思考の整理学

1タイトル 9問制限&穴埋め形式テスト

思考の整理学
- 書籍紹介（「BOOK」データベースより）
質問型テスト
- 思考の整理学
穴埋め型テスト
- Ⅰ
- Ⅱ
- Ⅲ
- Ⅳ
- Ⅴ
- Ⅵ

思考の整理学 (ちくま文庫)

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外山滋比古筑摩書房 1986-04-24

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書籍紹介（「BOOK」データベースより）

アイディアが軽やかに離陸し、思考がのびのびと大空を駆けるには?自らの体験に則し、独自の思考のエッセンスを明快に開陳する、恰好の入門書。

質問型テスト

思考の整理学

グライダー能力と飛行機能力とは何か？学校はどちらの能力を育てることに適しているか？また関連してこの本の趣旨は何か？またグライダー専業では安心していられないのはなぜか？
< p13, p15 >

ギリシャ人が人類史上もっとも輝かしい文化の基礎を築き得たのはなぜか？
< p21 >

思考の整理法としてもっとも大切なことは何か？またその効果を、発酵法とカクテル法、セレンディピティーとの関係から答えよ。
< p45, p57, p58, p59, p69, p70 >

第一次的思考（情報）、第二次的思考、第三次的思考とは何か？それらを踏まえた上で、思考の整理とはいったい何であると言えるか？また思考の整理のためには何を考えなくてはならないか？
< p75 p77, p78 >

思考の整理にもっとも有効なものは何か？また、なぜそれが重要なのか？それは何にもとづいて行われるか？また、それを行うにあたって効果的な方法をいくつかあげよ。
< p127, p111, p112, p115, p118, p119 >

思考を声に出すと良い場合と悪い場合には、どのようなものがあるか？またそれはなぜか？
< p138, p154, p155, p156, p157 >

第一次的現実と第二次的現実とは何か？また、読書、テレビ、「見るもの、読むもの」、「働くもの、感じるもの」、サラリーマン、学生、飛行機人間、グライダー人間、思考の整理、ことわざは、それぞれどちらの現実に当てはまるか。近代人はどちらを重視しているか。また、真に創造的な思考は、どちらの現実に根ざしたところから生まれてくるか？
< p192, 193, p194, p195, p196 >

人にそなわった二つの相反する能力、「拡散的作用」と「収斂的作用」とは何か？拡散作用によって生まれたものはどのような特徴を持っているか。それと対照的な収斂性の特徴は何か。飛行機型の思考、グライダー型の思考は、どちらの作用に当てはまるか。拡散的読書、収斂的読書とは何か？表現の生命を不朽のものとするのはどちらの読書はどちらか？またそれはなぜか？拡散的思考は、最終的にどのようになるか。
< p204, p207, p208, p209 >

これまでの知的活動、学校教育は、何と何にあったか。この人間的価値がゆらぎ始めたのはなぜか？これによって社会的にどのような自然淘汰の法則が働くか。この本が、知ること、よりも、考えることに、重点をおいてきているのはなぜか？人間にしかできないことは何か。
< p210, p213, p214, p215 >

復習リマインダー

　　中津川進一

穴埋め型テスト

Ⅰ

一般に、学校教育を受けた期間が長ければ長いほど、「〇〇」の能力は低下する。
< p12 >

指導者がいて、目標がはっきりしているところでは「〇〇」能力が高く評価されるけれども、新しい文化の創造には「◇◇」能力が不可欠である。それを学校教育はむしろ抑圧してきた。この本では、「〇〇」兼「◇◇」のような人間となるには、どういうことを心掛ければ良いかを考えたい。
< p15 >

グライダー専業では安心していられないのは、「〇〇」という飛び抜けて優秀なグライダー能力の持ち主があらわれたからである。自分で翔べない人間は「〇〇」に仕事を奪われる。
< p15 >

師匠の教えようとしないものを「〇〇」と心がけた門人は、いつの間にか、自分で新しい知識、情報を習得する力を持つようになっている。いつしかグライダーを卒業して、飛行機人間になって免許皆伝を受ける。昔の人は、こうして「◇◇」的に流されやすい学習を「△△」的にすることに成功していた。
< p18 >

いまの学校は教える側が「〇〇」的でありすぎる。「◇◇」でありすぎる。また、知識を与えるのに有能であればあるほど、学習者を「△△」にする。本当の教育には失敗するという皮肉なことになる。
< p18, p19 >

ギリシャ人が人類史上最も輝かしい文化の基礎を築き得たのも、彼らに優れた「〇〇」の作成の力があり、「◇◇」を問うことができたからだと言われる。
< p21 >

どんなことでも、「〇〇」前にすれば、さっさと片付く。朝の頭はそれだけ「◇◇」がいい。おもしろいことに、朝の頭は「△△」的であるらしい。
< p24 >

だいたい、「〇〇」に何かを入れたあとすぐ、頭を使うのはよくない。「◇◇」のために血液が取られて、頭がぼーっとする。それが当たり前で、学校の生徒が、午後の授業で睡魔に襲われるのは健康な証拠である。
< p25 >

「〇〇」はゆっくり休む。そのかわり、「◇◇」はすべてを忘れて仕事に神経を集中させる。これには午前中をすべて「△△」にするのがよろしい。８時に起きても四時間ある。その間に、その日の仕事をすませてしまう。
< p26 >

復習リマインダー

　　江本健吾

Ⅱ

あまり考えつめては、問題の方が引っ込んでしまう。出るべき芽も出られない。「〇〇」からだと、ナベの中はほどよく煮えているというのであろう。「◇◇」の妙、ここにありというわけである。
< p39 >

思考の整理法としては、「〇〇」ほど大切なことはない。思考を生み出すにも「〇〇」のが必須である。
< p40 >

「テーマは「〇〇」では多すぎる。すくなくとも、二つ、できれば、三つもって、スタートしてほしい」。「〇〇」だけだと、「◇◇」のようになる。こだわりができる。妙に力む。頭の働きものびのびしない。ところが、もし、これがいけなくとも、「△△」さ、と思っていると、気が楽だ。テーマ同士を「●●」させる。いちばん「◆◆」そうなものにする。さて、どれがいいか、そんな風に考えると、「▲▲」の方から近づいてくる。
< p43 >

同じ問題について、AからDまでの説があるとする。自分が新しくX説を得たとして、これだけを尊しとして、他を全てなで切りにしてしまっては、「〇〇」に堕しやすい。Xにもっとも近いBだけを肯定しようとするのも、なお「◇◇」のうらみなしとしない。AからDまでとXをすべて認めて、これを「△△」する。こうしてできるのが「●●」もどきではない、本当の「●●」論文である。
< p46, p47 >

"知の「〇〇」"、言いかえると、頭の中でカクテルを作るには、自分自身がどれくらい独創的であるかはさして問題ではない。持っている知識をいかなる「◇◇」で、どういう「△△」で並べるかが緊要事となるのである。既存の知識を「●●」によって、新しい、それまでとはまったく違った価値のあるものにする"知の「〇〇」"が技法としても、十分自覚されていないのは不思議である。
< p51 >

編集の機能を、表現する筆者と受容する読者との手を「〇〇」ことであるとするならば、エディターシップは自分の個性や才能をを縦横に発揮してケンランたる誌面を作り出すことにあるのではない。むしろ、自分の「◇◇」などを殺して、執筆者と読者との「△△」が成立するのに必要な媒介者として「●●」的に機能する。第二次的創造というのは、「◆◆」的創造のことになる。
< p56 >

発想が扱うものは、「〇〇」、「◇◇」なものであって差し支えない。そういうありふれた素材と思いもかけない「△△」、「●●」をおこして、新しい思考を生み出す。発想のおもしろさは、「◆◆」のおもしろさである。「▲▲」をつくり出すことではない。
< p58 >

創作と知的発見を問わず、小さな「〇〇」というのものは、抑制されなくてはならないものであることが理解されるであろう。寝させておく、忘れる時間をつくる、というのも、「◇◇」や「△△」を抑えて、頭の中で自由な「●●」が起こる状態を準備することに他ならない。ものを考えるにあたって、「◆◆」の境がもっとも優れているのは偶然ではない。
< p58, p59 >

「〇〇」的関心よりも、むしろ、「◇◇」的関心の方が活発に働くのではないかと考えさせるのが、「△△」現象である。寝させるのは、「〇〇」部においてはまずいことを、しばらくほとぼりをさまさせるために、「◇◇」部に移してやる意味を持っている。そうすることによって、目的の課題を、「△△」を起こしやすいコンテクストで包むようになる。人間は意志の力だけで全てを成し遂げるのは難しい。「●●」の作用に負う部分が時には極めて重要である。
< p69, p70 >

復習リマインダー

　　肥田亮平

Ⅲ

自然を「〇〇」に表現したものが、第一次情報になる。これに対して「この地方の山はーー火山帯に属している」といった表現は、第二次表現である。第一次情報を踏まえて、より高度の「◇◇」を行なっている。「△△」情報である。さらにこれをもとにして「◇◇」化を進めれば、第三次情報が出来る。「△△」・「△△」情報というわけである。
< p74, p75 >

我々が自分で考えたことがらについても、この第一次からの段階的「〇〇」化が考えられる。断片的な一つ一つの「◇◇」は、いわば、第一次情報である。そのままではそれほど意味を持たない。これを他の「△△」と関連させ、まとめて、第二次的情報にする。このときに、醱酵、混合、アナロジーなどの方法がはたらくのである。思考の整理というのは、低次の思考を、「〇〇」のハシゴを登って、「●●」化していくことに他ならない。整理、「〇〇」化を高めることによって、高次の思考となる。「◆◆」も大きくなる。
< p77 >

本当の思考の整理とは、第一次的思考をより高い「〇〇」性へ高める「◇◇」的変化である。いくらたくさんの知識や思考、着想を持っていても、それだけでは、第二次的思考へ昇華するということはない。思考の整理には、平面的で量的なまとめではなく、「△△」的、「◇◇」的な統合を考えなくてはならない。この本で、着想の醱酵などについて、ことに詳しく考えてきたのは、この点を考えたからである。これを思考の「●●」と言い換えることもできる。
< p78 >

何かを調べようと思っている人は、どうも「〇〇」になるようだ。大は小を兼ねるとばかりに、なんでも自分のものにしようとする傾向がある。これでは集まった知識の「◇◇」を減じてしまう。「△△」をはっきりさせて、やたらなものに目をくれないことである。つまり、調べにかかる前に、よくよく「●●」をとらなくてはならない。
< p86 >

ノートの一項目ずつの記載にも、カードと同じように、「〇〇」が不可欠である。ノートの利用価値を高めるには、「〇〇」をまとめて、「◇◇」にして置くと良い。
< p90 >

いくら忘れようとしても、いくつかのことはいつまでも残る。これはその人の深部の「〇〇」、「◇◇」につながっているからである。忘れてよいと思いながら、忘れられなかった知見によって、ひとりひとりの「△△」は形成される。つんどく派にスタイルのはっきりした知識人が多いように思われるのは偶然ではない。
< p95 >

これでよし、と安心できないと、寝させたことにはならない。しばらくは、忘れる。しかし、まったく忘れてしまってもこまる。忘れて、しかも、忘れないようにするにはどうしたらいいのか。それが問題である。「〇〇」しておく。これが解決法である。
< p97 >

もうひとつ、「〇〇」する必要があるのは、寝させるだけでなく、とりあえず「◇◇」必要のあることだ。ふっと頭に浮かんだものはふっと消えてしまいやすい。いったん消えてしまうと、どんなに思い出そうとしても、二度とよみがえってこないことがある。
< p98 >

「〇〇」が変われば、意味は多少とも変化する。手帖の中にあったアイディアをノートに移してやると、それだけで新しい意味を帯びるようになる。もとのまわりのものから切れ離されると、それまでとは違った色に見えるかもしれない。
< p105 >

復習リマインダー

　　並木祐里

Ⅳ

平常の生活で、頭が忙しくしてはいけない。人間は、自然に、頭の中を整理して、忙しくならないようになっている。「〇〇」である。朝の時間が、思考にとって黄金の時間であるのも、頭の工場がよく整理されて、動きやすくなっているからに他ならない。
< p113 >

頭をよく働かせるには、この"〇〇"ことが、きわめて大切である。頭を高能率の工場にするためにも、どうしてもたえず「〇〇」必要がある。
< p115 >

忘れるのは「〇〇」にもとづいて忘れる。「〇〇」がしっかりしていないと、大切なものを忘れ、つまらないことを覚えていることになる。
< p115 >

忘れるときにも、「〇〇」をすればいい。ひとつの仕事をしたら、すぐそのあと、まったく別のことをする。それをしばらくしたら、また、新しい問題にかかる。長く同じことを続けていると、「◇◇」が蓄積する。「△△」が悪くなってくる。ときどき一服してやり、リフレッシする必要があるのはそのためだ。しかし、「●●」の活動ならば、とくに休憩などしなくても、リフレッシできる。
< p118 >

「〇〇」を流すのが忘却法として効果があるようだ。気分爽快になるのは、頭が綺麗に掃除されている、忘却が行われている証拠である。適度の「◇◇」は頭の働きを良くするのに必須の条件でなくてはならない。「△△」というが、頭は体の一部である。体の「△△」をよくしないで、頭の「△△」だけよくしようというのは無理な註文であろう。
< p119 >

忘れ上手になって、どんどん忘れる。「〇〇」の何倍ものテンポで忘れることができれば、歴史が三十年、五十年かかる「◇◇」化という整理を五年か十年でできるようになる。「△△」を強化して、忘れる。それが個人の頭の中に「◇◇」をつくり上げる方法である。そうして「◇◇」的になった興味、着想ならば、簡単に消えたりするはずがない。思考の整理とは、いかにうまく「●●」か、である。
< p127 >

知識ははじめのうちこそ、多々益々弁ず、であるけれども、「〇〇」に達したら、逆の原理、削り落とし、「◇◇」の原理を発動させなくてはならない。つまり、「△△」が必要になる。はじめはプラスに作用した原理が、ある点から逆効果になる。そういうことが色々なところで起こるが、これに気づかぬ人はそれだけで失敗する。
< p130 >

整理とは、その人のもっている「〇〇」、「◇◇」、「△△」によって、ふるいにかける作業に他ならない。価値の「●●」がはっきりしないで整理をすれば、大切なものを捨て、どうでもいいものを残す愚を繰り返すであろう。かりに、価値の「●●」があっても、ゴムでできていて、時によって、「◆◆」するようなら、これまた没価値的整理と選ぶところがない。すてるには、その人間の「▲▲」による再吟味が必要である。これは没「▲▲」的に知識を吸収するのに比べてはるかに厄介である。
< p132 >

思考は、なるべく多くの「〇〇」をくぐらせた方が、整理が進む。頭の中で考えているだけではうまくまとまらないことが、「◇◇」みると、はっきりしてくる。「△△」とさらに純化する。人に「●●」みるのも良い。書いたものを「◆◆」を出して読めば、いっそうよろしい。
< p139 >

復習リマインダー

　　足達浩明

Ⅴ

原稿は黙って書くが、読み返しは、「〇〇」する。そして、もし「◇◇」ところがあれば、かならず問題が潜んでいる。再考して見なくてはならない。沈黙の読み返しでは、大抵こういうところを見逃してしまう。「△△」は、目だけでは見つけることのできない「●●」を発見する。
< p154 >

話してしまうと、頭の内圧が下がる。溜飲を下げたような「〇〇」がある。すると、それをさらに考え続けようという意欲を失ってしまう。あるいは、文章に書いてまとめようという気力がなくなってしまう。しゃべるというのが、すでにりっぱに「◇◇」である。それで満足してしまうのである。「出版社に務めるなら、編集より「△△」がいい。」創作へのエネルギーはとかく「●●」で肩代わりされやすいことを見抜いた言である。
< p156, 157 >

俗世を離れた知的会話とは、まず、「〇〇」の名、「◇◇」名詞を引っ張り出さないことである。共通の「△△」の名前が出ると、どうしても、会話はゴシップに終わる。ゴシップからはネズミ一ぴき出ない。害あって益なしである。つぎに、「●●」の動詞でものを言わないことである。「◆◆」「▲▲」と行った表現を用いれば、創造的なことが生まれやすい。
< p158 >

「〇〇」が知れていて、しかも、なるべく「◇◇」のうすいことをしている人が集まって、現実離れした話をすると、触媒作用による発見が期待できる。「△△」の着想も可能になる。なによりも、生生として、躍動的な思考ができて、たのしい。時の経つのを忘れて語り合うというのは、多くこういう仲間においてである。たくまずして、話ははじめから「●●」している。「●●」は「●●」を誘発して、はじめはまったく予期していなかったところへ展開していく。
< p158 >

生物学的に「〇〇」がよろしくないとすれば、知的な分野でもよかろうはずがない。企業などが、同族で占められていると、「◇◇」しやすい。新しい思考を生み出すにも、「〇〇」は好ましくない。それなのに、近代の専門分化、知的分業は、似たもの同士を同じところに集めた。
< p169 >

中央部志向の専門家は、どの学問でも「〇〇」に近づかない。どの学問でも境界領域は「◇◇」と決まっている。そこを開発するには、これまでの学問と学問をへだてていた垣根をとりはらわなくてはならない。そして生まれたのが「△△」だ。「△△」とは知的な次元でも継ぎ木が大きな実りを約束することに着目したものである。ここでもふたたび、「●●」は、「●●」に影響することが難しいということばを思い起こして見る必要があるだろう。
< p171 >

以上の三つ、「〇〇」、「◇◇」、「△△」がいい考えの浮かぶいい状態であると考えられる。いずれも、「●●」である。そういえば、三上にしても、「●●」でないことはない。人間、日々、常住座臥、「●●」ならざるはなく、そのつもりになれば、いたるところで妙想が得られることになる。
< p177 >

ものを考えるに当たっても、「〇〇」を援用すると、簡単に処理できる問題も少なくない。現実に起こっているのは、「◇◇」的問題である。これは一つ一つ特殊な形をしているから、「△△」が困難である。これをパターンにして、一般化、記号化したのが「〇〇」である。一般化して、なるべく、「●●」の高い形にまとめておくと、同類のものが、あとあとその形と照応し、その形式を強化してくれる。
< p188 >

自分だけの「〇〇」のようなものをこしらえて、それによって、自己の経験と知見、思考を「◇◇」させるのである。そうして生まれる「〇〇」が相互に関連性をもつとき、その人の思考は「△△」をつくる方向に進む。そのためには、「●●」、「◆◆」の核をはっきりさせる。その核に凝集する具体的事象、経験を「▲▲」に昇華して、自分だけの「〇〇」の世界をつくりあげる。このようにすれば、本を読まない人間でも、思考の「△△」をつくりあげることは十分に可能である。
< p189 >

復習リマインダー

　　沢田絹子

Ⅵ

われわれがじかに接している外界、「〇〇」的世界が現実であるが、「◇◇」によって、頭の中にもうひとつの現実世界をつくり上げている。はじめの「〇〇」的現実を第一次的現実と呼ぶならば、後者の頭の中の現実は第二次的現実と言って良いだろう。第二次的現実は、第一次的現実についての情報、さらには、第二次的現実についての情報によってつくり上げられる観念上の世界であるが、「◇◇」のために、いつしか、しっかりした「△△」をおびるようになる。
< p192 >

現代のように、「〇〇」的現実が「◇◇」的現実を圧倒しているような時代においては、あえて「◇◇」的現実に着目する必要がそれだけ大きいように思われる。人々の考えることに「△△」のにおいがない。したがって活力に欠ける。意識しないうちに、「●●」的になって、ことばの指示する実体が「◆◆」になる傾向がつよくなる。「●●」は「〇〇」的現実から生まれる思考の性格である。
< p195 >

「〇〇」をしながら、普通の行動をしながら考えたことを、整理して、新しい世界をつくる。これが「◇◇」型人間である。「△△」のにおいのする思考がどんどん生まれてこなくてはならない。それを単なる着想、思いつきで終わらせないために、「●●」化を考える。真に創造的な思考が「◆◆」的現実に根ざしたところから生まれることを現代の人間はとくと肝に銘じる必要があるだろう。「◆◆」的現実の思考の結晶したもっとも通俗なものが、先にも述べた「▲▲」である。
< p196, 197 >

知的活動には三つの種類が考えられる。①「〇〇」。以下、これをAとする。②「◇◇」。これをBとする。③「△△」。これをCとする。
< p198 >

Aの読みは、知る、という活動であるが、Bはただ、はじめから知るというわけには行かない。まず「〇〇」が必要である。ことばを手がかりに、「◇◇」の世界へわけ入って行く。それでなんとかわかれば、「◇◇」を「△△」とすることができる。さらに、そういう「〇〇」を拒むような理解の難しい表現もある。これがCの読みになる。どうしてわかるのか。「●●」である。「◆◆」、意おのずから通ず、というのがこのCの読み方である。
< p199 >

A読みをしていたのが、突如としてB読みのできるようになるわけがない。移行の橋わたしがなくてはならない。それに役立つのが「〇〇」である。本当にBの読みができるようにするためには、「〇〇」を情緒的にわかったとして満足しているのではなく、「◇◇」によって、どこまで既知の延長線上の「△△」がわかるものか。そのさきに、「●●」と「◆◆」の飛翔によってのみとらえられる発見の意味があるのか。こういうことがしっかり考えられていなくてはならない。
< p201, p202 >

われわれには二つの相反する能力がそなわっている。一つは、与えられた情報などを改変しよう、それから脱出しようという「〇〇」的作用であり、もうひとつは、バラバラになっているものを関係づけ、まとまりに整理しようとする「◇◇」的作用である。「〇〇」作用によって生まれたものは、散発的である。線の様にまとまらないで、点のように散っている。点と点は一見、相互に「△△」がないように思われる。本書ですでに用いた比喩を採用するならば、「●●」型の思考である。これと対照的なのは、「◇◇」性による整理である。まず、整理には、「◆◆」が必要である。目標に向かって、全てのものを統合する。その「▲▲」がはっきりしていないと、まとめをすることができない。
< p204, 207 >

これまでの学校教育は、主として「〇〇」性による知識の訓練を行ってきた。これには、いつも「◇◇」が予想される。満点の答案がありうる。長い間学校教育を受けていると、すべてのことに、「◇◇」があるのだというような錯覚におちいるのは、「〇〇」能力だけが磨かれているからである。そういう頭で、満点の答のない問題に立ち向かうと、手も足も出なくなってしまう。自分の「△△」を打ち出すことはできないが、教えてもらった知識を、必要に応じて「●●」するのは巧みであるという学習者が優等生として尊重される。「◆◆」人間である。
< p207 >

本を読むにしても、これまでは「〇〇」をひとつ決めて、それに到達するのを目標とした。その場合、作者、筆者の「◇◇」というのを絶対とすることで、容易に「〇〇」を作り上げられる。それに向かって行われるのが「△△」的読書である。それに比して、自分の新しい「●●」を創り出していくのが、「◆◆」的読書である。当然、筆者の「◇◇」とも衝突するだろうが、そんなことには怯まない。「△△」派からは、誤読、誤解だと非難される。しかし、読みにおいて「◆◆」作用は表現の生命を「▲▲」にする絶対条件であることも忘れてはなるまい。古典は「◆◆」的読みによって形成されるからである。筆者の「◇◇」がそのままそっくり認められて古典になった作品、文章はひとつも存在しないことはすでにのべたとおりである。
< p208 >

復習リマインダー

　　中津川進一

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