相手を「◇◇」しきったやり方で、互いに対して「△△」に心を開いていくことになる。二つ目は、本書のテーマと重なるが、参加者たちが互いに心を開いていくとき、「●●」していることだ。つまり、「◆◆」的なやり取りを「▲▲」ことによって、彼らはそのやり取りを、「××」性を本質とする持続的経験にしているのだ。
   < p304 >

4. 自らの手が生んだものに特別な「〇〇」を感じるのは、レオポルドばかりではない。それは誰にでも生じる気持ちだ。たとえば、研究者たちが「◇◇」効果と呼んでいるものがあり、人は何かを自ら作ると、「自分の素人っぽい作品にはプロの作品と同じくらいの「△△」がある」と考えるようになる。「●●」することの効果、というここでの関心に当てはめて考えるなら、さらに二つ、検討に値する可能性がある。他の人と「◆◆」何かを製作した人は、作品にだけでなく「▲▲」に対しても、特別な「〇〇」を抱くようになるのだろうか。そして、その例外的な「〇〇」の原因となっているのは、その相手に対する好意と自己犠牲的な支援という特徴的な結果によって検知できるような、「××」の感覚なのだろうか。
   < p305, p306 >

5. なぜ、作業成果物の開発により大きく「〇〇」したという認識を持った上司たちは、開発の最終的な成功に対する自分の「◇◇」度と、プロジェクトに関わっている唯一の従業員の「◇◇」度の「△△」を、より大きく「●●」したりできたのだろうか。当時の私にはまったく理解できない結果だったが、今では理解出来る。もし「◆◆」が、少なくとも一時的に「▲▲」の「××」を引き起こすなら、分配の論理がどうなっていようと、一方の人に当てはまることはもう一方にも当てはまるのだ。「◆◆」によって改善が見込めるのは、あるプロジェクトで生産的で働いた従業員を、上司にどうやってもっと「●●」させるかという問題だけではない。昔から解決が難しいとされてきたさまざまな困難の軽減も可能だ。
   < p307, p309 >

6. 企業はどうにかして、顧客に自社との「〇〇」を感じさせ、自社ブランドを愛用してもらおうと努力している。それは、現在および将来の顧客に、新製品や新サービス、あるいは従来製品・サービスの最新版を「◇◇」するよう頼むことで勝利が得られる戦いであり、最もありがちな「△△」のかたちは欲しい機能に関する情報を顧客が企業に伝えるというものだ。しかし、そうしたマーケティング面での「△△」において、顧客の情報提供は企業に関する「●●」や「◆◆」ではなく、「▲▲」とされていなくてはならない。こうした言葉の違いは些細なものに思われるかもしれないが、顧客との「××」を作るという企業の目標を達成するうえでは、きわめて重要だ。
   < p309, p310 >

7. アドバイスするとき、人は「〇〇」的な精神状態になり、それが本人と他の当事者の「◇◇」を結びつける刺激となる。一方、意見や要望を提供するとき、人は「△△」的な精神状態になり、「●●」に集中する。顧客のフィードバック形式のごく些細な違いと、それにもかかわらずその違いから生まれる、顧客の精神状態が「〇〇」的か「◆◆」的かというきわめて重要な違いは、あるブランドに顧客がどれだけ「▲▲」されるかという点に、重大な影響を及ぼす場合がある。
   < p310 >

8. 「〇〇」の人たちは、「スプラッシュ！」で食事をしたい気持ちが、「意見」や「要望」の人たちよりもかなり高くなった。さらに分析したところ、「スプラッシュ！」で食事をしたい気持ちが強くなる理由は、そのレストランとの「◇◇」をより強く感じていることにあった。この調査から得られたもう一つの発見が、私の「△△化」説の正しさを確実なものとしている。参加者たちは、三種類のフィードバックすべてが、レストランの経営者にとって同じくらい「●●」と評価した。つまり、「〇〇」を与えた人たちがレストランとの「◇◇」を感じたのは、自分たちがより「◆◆」な手助けを行ったと考えていたからではなかったのだ。そうではなく、「〇〇」を与えなければならない状況だったので、参加者たちは店に対して何を言うべきか考える直前に、「▲▲」的ではなく、「△△感」を覚える「××」になっていたのだ。
   < p311 >

9. この一連の結果からはっきりしたのが、友人や同僚、顧客との直接的なやり取りで「〇〇」を求めることの賢明さだ。もちろん、上司に「〇〇」を求めることで、無能だとか、甘えている、頼りにならないといった印象を与えてしまうかもしれないと心配するのは無理もないことだし、理屈にあっている。ただ、同時に私は、それが「◇◇」とも思う。なぜなら、管理職に従業員の貢献度を評価させた研究が示していたように、「△△」の効果は、理屈、合理性、論理ではうまく説明できないからだ。その効果を非常にうまく説明できるのは、その場に存在する独特の「●●」を助長する感覚、つまり、（あなたにとって非常に有益な）「◆◆」だ。「〇〇を求めるとき、我々はたいてい「▲▲」を探している」。科学的証拠に基づいて、この言葉に一つだけ付け加えるとすれば、もしその「〇〇」を得られたなら、我々はたいてい、「▲▲」も得ているのだ。そして、あるプロジェクトで手に入れるべき「▲▲」として、プロジェクトの「××」以上にふさわしい人物がいるだろうか。
   < p311, p312 >

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　　豊川 ひろこ

注釈：第12章

1. 反応「〇〇」性が「◇◇」の感覚に果たす役割を裏づける、さまざまな種類の行動科学的データの概説は、文献を参照。さらなる裏づけとして、他の人たちの「△△」的な動きを目にした人が、その様子から、その人たちが実際どの程度の「●●」なのかを推察することが示されている。意欲的な影響力の使い手であれば、「〇〇」性が持つ「◇◇」を促す効果から大きな利益を得られるはずである。この考え方と合致しているので、次に著名な世界史の専門家、ウィリアム・H・マクニールの言葉を紹介しよう。「リズミカルに身体を動かしながら「◆◆」に声を出すことは、（有意義な）「▲▲」を作り、維持するために、人類がこれまでに思いついたさまざまなやり方のなかでも、最も確実で手っ取り早く、効果的な方法である」。
   < p412, p413 >

2. 「〇〇」を合わせたことによる「◇◇」効果の研究については、それぞれの文献を参照。グラスの水を使った実験以外にもう一つ別の実験も行われ、そのとき実験参加者たちは、内集団である白人の水を飲む「〇〇」を真似するように言われた。その結果、参加者たちには白人を黒人よりも好む典型的な偏りが、いくらか「△△」かたちで生じた。興味深いことに、「〇〇」を合わせた活動のなかには、「◇◇効果」以外の効果を生むものが一つある。何かの情報に「●●」を向けたときに、他の誰かと「◆◆」にそうしたと気づくと、より熱心にその情報に向かう（つまり、より大きな「▲▲」を割り当てる）のだ。だが、これが成り立つのは、その別の誰かとの間に「××」的関係がある場合に限られる。どうやら近しい関係である誰かと一緒に同じものに対して「●●」を払うという行為は、「●●」を向ける対象が特別な「●●」を払うに値するというシグナルになっているようである。
   < p413 >

3. 私は本文で、社会的影響力が持つ価値を測る最重要基準は、「〇〇」としたが、影響力を行使するプロセスにおいて、他者の「◇◇」（や信念、知覚、態度）を変えることの重要性を否定しているわけではない。私には、それらの要素に変化を生む取り組みというのは、ほぼいつも「〇〇」を変えさせるために行われているように思われる。「△△」を合わせての「●●」は興味深い訓練である。というのも、戦場の戦略としての価値を失って久しいにもかかわらず、今も軍隊のトレーニングに採用されているからだ。二つの実験から、これについて説得力のある理由が得られている。一緒に「●●」をした後だと仲間から「◆◆」のメンバーに危害を加えるよう頼まれたときの承諾率が高くなったのである。それは、頼んできた相手が「▲▲」ある人物の場合だけでなく、「××」の場合でも同じ結果になった。
   < p413, p414 >

4. 裏づけとなる証拠が増えてくるにつれて、音楽は「〇〇」を生む社会的「◇◇」創出メカニズムであり、その土台には「△△」の「●●」がある、という考えがますます受け入れられてきている。音楽が持つ、ときに喜劇的と言えるほどの「◇◇」機能に気づいているのは、学者だけではない。
   < p414 >

5. 「〇〇」と「◇◇」が「△△」的プロセスとは無関係に働いているのは確かである。だが、さらに有益なのは、ミュージシャンが「〇〇」と「△△」的プロセスの関係について何を言っているのかと見てみることかもしれない。例として、文章で「〇〇」を適切に表現することの難しさに関する、エルヴィス・コステロの言葉を紹介しよう。「〇〇について書くことは、ダンスで建築を表現するようなものだ」。コステロの言葉の出典は、エリザベス・ヘルムート・マーグリスの興味深い論文である。この論文で彼女は、この問題に独自の証拠を加えている。音楽作品を聴かせるのに先立って、聴衆に楽曲の「●●」的情報を提供すると、楽曲を聴く「◆◆」が減ることを示したのである。最近40年間のポピュラーソングを扱った研究では、全楽曲のうち「▲▲」パーセントが「××」か性的なテーマ、もしくはその両方を歌っていることがわかった。
   < p414, p415 >

6. 追加情報として、この研究では、顧客の「〇〇」に対して予想外に「◇◇」な「△△」を払った場合、そのブランドに対する「●●」の高まりは、すっかり消えてしまうこともわかっている。著者達はそうなる理由を調べてはいないが、予想外の「△△」が、実験参加者の「●●」を「〇〇」の提供が持つ「◆◆」的側面から逸らし、「▲▲」化の側面（この例で言えば、際だった金銭的交換と結びついた彼ら自身の「××」的結果）へ向けたのではないかと推測している。
   < p417 >

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　　豊川 ひろこ

第13章 倫理的な使用　――下準備（プリ・スエージョン）の前に考慮すべきこと

1. 本書の中心的な主張は、アピールを行う「〇〇」に何を言うか、あるいは何をするかという選択が、その「◇◇」の度合いを大きく左右するということだ。しかし、その選択の前にしておくべき選択が、もう一つある。「△△」的観点から見て、そのようなやり方で「◇◇」を成し遂げるべきかどうかの決定だ。
   < p314 >

2. 他のすべてが同じなら、ほとんどの人がためらうことなく「〇〇」な道を選ぶだろう。しかし現実には、他のすべてが同じということは決してない。そして、しばしば目にするように、ビジネスの「◇◇」においては、動機づけの力がより強い要因、すなわち「△△」、「●●」の報告書、「◆◆」の不安、「▲▲」が、「〇〇」な選択より優先される。
   < p317, p318 >

3. そのうえ、企業の「〇〇」を伸ばすために、ときに「◇◇」にもとる手段も辞さないというやり方が、リーダーたちから正しいと見なされる場合もある。これは彼らが「△△」の「●●」的幸福を保障し、増進させることに「◆◆」を感じているためだ。この（偏りがあるのも仕方ないと思える）レンズを通して眺めた場合に、自社の「▲▲」の安定のために真実をねじ曲げるという決定が、「◇◇」的に適切なものと判断される場合もある。そういうわけで、人を騙すようなやり方は実際には最終損益を「××」という指摘なら、どんなものであれ説得力があるはずだと私は考えたのだ。
   < p318 >

4. 「〇〇」に傷がついた場合の金銭的損失の「◇◇」は相当なものになりかねないし、巨額の経済的損失の原因が、「△△」広告、「●●」的な入札行為、「◆◆」決算などで生じた悪評にあると見なされた事例は、これまでにいくつもあった。たとえば、「◆◆」決算で証券取引委員会から執行手続きを受けた、585社を対象とした2005年の研究では、不正発覚の後、企業はその市場価値を平均して「▲▲」パーセント失っており、その損失の三分の二近くが「〇〇」に傷がついたことによって生じていたことがわかった。
   < p318 >

5. 実際、アメリカ人の80パーセントは、ある企業のビジネス手法に「〇〇」性が備わっていると感じるかどうかが、その企業の製品やサービスの「◇◇」を検討する際に直接的な影響を及ぼすと答えた。そうした影響は、より最近の2015年にも確認された。フォルクスワーゲン社は、ディーゼル車の排ガス不正問題が発覚してすぐに、売り上げが業界平均の十六分の一にまで下落し、創業以来「△△」の年間損失をこうむった。また、企業自体の評判も、それまでは70パーセントの自動車所有者たちから好ましいと評価されていたのが、80パーセントから「●●」とされてしまったのだ。
   < p319 >

6. こうした汚名の「〇〇」は困難をきわめる。調査が示すところでは、評判を落とした企業が失った「◇◇」を回復しようとするには、新たに打ち立てた「△△」を一貫して示すことが必要であり、胡散臭さを感じている人々に、会社の「●●」が変わったと納得してもらうことも必要になる。そうした回復プロセスには「◆◆」もの時間を要するかもしれないし、その間に、その企業の顧客だった人たちは、「▲▲」のサービスとつながってしまっていると考えられる。
   < p319 >

7. 企業の最高幹部たちは、私の述べていた「〇〇」に基づく議論を裏付ける証拠について、非常によくわかっていた。しかし、そうであってもなお、かなり多くの人が「◇◇」行為を行う意向を持っていたのだ。リスクを承知のうえで、仕事を受けたり維持したりするためなら、彼らの半数近くは非「△△」的な行動もとると述べていた。それに加えて、販売やマーケティングの担当者たち（△△的に怪しい行為をし、利益を確保しようとする可能性が最も高い人々）は、会社からそうした行為に関する「●●」を受けることが最も少なかったのだ。最後に、こうした会社の従業員たちは、利益を増やすための「△△」的違法行為を「◆◆」、行為が発覚した後で関わっていた人物を「▲▲」ために社の上層部が行動を起こすのを、ほとんど見たことがなかった。その結果、民間企業の非「△△」的行為の件数は依然として、悲惨なほどの多さを示している。
   < p319, p320 >

8. 明らかに、多くの最高幹部たちは、「〇〇」的「◇◇」の発覚が「△△」な結果を招きかねないと認識しているものの、思い止まったりしない。はっきりしているのは、絶対に「△△」な結果になると限らないのならやってみよう、と彼らが考えていることだ。彼らは単に、「◇◇」は発覚しないと考えているのだ。もし、ペナルティを課したがる消費者や顧客、監督機関に「◇◇」が「●●」するかもしれないと考えれば、彼らは決して「◇◇」行為に手を染めないだろう。この説明と合致しているのが、犯罪抑止に関する研究結果だ。それらの研究で示されているのは、非常に重い罪に問われるような違反行為を行った人々が、「◆◆」可能性を考えていないということであり、そして、もし考えていれば、そもそも罰を受けるような真似は「▲▲」だろうということだ。
   < p320 >

9. 多くのビジネスリーダーたちは、憂慮すべき「〇〇」的結果を考えれば、「◇◇」的行為はやめたほうがよいと納得しそうなものだ。その一方で、「〇〇」的観点からそうした行為を「△△」警告的議論は、「●●」行為を減らせていない。その議論と密接に関係しているのは「◆◆」の見込みだが、「●●」行為の当事者のほとんどは、行動決定の際に、その見込みをまったく「▲▲」とはしないからだ。うまくいくかもしれない一つのやり方は、仕事上の決定を下す際に「〇〇」的要因を重視するという、ビジネスリーダーたちからすれば無理もない傾向を認めたうえで、たとえ「◆◆」しなかった場合であっても、「◇◇」的行為からはいくつか厄介な「××」が生じると立証することだろう。
   < p320, p322 >

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　　豊川 ひろこ

第13章 倫理的な使用 - 組織の不誠実から生まれる三重腫瘍構造

1. 外部とのやり取り（相手は消費者、顧客、株主、納入業者、卸業者、監督機関など）で、「〇〇」的な戦術の使用を承認したり、奨励したり、放っておいたりするのが常の組織は、いずれ組織の「◇◇」において、やっかいな病を複数経験することになる。その病は腫瘍と同じように、「△△」化する（進行し、転移し、組織の「●●」と「◆◆」を次第に蝕む）だけでなく、典型的な会計手法で追跡して業績不振の「▲▲」だと突き止めるのが難しくもある。そのため、機能不全の「▲▲」を標的にしそこなった、費用ばかりかかる「××」の取り組みが行われがちになってしまう。
   < p322, p323 >

2. 商業組織の健全性を荒廃させるものとして知られる三大疾病は、従業員の「〇〇」な仕事ぶり、高い「◇◇」、そして従業員による「△△」の蔓延だ。私たちは次のように主張する。従業員が不正行為に手を染めたり、そうした行為を「●●」に目撃したりするような環境、すなわち非「◆◆」的な労働「▲▲」を有する組織は、前述の三つの病につきまとわれることになる。私たちはそうした病の原因が、一部の、あるいはごく稀に起こる「◆◆」違反にではなく、不誠実なビジネス手法を認めたり「××」したりする、支配的な組織「▲▲」にあると考える。
   < p323 >

3. さまざまな職業上のストレスが組み合わさった場合、アメリカだけで年間約12万人の死を引き起こし、二千億ドルもの追加医療費を発生させていた。この分析では検討されなかったものの、ほかにも損失を生じさせる職場のストレスとして、組織的な「〇〇」行為の問題と直接関係するものがある。それを「◇◇」と呼ぶことにする。「◇◇」の原因は、従業員の「△△」的価値観と、その人が認識している組織の「△△」的価値巻との間で生じる「●●」にある。従業員の「◆◆」という問題の場合、この種のストレスは、非常に有害なものとして知られる他のストレス源よりもさらに害になることがある。
   < p324 >

4. ある金融サービスのコールセンターで働く、カスタマーサービス担当者たちを対象とした研究では、モラルストレスと職場のさまざまなストレスを比較した。すると、モラルストレスだけが、従業員の「〇〇」（「◇◇」と「△△」の低下）と「●●症候群」（仕事への「◆◆」と「▲▲」の喪失）という、成績を悪化させる二つの結果の両方と、関連を示した。それぞれが単独でも深刻な経営上の問題であり、組み合わさったときには経営上の悪夢として、従業員から仕事をうまく進めるための「◆◆」、欲求、「××」を奪う。
   < p324 >

5. 「〇〇」的な環境は、そうすることによって無自覚に、自ら悪夢を作り出しているということなのだろうか。「〇〇」的な仕事環境が、「〇〇」的行為に手を染めていなくても、同僚がそうした行為を行っているのをただ「◇◇」だけで、従業員の仕事ぶりを低下させるなどということはあるのだろうか。得られたデータには大きな差が示されていた。「△△」を行ったチームにいた人たちの成績は、そうでなかった人たちより「●●」パーセントも悪かったのだ。しばらく問題に取り組んだ後、「△△」をしたチームにいた人たちは、他の参加者たちよりもずっと早く作業を「◆◆」。これは作業を続ける「▲▲」や「××」が、他の参加者たちほどは持っていなかったことを示している。
   < p324, p325, p326, p327 >

6. 寄せられた回答によれば、第一に、社の「〇〇」が「◇◇」的であればあるほど、従業員の仕事の「△△」は下がっていた。第二に、社の「〇〇」が「◇◇」的あればあるほど、仕事中に感じる「△△」は強くなっていた。そして第三に、ほかならぬその「△△」が、「●●」な仕事ぶりの原因になっていた。「◆◆」的観点から、「◇◇」的行為に異を唱える主張をビジネスリーダーたちに投げ込んでいくとき、この証拠は、「ストライク・ワン」を取る材料になると、私たちは考えた。
   < p327, p328 >

7. 「〇〇」に伴う直接的な支出（退職金の支払い、後任者の募集、採用、研修にかかる費用）の見積もりは、それほど高くない地位の場合で年収の「◇◇」分、重役クラスの場合なら、給与および諸手当の「△△」分に達することもある。こうした費用は間接的な打撃（組織に蓄積された「●●」の消滅、「◆◆」の断絶、残った社員たちの「▲▲」の低下）を考慮した場合には、さらに拡大する。
   < p328 >

8. この「〇〇」的負担と職場の「◇◇」的な慣習は、どう関係しているのだろうか。私たちの考えでは、本人の価値観と「△△」に行われる「●●」行為との「◆◆」という、「▲▲」を通じて関係している。職場にとどまるなら「●●」行為を行う当事者になるしかないというのは、「××」な個人が仕事を辞めたいと思う理由の一つとして考えられる。この可能性を検証するために、私たちは大学のビジネス学科の学生たちに協力してもらって、最初の実験とよく似た別の実験を行った。
   < p329 >

9. 選択結果を集計してみると、「〇〇」的だったグループのメンバーでは、51パーセントがチームを離れる選択をしていたのに対して、非「〇〇」的だったグループでは、チームを離れる選択をしたメンバーが、80パーセントにもなった。わかったのは、非「〇〇」的だと評価された企業の従業員たちの、「◇◇」を感じる割合と仕事を「△△」と感じる割合が高いことだけではなかった。その「◇◇」こそが、従業員を「●●」に向かわせ、その結果、金銭的に「◆◆」ような「●●」関連費用を、「▲▲」たちに抱えさせてもいたのだ。私たちはこう思った。「ストライク･ツー」。
   < p329 >

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　　豊川 ひろこ

第13章 倫理的な使用 - 従業員の詐欺的行為と違法行為

1. 人材流出の原因が倫理的価値観の「〇〇」からくる「◇◇」である以上、出ていくのは「△△」倫理基準を持つ従業員たちに限られる。利益を得るためなら「●●」を使うのも気にならないという人たちは、喜んで会社にとどまるだろう。そこに、企業の「◆◆」から生まれる三つ目の腫瘍の原因がある。あなたのために「▲▲」行為を働く人たちは、いずれあなたに「▲▲」行為を働くようになる。もし、一つ目の「××」を促せば、いずれ二つ目の「××」にかけられるだろうし、それに伴うあなたの損失は非常に大きくなる。
   < p330 >

2. 従業員には、「〇〇」的に不健全と感じる企業からは出ていく傾向があるので、「◇◇」的に「△△」行為を行う風潮のある企業では、多くの「●●」な従業員が辞めざるを得なくなり、残るのは「△△」行為を何とも思わない人々ばかりになる。そして、その人たちは、機会さえあれば同じ「△△」行為を会社に対しても行うはずだ。となると、私たちの論拠から見て、そうした企業は懐にマムシを引き入れていることになる。実際、従業員の「◆◆」的行為や違法行為による損失は、全世界で「▲▲」ドルにもなっている。さらに、そうした損失（原因は使い込み、在庫や備品の窃盗、経費の過大請求、購入報告の改ざん、製造供給元やビジネスパートナーとの闇取引など）は、ほとんど「××」ができない。
   < p330 >

3. 二つ目の研究では、実験参加者は「〇〇」を受け入れるチームとそうでないチームに振り分けられ、チームを替える選択肢を与えられたとき、チームを離れる人が多かったのは、「〇〇」行為を行ったチームのほうだった。じつは次の作業は、たくさんの文章題を誰が一番早く解けるか、チームメイト同士で「◇◇」というものだった。一分以内に終えられれば、賞金の百ドルを得られる見込みが高まる。私たちは実験参加者が答えを提出する前に、「たまたま」問題の正解が、「△△」の恐れなく盗み見できてしまうような状況を作っておいた。結果は明らかだった。「〇〇」行為を行わないチームの一員で、「◇◇」、そこにとどまることを選択した人は、「〇〇」行為をまったく行わなかったか、行っていたにせよ「●●」できるレベルにとどめていた。
   < p331 >

4. チームを「〇〇」選択をした人は、チームが誠実だったかどうかとは「◇◇」に若干の「△△」行為を行っていたが、統計的に意味を持つほどではなかった。一方、ビッグニュースは、選択肢を与えられたとき、「△△」行為を行っていたチームに残るのを選んでいた人たちの結果だ。彼らは他の人たちの平均より「●●」パーセントも多く、「△△」行為を行っていた。気をつけてほしいのは、その「△△」行為は彼らに見込まれる金銭的「◆◆」を増やすだけでなく、「▲▲」の「◆◆」を減らしもするのだ。
   < p332 >

5. 重要な発見は次のようなものだった。非「〇〇」的な組織の従業員で「◇◇」のない人たちは、そうした「△△」的で金銭的「△△」を及ぼす職場での活動に、「●●」なほど手を染めやすかったのだ。そのことから私たちの研究室での実験とまったく同じように、非「〇〇」的な「◆◆」に平気でいられる人は、その「◆◆」に対しても平気で「▲▲」を犯すということが明らかになった。
   < p333 >

6. 私としては、「そのとおり、バッターアウト」であることを強く望む。もちろん、その希望が実現するかどうかは、「〇〇」面からの不正行為に「◇◇」する議論を、リーダーたちがどの程度まで受け入れ、しかるべき「△△」を選択するかにかかっている。つまり、リーダーたちが適切な「●●」を社内に作らない限り、他の人々が本当に、本当にそれを「◆◆」ところで、この議論が翼を広げて飛び立つようなことは起こりようがないのだ。「▲▲」にいる人々の「××」が必要なのです。
   < p335 >

7. 幸い、彼らがその気になれば、倫理的に賞賛される社風を、倫理的に好ましくないものを築くのと同じくらい「〇〇」に作り上げ、維持することができる。最高幹部たちがもっと熱心に高潔な道を進むようにするため何ができるだろうか。「◇◇」のためなら、不誠実なふるまいも仕方ないと感じている半数近くのリーダーたちには、たとえ「△△」行為が外部に「●●」しなくても、（従業員の「◆◆」な仕事ぶり、「▲▲」、「△△」行為から）その旨みを相殺するいくつかの「××」が生じることを、説明する必要があるかもしれない。
   < p335 >

8. どんな企業にもお勧めの助言として取り組むに値するのは、次の三つだ。①顧客や取引先の人に、対応した従業員の「〇〇」度を評価してもらうことを、従業員の「◇◇」を促す仕組みの一部とする。②会社全体の「△△」的評判を調べ、年間の「●●」のなかに組み込む。③会社の「◆◆」的姿勢を従業員に評価させ、それを「▲▲」の給与体系の査定要素とする。こうした措置は「◆◆」的ふるまいを奨励するだけでなく、「◆◆」基準に対して継続的に「××」を向けさせる効果もある。その結果としてこうした問題が注目されるようになれば、社内の出来事に関するそれらの重要性の認識と、原因としての役割への認識が、両方とも高まるはずだ。
   < p335, p336 >

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　　豊川 ひろこ

注釈：第13章

1. 「〇〇」に傷がついたことから生じる金銭的損失が、相当な額になる場合があることを示すデータについては、各文献を参照。「◇◇」発覚後に信頼を取り戻すことの難しさ実証した研究も参照。これらの科学的研究から得られた証拠の多くは、ハネウェル社の会長を務めたエドソン・スペンサーが、ビジネス界に向けて発した次の警告に要約されている。「正しさとご都合主義の間に引かれた細い線をまたいでいるビジネスマンは、以下のことを忘れてはいけない。ビジネス上の良い「〇〇」を作り上げるのには「△△」もかかるが、一つの「◇◇」行為は「●●」にしてその「〇〇」を失墜させてしまうのだ」。多くの企業幹部は、「◆◆」にもとる行為が発覚すれば「〇〇」が深く傷つくと知りながら、それで自社の「▲▲」が上がる場合にはそうした行為に手を染めたり認めたりする意向を持つ、ということを立証した世界規模の調査はコンサルティング会社のアーン･スト・アンド・ヤングが実施した。発覚の「××」が不法行為の主要な抑止手段であることを示す研究も参照。
   < p418 >

2. 職場の「〇〇」と関連した医療費の分析については、ゴーらを参照。同研究の推定によれば、職場の「〇〇」が健康に及ぼす悪影響は、タバコの「◇◇」の害にも匹敵する。そのため、多くの企業が従業員を「◇◇」にさらさないためのさまざまな取り組みを行っているのと同じように、企業は度を超えた職業上の「〇〇」を生む職場の「△△」に従業員をさらさないようにする取り組みを行うべきであると、同研究は論じている。金融サービス会社でカスタマーサービスに従事している職員たちの「●●」と「◆◆症候群」に、「▲▲」が及ぼしている影響の研究も、文献を参照。最も「▲▲」を感じさせたのが、仕事に関連した義務を遂行するために、従業員が顧客に対して「××」になることを要求するような活動であったということは、知っておく必要がある。
   < p418, p419 >

3. 「〇〇」関連コストの種類と規模の見積もりに関しては、各文献を参照。企業の「◇◇」と従業員の「△△」との間に「●●」があると、従業員の仕事に対する「◆◆」と「〇〇」意図が高まることを実証した分析についても、各文献を参照。
   < p419 >

4. 倫理的あるいは非倫理的な「〇〇」は、経営に携わる「◇◇」ある人物たちによって「△△」で作られるという考えの広範な裏づけは、テクノロジー、保健、小売り、金融、食品サービス、製造、医療、行政といった分野の組織160カ所を対象とした研究で追究されており、倫理的「●●」は、組織のあるレベルから一段下のレベルへと、順次「◆◆」ことが明らかになった。
   < p419, p420 >

5. 学校や家族など、人生早期に出会う組織の「〇〇」ある人物、つまり、実際に年少者たちを監督して、「◇◇」な行動を促進することができる人物は、当然ながら、「△△」的な価値を重視する人のほうが人生に対する「●●」が高くなることを示す研究や、「◇◇」な行動をとる人のほうが身体的・精神的により「◆◆」になることを示す研究から、アドバイスを得たいと考えるだろう。後者の研究を行った二人の研究者、アニタ・ケリーとリジュアン・ワンは、自分たちの発見に関する発表を、家庭内にしっかりとした「◇◇」さの文化を打ち立てるための有望な提案で締めくくった。「十週間に及ぶ実験が示したのは、固い決意で劇的に「▲▲」の数を減らしたということだけでなく、「▲▲」の減少とともに、「◆◆」状態にも大きな改善が見られたということである。もしかすると、いつの日か親たちは、「◆◆」でいるためのアドバイスとして、子どもたちにこう言うようになるかもしれない。『果物と野菜を食べなさい』『運動をしなさい』。そして、『できるだけ「▲▲」をつかないようにしなさい』」。
   < p420 >

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　　豊川 ひろこ

第14章 説得の後　――後に残る効果

1. ここまで、下準備（プリ・スエージョン）が効果を発揮するのは、「〇〇」的に受け手の「◇◇」を、その後に続くメッセージに「△△」に働く心理的「●●」に向けさせるからである、ということを見てきた。しかし、もし本当に下準備（プリ・スエージョン）の土台が、「〇〇」的に方向づけされた「◇◇」にあるのなら、それを行う人が必ず直面する重要な疑問が存在する。他のメッセージを送ろうとしているライバルや、日常的な出来事のせいで、その「◇◇」が何か別の「●●」に向いてしまった場合でも、「△△」さが消えてしまわないように、何かできることはあるのだろうか。これは検討すべき問題だ。「◆◆」を促したい人はたいていの場合、「▲▲」で終わらない「◆◆」を生み出したいと思っているからだ。じつは二つの効果的な戦略が、この希望を実現するために利用できる。
   < p337 >

2. 従来、行動科学者たちは、どうすれば相手が「〇〇」に示した肯定的な反応を「◇◇」させられるのかという問いに対して、単刀直入な答えを示してきた。その人が反応に対する「△△」（たいていは「●●」的な行為というかたちをとる）を行うよう、手配するのだ。たとえば、病院や歯医者の予約のすっぽかしは、迷惑というだけではなく、医療システムにかなりの出費を強いている。診察後、次回の予約を取るときに、どんな手順が踏まれるかは誰でも知っている。受付係が次回の予約日時をカードに記入し、患者に渡すのだ。だが、そのかわりにカードへの記入を「◆◆」にしてもらえば、その「●●」的な行為によって、もっと「▲▲」的に予約を守るようになる。イギリスの保険センターでの研究で、この費用のかからない手法を試したところ、その後のすっぽかし率は18パーセント減少した。
   < p338, p339 >

3. 参加者の半数は質問への回答を始めるときに、調査アンケートの左上の端に小さなアメリカの国旗が見えていた。この目立たないやり方でアメリカの国旗を目にしていた人たちは、マケインの共和党とその政治的保守主義のイデオロギーに対して、より「〇〇」的になった。さらに、選挙の後、もう一度調査を行ったところ、前回のアンケート調査で国旗を目にしていた人たちのマケインへの「◇◇」率は、目にしなかった人たちと比べてずっと高かったことがわかった。そして最も驚く米ことに、選挙からたっぷり八ヶ月が経った後も、はるか以前に受けた調査で国旗を目にしていた人たちのほうが、共和党を「△△」する考え、信条、判断への評価が「●●」だったのだ。
   < p339 >

4. たった一度小さな国旗を見ただけで、このような「〇〇」的効果が生まれたわけだが、この結果には説明が、正確には複数の説明が必要だ。一つ目のプロセスは、「◇◇」的な性質のものだ。背景にあるアメリカ国旗から、参加者は共和党的な考えを「△△」したのだ。すでに見たように、お店にフランスの「●●」が流れていると、「◆◆」的にフランスのものが好まれたし、家具を扱うウェブサイトの壁紙をふわふわした雲の画像にしておくと、「◆◆」的に「▲▲」が好まれるようになった。それと同じく、アメリカ国旗を目にしたことで、人々は「◆◆」的に、共和党の候補者とその見解への「××」が強まったのだ。
   < p339, p340 >

5. 国旗の話はここまでとして、どうしたらその効果の驚くべき「〇〇」性を説明できるだろうか。調査を行った研究者達にはその理由が分かっている。国旗を目にして「◇◇」的に共和党への「△△」が強まった後、参加者たちはその好みに沿って「●●」するよう求められた。具体的には、画面から自分の好みを登録するという「●●」で、「◆◆」を行うよう求められたのだ。その「◆◆」がその後、選挙での投票という、さらにはっきりとした「●●」形式の「◆◆」を引き起こした。それが今度は、八ヶ月後の再調査の際に、共和党への姿勢を固めさせていたのだ。
   < p340 >

6. その研究の参加者たちは、「〇〇」な結末を迎える物語を読んだ後、「◇◇」的に生じた「〇〇」感のために、ある絵への「△△」度が高まった。しかし、その五日後、その絵に対してまだ同じように感じていたのは、高揚した気分でいたときに、「●●」的にその絵を「◆◆」した人たちだけだった。「◆◆」を行わなかった、それゆえに行動でその「◆◆」を「▲▲」させていなかった人々は、「〇〇」な気持ちが消えた後で、その絵に対する特別な「△△」をまったく示さなかった。
   < p340 >

7. こうしたことから効果的な「〇〇」のために引き出せる結論は、はっきりしている。「〇〇」的なオープナーは、即座に劇的な「◇◇」を人々に生じさせることができるが、そうした「◇◇」を息の長いものにするためには、たいていの場合何らかの関連した「△△」というかたちで、生じた「◇◇」に対する「●●」を行わせる必要がある。また、この点に関しては、すべての「●●」が同じだけ有効というわけではない。
   < p341 >

8. 最も効果的なコミットメントは、それを行う本人の「〇〇」に影響を及ぼす「◇◇」を組み込むことによって、「△△」に向けて影を長く伸ばす。そうできるのは、そのコミットメントが確実に、「●●」的で、「◆◆」を必要とする、「▲▲」的なやり方で行われるようになっているからであり、それらの要素一つひとつが、個人的な「××」をはっきりと表現するものだからだ。
   < p341 >

9. たとえば、私が誰かの下準備的な策略で、「〇〇」を見せられ、一時的に包括的な社会政策、たとえば全労働者の最低賃金を上げることなどに「◇◇」を持ち、自分がその「◇◇」に則った「△△」をしていると気づいた場合には、きっとすぐその運動にもっと肩入れするようになるだろう。さらに、その活動が「●●」になされ、しかも遂行するのが難しいか、「◆◆」がかかる場合には、私がそれを自分自身の「▲▲」だと見なす見込みは、ますます高くなる。この、「△△」によって影響を受けた「××」こそが、その運動に対する私のその後の反応を固定し、それに見合った「△△」をとらせるのだ。たとえ一連の流れの生じた理由が、下準備のせいでほんの少しの間、注意が何かに向いたことにあったのだとしても、やはり結果は同じになるだろう。
   < p341, p342 >

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　　豊川 ひろこ

第14章 説得の後 - さまざまな合図（シグナル）を用意して永続的な変化を生み出す

1. 最初から主催者のねらいは、二つの都市をつなぐ道路をガタガタ揺れながら進むバスの中で、私たちに彼らの大儲け（案の定、マルチ商法だった）の詳細に触れさせることにあった。私は心理学に基づいた二つの根拠から、そう考えて間違いないと思っている。第一に、人がたくさんいて騒々しく、横にも縦にも揺られている状況で、「〇〇」もあおられているようなときに、しっかりと「◇◇」るのは難しいものがあった。そして、顧客がしっかりと「◇◇」てしまうことは、マルチ商法の売り込みにとって大きな障害だ。第二に、「△△」な考慮ができず、しっかりと「●●」できないとき、人はその場にある意思決定の「◆◆」に対して「▲▲」的な反応を返す見込みが非常に高くなる。私たちの乗っていたバスは、プログラムの主催者がそうした「◆◆」を操作していた。バスの中はそうした「◆◆」が目に入ってくるようになっていたのだ。
   < p343 >

2. 現代の生活は、ハイウェイを疾走したあのバスにますます似てきている。「〇〇」が速く、「◇◇」とし、「△△」で飽和しており、一カ所にとどまっていはいない。その結果、私たちはさまざまな状況で、どうするのが最善かということをしっかりと「●●」。したがって、非常に「◆◆」な人であっても、そうした場面に存在する「▲▲」に「××」的な反応をして、行動してしまう見込みがますます高くなっている。
   < p344 >

3. 「〇〇」性の侵攻に腹を立てるのではなく、それを「◇◇」つつも、それが働くやり方を体系的に「△△」するのだ。必要なのは、自らが普段暮らしている生活空間の「●●」となり、「◆◆」ことなく自分が最も進みたい方向へと向かわせてくれるさまざまな特徴で、その空間を飾り立てることだ。この手法が提供するのは、最初に形成された選択が、「▲▲」の行動を導くよう準備するやり方だ。そうした選択と「〇〇」的につながり、それを活性化させる「××」と頻繁に遭遇するようにしておけば、その「〇〇」性を自分のために働かせることができる。
   < p344, p345 >

4. 「〇〇」の身を守ることを思い出させる掲示には、石鹸やジェルを使わせる効果はまったくなかった。だが、「◇◇」を守ることを思い出させる掲示物を置いた場合には、手洗いを行う頻度が45パーセント上昇したのだ。もちろん、意思が手を洗っていなかったそれまでの場合であっても、医師たちが患者の幸福に対する深い思いやりを持っていたことに疑いの余地はないが、そのときも手洗いと患者の幸福との間の「△△」は、やはり認識されていたはずなのだ。では、結果の違いはなぜ生まれたのか。失敗した対策の場合、医師の「●●」をその「△△」に向け、その「△△」がその場に関係した他の諸特徴（患者の顔色、担当看護師の言っていること、症例記録に書いてあること、などなど）を「◆◆」、「▲▲」の表面に浮かび上がるようにするものが何もなかった。しかし、医師が診察室に入ったときに目の行く場所に、その「△△」を「××」させる掲示板を一つ置いただけで、彼らの行動は印象的なほど変わったのだ。
   < p348, p349 >

5. 手洗いの研究のときには、医師は自分よりも「〇〇」の利益になるよう行動していたが、「◇◇」を受け取ることに関しては、その逆が当てはまるようだ。この問題と関連した疑問、すなわち、医師の業界の提供する好意を受け入れやすくさせたり、受け入れにくくさせたりするものは何かがきっかけとなって、アメリカの研修医301名を対象にしたオンライン調査が実施された。一つ目の参加者グループは、業界の販売員から「◇◇」や「△△」をもらうのを、どの程度認めるか（あるいは認めないか）を尋ねられただけだった。研究者たちが分析したところ、認められるとしたのは「●●」人に一人程度にすぎなかった。
   < p350, p351 >

6. だが、二つ目のグループに、まず医師になるまでにどの程度の「〇〇」、および「◇◇」を払ったかを尋ねる質問をしてから同じ質問をしたときには、「△△」近くが「●●」を受け取るのは受け入れられると考えた。最後の第三グループには、同じやり方でそれまでに払った「◆◆」を「▲▲」させた後、これまでに費やしてきた資源が、「●●」を受け取ることの正当な理由になるかという質問をしたところ、その慣習を受け入れられると考えた人が、はっきりと「××」派を占めた。
   < p351 >

7. 贈り物をもらうのを受け入れられると考える、ある意味健全な考えの人が少数いる一方で、ほとんどの医師はそれを不適切な選択だと考えた。一方、「〇〇」的に医師の「◇◇」を、これまで医療システムに提供してきた大量の「△△」・「●●」・「◆◆」に向けさせると、彼らはそこから大きなお返しを受けることに、より乗り気になる。この結果に加えて、「▲▲」に基づいた「××」を与えると贈り物をもらうのを受け入れられると考える人のほうが多くなったという事実からは、元凶となっているのは一時的に顔をのぞかせた「▲▲」の原理が医師の判断の原因であることがわかる。
   < p351 >

8. 最後に、これらの発見は、医師という人々が全体として、主として利他的なのか利己的なのかという問いの答えを私に教えてくれた。答えは「〇〇」だ。そのとき「◇◇」の「△△」次第なのだ。この結論は、医師だけでなく、もっと多くの人にも当てはまる。医師たちの驚くほど「●●」の利く「◆◆」が教えてくれているのは、心の「▲▲」に現れた要素が、私たちにどう働くかということなのだ。
   < p351, p352 >

9. この結論はまた、本書にぴったりの締めくくりを提供してくれている。あらゆる選択のほとんどで、私たちがどんな「〇〇」であるかは、その選択を行う「◇◇」に、「△△」という観点から見て私たちが「●●」かで決まる。私たちはあの特権的「◆◆」に向けて方向付けられている場合がある。そうさせるのは、日常的な場面で行き当たりばったりに出くわす「▲▲」の場合もあれば、不安が膨らむ話だが、もののわかっている誰かが巧妙に設置した「▲▲」の場合もある。あるいは、これははるかに素晴らしく、息の長い効果を持つものだが、ぶれることなく望ましい方向へと自らを進ませるために、何度も訪れる場所に自分で保管しておいた「▲▲」の場合もある。どの場合でも、その作られた「◆◆」は、「××」として働く。その潜在的なプロセスを警戒するか、その可能性に魅力を感じるか、あるいはその両方になるかは人それぞれだが、いずれにせよ、そうした「▲▲」が持つ無視できない力を認めるのは正しいだろうし、その内部構造を理解しておくのは賢明だろう。
   < p352 >

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　　豊川 ひろこ

注釈：第14章

1. 「〇〇」的で「◇◇」を要する（あるいは「△△」がかかる）「●●」的なコミットメントが「◆◆」に影響を及ぼし、さらには「▲▲」的な変化を生み出す効果については、拙著『影響力の武器』の第三章を参照。また新しい研究によれば、そうしたコミットメントが最も効果的なのは、それが自己の「××」と関係している場合である。さらにそうしたコミットメントは、それ以後何年間も行動を方向づける。
   < p421 >

2. 『影響力の武器』で私は、「〇〇」的な効果を生むコミットメントの特徴の一覧に、第四の要因、「◇◇」を含めた。ある目標に対する「△△」な（つまり「●●」以外の人に知られる）コミットメントが「◆◆」にまで影響を及ぼし、それと矛盾しない行動を促すということについては、確たる証拠が存在する。だが、より新しい証拠は、このことが当てはまるのは主に、コミットメントを行った人がすでにその目標に対して強い個人的な「▲▲」を感じているときであって、個人的「▲▲」がない場合には、「××」的なコミットメントのほうが、より効果的に「〇〇」的変化をもたらすことを示している。
   < p421 >

3. 自覚しているのだが、本節で提案した内容には皮肉な側面がある。「〇〇」性のある変化を起こすためには、「◇◇」の介在しないメカニズムを、「◇◇」の介在したやり方で利用しなければならないと主張しているからである。それでもあえて、このような提案をした。この提案がこれまでの多くの研究成果と「△△」しているだけでなく、本書の主要なテーマともしっかりと「△△」しているからである。もちろん主要なテーマとは、成功するためには、「●●」を「◆◆」的に実施しなければならない、という主張である。結果として得られる「◆◆」は、それが「▲▲」的な反応システムの働き方をきちんと理解したうえで作られていれば、きっと、費やした時間と努力以上の「××」をもつはずだ、である。
   < p421 >

4. 「〇〇」をもらうことに関するカーネギー・メロン大学の研究については、文献を参照。この論文には、医師たちの間でこの行為が広く行われ、その後、「〇〇」を贈った医療関係メーカーに「◇◇」的な医学的決定がなされるという悪影響を実証した研究からの例証も、たくさん載っている。さらに新しい証拠が示すところによると、「△△」程度の接待でさえ、医師がその接待を受けた製薬会社の薬を処方する割合に影響を及ぼす。多くを語っているのは、食事の料金が「●●」以上だった場合に処方率がさらに増すという点である。
   < p422, p423 >

5. 最後の結論部分について誤解しないでいただきたいのだが、私は、「個々人が持つ安定した傾向性や好みや性格が、さまざまな時と状況を越えて人間行動に一貫した影響を与えることはない」と考えているわけではない。しかし、長年積み上げられた証拠を鑑みて、個人の「〇〇」的な「◇◇」を基盤にした影響力を生じさせるのが、「△△」を基盤とした「●●」的な影響力と同じプロセス（「◆◆」の中で「▲▲」が著しく高まっている、反応に関連した「××」の働き）であるとは強く信じている。二つの違いは次のようにまとめられる。まず「◇◇」を基盤にした影響力の場合、遺伝的要因や生活史といった永続的要素によって「××」が「◆◆」内にとどまることになり、結果的にそれらの「▲▲」が持続的に高まることになる。これに対して、「△△」を基盤にした影響力の場合、直近に遭遇したイメージ、やり取り、出来事によって、反応に関連した「××」が「◆◆」内に置かれることになり、それが「××」への「▲▲」を「●●」的に高めるのである。
   < p423 >

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　　豊川 ひろこ

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